1996.10.25号 アナハゼはショアからのライトタックルで最も注目されている?
みんな、アナハゼって知ってるかな。昼でも夜でもよく釣れるターゲットなんだけど、出来ることなら昼間楽しみたいターゲットなんだ。ナンデ?って思うだろうネ。 それはとっても見てて楽しいターゲットだからなんだよ。目の前にルアーを通すとひょうきんな動きをしながらジッと見ている。そして自分の射程距離に近付いてきたらスゥイッ、スゥイッと常に一定の間隔を保ちながら迫ってくる。コイツをいかにしてルアーにアタックさせるかの駆け引きが楽しいんだ。 サイズは10〜20cm位だけど、そのルアーにアタックする瞬間と可愛らしいファイト、釣り上げてからの何とも言えない表情が興奮の後に嬉しさを感じさせてくれるんだ。 一般的には知られてないようだけど、最近のショアからのライトタックルルアー人気で最も注目されている?ターゲットのひとつなんだヨ。 今回の釣行も本来はメッキの様子を見るため西伊豆まで行ってきたんだけど、やっぱり岸壁の人気者であるアナハゼを狙わないわけにはいかない。当然の事ながらメッキの渋い場所では堤防のヘチを丹念に狙うことになったんだ。 オット、その前にアナハゼを知らない読者のためにどんなヤツなのかを簡単に紹介しておこう。 写真が小さいので分かりにくいとは思うけど、口が大きくて歯が鋭いハゼだと思ってもらえばいいだろう。見方によっては口が大きくて歯が鋭いアイナメと言う人もいる。いずれにしてもフィッシュイーターである事に変わりなく、居れば必ずルアーに反応してくるターゲットなんだ。もちろんヒットするかどうかは腕次第だけどネ。 そして、都合のいい事にアナハゼを釣るためのベストシーズンは秋なんだ。そう、みんながメッキなんかを追ってショアのライトタックルを楽しむ今が一番なんだよ。とにかく朝キャッチ&リリースしても、同じ場所で夕方同じ魚がヒットするくらい釣りやすい魚なんだよ。 根魚と言えるかどうかは良く分からないけど、一応アナハゼも同じ場所で釣れる事が多いので次回の釣行でもポイント選定はとっても『楽ちんポン』なんだよネ(ちょっとどこかのCMみたいだけど…)。 さあ、これだけアナハゼの事が分かったら大丈夫だネ。あとはチャレンジあるのみ。参考までにボクがよく楽しんでいるアナハゼのフィールドを教えちゃおう。 アナハゼはいろんな場所にいるんだけど、中でも釣りやすくて魚影の濃いのが伊豆半島の駿河湾側なんだ。足場も良くて推薦できるのは沼津、西浦、戸田、田子辺りだろう。 目安としてはそれ程水深のない堤防のヘチや、船揚場のスロープだ。どんな小さな突起の影にも隠れるし、どんなに細いロープの上でも乗っかっている。そんな時にルアーを追ってくる姿は、さながらアナハゼの綱渡りのような雰囲気さえある。 前記のように、アナハゼは居れば必ずと言っていいほど反応してくるので、手っ取り早いのはミノーを使ったヘチのテクトロだ。運が良ければこの時でもヒットしちゃうけど、通常は姿を見せるだけだ。だからテクトロしながらもルアーの近くで何かが動いていないかをしっかり見ていないとポイントを見逃してしまう。 運良くアナハゼの存在を確認できたらもう釣れたも同然。もちろん何度も言うようですがヒットはアナタの腕次第ですヨ…。 アナハゼがどこに戻っていったかをすかさずチェックしておこう。次からはその隠れ家の真上を通過させてやればいいんだ。だらしないヤツだったらスローリトリーブで近付けていき、上を通過する瞬間に小刻みなトゥイッチをかけてやるだけで猛然とアタックしてくるはず。 ちょっと渋いヤツでも最初は2〜3回ファーストリトリーブで興味を示させておいてから、次にスローリトリーブ+トゥイッチでバッチリ反応してくれるはずだ。 ここまでやってもヒットしない場合には間の取り方が合っていないんだ。ホントの一瞬だけアナハゼが飛び出した瞬間に喰わえる間を与えてやればいいだろう。この間というヤツは経験を積むしかない。でも、これをマスターしておけば他のルアーにも応用が効くから、アナハゼで楽しみながらテクニックも磨けるんだと思えば楽しさも倍増するよネ。 さて、ページも残り少なくなっちゃったけど、アナハゼをメインに狙ってもいいし、メッキのついでに狙ってみるのもいい。とにかく秋から冬にかけては、ライトタックルのターゲットたちと自然から教えて貰えることが多い。釣果にあまりこだわらず、彼女とドライブしながらいろんな場所でルアーをキャストしてみるのも楽しいモンですヨ!