1996.09.25号
 
夕食後のひと時をタコ釣りって面白いですよ〜


 暑かった夏も終わって、海はだんだんと秋の気配を感じられるようになってきた。秋と言えば一般的なアングラーにとってターゲットの豊富な絶好の季節だ。

 ところで皆さんはタコを釣った経験って無いかな。
『タコってボウズのこと?』
『俺はルアーマンだからタコなんて釣らねえよ。魚じゃないだろっ!』
こんな声が聞こえてくるかも知れない。でもタコ釣りって面白いですよ〜。
 もちろんこのページに登場してくるからにはそれらしい釣り方だヨ。みんなはアオリイカのエギングってやったことあるかな。アオリイカはルアーマンたちに美味しいターゲットとして受け入れられたようだけど、タコってまだ外道扱いされているよネ。今回はこんな可愛そうなマダコくんにスポットライトをあててみたいと思う。

 さて、ここで言うタコは世間一般にマダコと言われている種類のヤツで、魚屋さんや寿司ダネに使われているモノだ。そう聞くとやっぱり高級感がある筈なんだけど、こと釣りでの話となると専門にタコテンヤで狙っている人以外はそれほど夢中になっている人を見掛けない。
 なんでだろう。イカと比べて見た目が悪いのか、グロテスクと感じるのか。それともグニョグニュしたアノ動きが気持ち悪いと感じるのだろうか。確かにボクもムニュッとタコを無造作につかむのはイヤだけど、釣るのと食べるのは大好きだ〜い!

 クラブの仲間には軟体動物であるタコもイカも釣らないと言うヤツもいる。もちろん食べるのもダメだ。彼に言わせるとアレは引かないから面白くないんだと言う。
 タコのためにもここでひと事。タコは決して引かないなんて事ないヨ。アオリイカと同様にグゥイーン、グゥイーンとしっかりファイトしてくれるんだからネ。そういうのは飽きるくらい釣ってみてから言う言葉だよ。

 ハイッ、前置きは終了。それではタコ釣りの正しい?楽しみかた講座を始めることにしよう。ボクがいち押しの釣り方はやっぱりエギングだ。タコのエギング…。シーバスロッドなんかを使って、夕食後のひと時をまだ残暑の残る夏を惜しみながら釣る。ク〜ッ、最高のフィッシングライフを感じない?
 今年も夏の間の雨が少なくタコの沸きはいいようだ。雨の少ない年には何故かタコが多いとよく言われるが、おそらく今年も例外ではないだろう。アオリイカのシーズンに突入する前の腕試しも兼ねて、初秋のひと時を堪能してみるのもいいのではないかな。
 例年だとボクは真夏からタコの様子を確かめに通うようになるけど、今年は忙しくってとてもじゃないけど行っている時間が取れない。ホントは今回もボクが釣ったタコの写真をド〜ンと皆さんにお見せしたかったんだけど、残念ながら今シーズンはまだ1回もタコのエギングには出かけてないんです。

 そうは言っても通い慣れた海だからポイントくらいは熟知しているつもり。ボクが推薦したいのは西湘の早川港と江の浦港だ。いずれも港口のような足場の高い場所ではなく、港内の足場が低くて女性や子供も安心して動向できるポイントが多い。場所によっては手摺もあるので、さながら釣り公園で遊んでいるような気分にもなれる。
 タコは海底に石コロや空カン(ホントは空カンなんてあって欲しくないんだけど…)のひとつでもあれば釣れると思ってもいい。但し、海底がヘドロのような場所はダメ。出来れば砂地か砂泥地くらいの場所を探してみよう。ルアーで養ったみんなのテクニックを持ってすれば、海底の状態をエギで探るなんてことは簡単な筈だよね。
 もちろん堤防のヘチに張り付いている事も多いから、ヘチに沿ってチョコチョコと動かしながらユックリ移動していってもいい。

 しかし、出来ればエギをおもいっきりキャストして、ボトムの状態を確認しながらアオリイカの練習のつもりでやった方が面白いと思うよ。それにヘチで掛けたタコは慣れないとすぐに岸壁に張り付いて大変だヨ。
 基本的にはキャストしたエギをボトムまで沈めて、着底しても30秒くらいはほっておこう。タコのポイントを直撃していればこの状態でノルことが多いからだ。長いポーズをとった後は最初に大きくロッドをあおる。ノッテいればこの時点でズシンと手ごたえがあるので一気にボトムから剥がして一定のテンションでリーリングしてくる。
 ここでのらなくてもアオリイカ以上にゆっくりと、ボトムをヨタヨタ動きながらモゾモゾ動かしてくるような感じでリーリングしてみよう。思ったより簡単に釣れるんだヨ。
 たまには違ったターゲットも狙ってみるときっと楽しめると思うよ。詳しいタックルはイラストを参考にしてネ!