1996.11.25号
 
ルアーとコマセでは食べているエサが分かれてる


 相模湾の青物たちは、いよいよピークを迎えたようだ。ボクたちルアーマンにとって、シーズン初期のベビーサイズはまだまだ本命じゃないよね。出来ることなら10kgオーバーの魚ばかりを相手にできれば言うことないんだけどなぁ。
 そうは言っても世の中はそんなに甘くないよね。現実には遠征の大物相手の釣行なんてそんなにしょっちゅう行ける訳ないし…。遠征しなくても近くにある相模湾で十分に楽しむことが出来るんだよ。

 相模湾のルアー五目を以前紹介したけど、いよいよ晩秋を迎えようとしている今は多くのターゲットたちが良〜く育って、ボクたちルアーマンを遊ばせてくれてるんだ。
 ちょっと前ならイナダと言うよりもワカシと言ったほうが正しいようなサイズだったけど、ようやく一人前のイナダ?になってきたようだ。しかも、カッタクリやコマセのビシ釣りと違って、必ずと言っていいほど大きいヤツからヒットしてくる。時にはワラサ級もヒットする事があるからたまらないよね。
 ちなみに後で分かった事なんだけど、先日カッタクリの船団の中に混じってジギングを試してきたら、コマセが全く入っていなかったんだ…イナダのハラの中にね。ボクたちの船の周りではカッタクリの人達がジャンジャンとコマセを撒いているのにだよ。

 この時ヒットしたイナダは、ルアーのみで船中50尾くらい。そのうちボクがヨーヅリのブランカでキャッチした12尾のイナダからはコマセの臭いさえ無かったんだ。これって何だか凄い事だと思わない?
ルアーにヒットしてきたイナダと、カッタクリでコマセを食べているイナダはハッキリとエサが分かれているって事だよね。
さて、ここで結論。コマセについてしまったイナダはルアーだと釣りにくいって言われていたけど、実際には船のポジションとジギングのやり方で物凄く釣りやすくなる。

 詳しい事はいつか紹介しようと思うけど、ひとつだけ忠告しておこう。この時期のイナダはとっても気難しくって、超ハイスピードショートジャークでないとほとんどヒットしない。潮が濁っていれば比較的スロージャークでも大丈夫なんだけど、ウン悪く潮が澄んでいたら必死になって体力勝負のバーチカルジギングになってしまうんだ。
 この辺りのテクニックについては福浦港のまるせ丸・高橋千春船長がかなり実績を持っている。是非チャレンジしてみて欲しい。
話しは変わって、気楽に楽しめて思ったよりも簡単に釣れるのがこの時期のメジマグロだ。真面目にジギングしたりキャストしているルアーマンからは叱られそうだけど、メジはミノーの素引きだと意外なほど簡単にヒットするんだ。最もメジのいる場所と回遊ルートが分かっていればの話だけどね。

 先日も竹風でミノーを引っ張ったら簡単にメジがポンポンとヒットしてきた。空は秋晴れとはいかなかったけど、逆に曇り空がメジの警戒心を緩めてくれたようだ。
 この日、安定したスイムでメジを誘惑し続けたのは、高速の引っ張りでも決してバランスを崩すことのないデュエルのアイル・マグネットだ。カラーは天気が良ければリアルなホログラムシート貼りのイワシやサバカラーを使う。曇り空なので、天気に合わせて良く目立つ赤金をセレクトした。
 結果は前にも話したように、手軽にいい思いをする事ができた。とくにボートオーナーならば1度は試してみればヤミツキになること請け合いだよ。
さて、晩秋の海は1年で最もルアーターゲットが豊富な季節だ。いつもルアーで楽しんでいる人は勿論のこと、普段はエサ釣りで楽しんでいる人も今がルアーで嬉しい体験のできる絶好のチャンスなんだ。

 余談だけど、メジを狙って竹風で沖へ出た日のことだ。沖で出会ったあるボートオーナーの方からひと言。
『お〜い、竹ちゃん。おまえがルアーやってるの似合わねえヨ〜。やめたほうがいいんじゃねえかぁ〜』
『ウルサイッ、俺だって一生懸命やってるんだよ。もう随分といろんな魚を釣ったんだからな。こないだはカンパチだってたくさん釣ったんだぞ』
そうなんです。ジギングの姿が似合おうが似合うまいが、どうでもいいんです…そんなコトは。やるコトやってれば魚はちゃんと釣れるんですから。
 みんなも編集長を見習ってチャレンジして下さい。そして、習うより慣れろです。エサもいらないし、当然のことだけど沖に出てからエサの小魚を釣る必要もない。タコベイトとかを引くよりも手軽に仕掛けの上げ下げができるというメリットもあるんだよ。
 さあ、ルアーロッドを片手に、ジグとミノーを持って気楽に沖へ出ようよ!