1997.02.25号
 
オフショアルアーの入門編にしたいぐらい


 最近妙にハマッてしまった釣りがある。本誌の連載が始まった、最初の頃にも紹介したことのあるターゲットだ。
 この時期のオフショアルアーは思ったほどの釣果を期待できないのが当たり前のようになっているが、そんな暗い気持ちを綺麗さっぱり拭い去ってくれるターゲットがいる。

 今回お手伝いをしてくれたのは、本誌でもお馴染みのまるせ丸だ。真鶴半島の付け根にある福浦港は地理的にも魚種が豊富で、毎回何かを予感させてくれるような海だ。
 まるせ丸は編集部の竹編とボクの口車に乗せられて、何だかんだ言いながら一年中ルアーのターゲットを追いかけるハメになってしまった。
 しかし、そこは漁師…、今回のホウボウのように何とか一年中ルアーで釣れるようにターゲットを見つけてしまったのだから恐れ入る。このホウボウも、ボクの経験からすると恐らく3月頃までは十分に釣れ続くと思っているので楽しめそうだ。

 昨年の春先にも竹編の竹風で何度となく出船したが、5月頃まではヒットが続いていたのが記憶に新しい。
 ちょっと宣伝になるけど、まるせ丸ではホウボウが終るとカサゴが待っている。そして夏が来ればシイラやカツオ、秋にはメジもボクたちを楽しませてくれる。その頃になったらカマスやカンパチ、キントキ、イナダといった具合に、それこそ本当に一年中をオフショアルアーで堪能出来るようなところにまで体制を整えてくれた。
 とっても協力的で意地っぱり?な高橋千春船長に紙面を借りてお礼を言いたい。これからも宜しくお願いいたします。

 さて、ところで本題のホウボウだけど、これがとっても美味しい話なんだ。だって一日を通してノンビリ船に揺られながらバス感覚で釣ることが出来るんだよ、今までのオフショアルアーのイメージってどんなだった?
 結構忙しくてハイテンポな釣りがオフショアルアーっていうイメージが強かったんじゃないかな。ところがこのホウボウって魚は違うんだよ。コツさえ掴んでしまえば誰にでも釣れる手軽なターゲットだっていうことが分かってきたんだ。
 出来ることならホウボウをオフショアルアーの入門編にしたいとも考えているくらいなんだ。だってちゃんとした乗合船や仕立て船じゃなくても、手漕ぎボートなんかでも手軽に釣れるんだよ。
 バス感覚で海の魚が簡単に釣れるなんて何だかワクワクして来ちゃうんだよね。シロギスが釣れるような静かな湾内でボートを漕ぎだし、風と潮に任せて広範囲をルアーで探るなんて楽しいじゃないですか。
 昨年の暮れからまるせ丸にお世話になって色々なパターンを開拓してきたけど、出来ることならこの先は手漕ぎボートにも十分通用するパターンも煮詰めていくつもりだ。

 ホウボウに限らず他のターゲットについてももっともっと釣りやすい釣り方の開拓と普及に頑張っていきたい。
 では簡単に現在まるせ丸でやっている釣り方について紹介しておこう。まずタックルの話からしておこう。
 ロッドはボクの結論としてはトラウトロッドがベストと睨んだ。しかもガチガチじゃなくてペニャペニャのものだ。もちろんこういったロッドを使うときには1/2oz程度のジグヘッドリグやアンダーショットリグを使うことが前提だ。
 メタルジグやラバージグなんかを使う場合には、やっぱりそれなりのアクションを伝えやすいティップアクションのロッドを使いたくなる。まあ今回はハード系のルアーはおいといて、前記のソフトルアーを中心に話をしたい。ラインはPEの6〜8ポンド、フロロの3号をショックリーダーに使う。
 狙う水深は17〜23mが中心で、状況によっては30mまでを攻めている。潮がある程度動いてないと反応が極端に悪くなるため、出来るだけ柔らかめのロッドで食い込ませ、極力細いラインでアタリを取りやすく、そしてアタリを出しやすくする事が大切だ。

 釣れるときは簡単に入れ喰いになることもあるけど、ほとんどがこのアタリをとれるかどうかで釣果が決まってくる。このときの微妙な釣り方の判断は経験のある高橋船長が抜群の冴えを見せてくれる。
 釣りたいなら船長の話をしっかり聞く、これが釣りの鉄則であることを忘れずに。もちろん絶対じゃあないけど、初心者の判断よりは確実だ。船長は毎日生活をかけて自然と闘っていることを忘れないでね。
 おっと行けない。だいぶ話が横道にそれたからページがなくなっちゃった。詳しい釣り方はイラストを参考にして、分からないことはまるせ丸の高橋千春船長に聞いてみて頂戴ね。それではまた…。