1997.03.10号
 
ちっちゃくてかわいいイイダコがルアーターゲットだなんて・・・


 皆さ〜ん、楽しい釣りをしてますか〜。何だか冬になってからショアからのライトタックルをやる気になれなくていけない。だって最近はどうしても船からの釣りに行く機会が多くなっちゃってきたもんだから、落ちついてライトタックルゲームをやってられるほどの時間がなくなってきてるんだ。
 周りのみんなから見れば羨ましい限りの釣りをしてるんだろうけど、実際には取材以外での釣りが全く無くなってきちゃったのも事実なんだ。贅沢いってらぁなんて思ってるアナタ、実際に自分がそんな立場になったらホントに大変なんだよ!

 まあそんなこと言ってもボク自身が好きでやってる事なんだからいいんだけどね。でも釣り関係の仕事で実際にルアーをキャスト出来ないってのも結構悲しいものなんだよ。
 つい先日も幕張と大阪で行われたフィッシングショーに行って、トークステージを8回もやってきたもんだから2週間も釣りが出来なかった。でもそれなりに多くの人たちに会えて嬉しかった。特に大阪でもボクのファンという人から声をかけられて、こんな遠くでもボクの記事を見てくれている人がいるんだなぁと感心してしまった。
 しかもボクの単行本を買って下さって、内容もかなり覚えてくれていたのだから嬉しい限りだ。ホットライン読者の皆さんもボクの単行本を買ってない人は本屋さんに行って買ってきてね。

 宣伝はこのくらいにしておいて、今回のテーマは軟体動物でいってみる事にした。軟体動物といえば真っ先に思い浮かぶのがアオリイカだろう。ところが違うんだなぁ。そうするとタコかなぁなんて想像がつくよね。
 ところが今回のタコはただのタコじゃなくてイイダコだ。ちっちゃくてかわいいイイダコがルアーのターゲットだなんて知ってた人は少ないんじゃないかな。
 あんまり専門に狙う人なんていないとは思うけど、どんなヤツでもターゲットにしてしまうのがルアーマンの楽しみでもあるんだよね。しかもイイダコはナイトゲームのカサゴ狙いのゲストとして良く釣れる。
 しかし、今回紹介するのは昼間のイイダコなんだよ。今年は決してイイダコが多く湧いている様子はないけど、このところポツポツと釣れている情報は耳にしていたから昼間でも釣れるだろうと試してみた。
 これが正解で、夜と変わらずに良く釣れることが分かった。タックルは夜のカサゴ狙いと同じでいいから特別準備しなくていい…とホントなら言いたいところだけど…。
 ボクたちがイイダコを狙うときに使うのはジグヘッドリグだ。通常は1/16ozのジグヘッドに2インチグラブのチャートリュースカラーを使うことが多い。

 ところがこれだけじゃぁダメなんだ。イイダコをカサゴのゲストで釣ったことのある人なら分かるだろうけど、ちっちゃなグゥイーン、グィーンというアタリの後にアワセてもなかなか掛からない経験があるだろう。
 ジグヘッドにイイダコを確実にフッキングさせるためには確実にジグヘッドを抱え込ませなければならない。これが問題で、ちっちゃなイイダコが確実にジグヘッドを抱えるにはイイダコの体が小さすぎる。しっかりノルのを待っていたら時間ばかり掛かってしまうので効率も悪い。
 ここで紹介するのは必殺のフッキング優先にボクたちが使っているリグだ。ルアーマンはそんな事しちゃダメだ…なんて言う人もいるだろうけど、高い確率でおでんの具が釣れると思えば許してくれる人も多いんじゃないかな。

 さて、そのリグとは…。ボクの他の雑誌での記事を毎回見てくれている読者の方ならもう知ってると思うけど、ジグヘッドのフックにアユの友釣りに使われている3本イカリを孫バリとしてセットするんだ。
 イラストを見れば分かると思うけど、こんなにシンプルなリグで確実にイイダコのお土産が出来るんだ。絶対にやってみるっきゃないよね。やっぱり釣りは釣れてナンボの世界だからね。
 これをペニャペニャのトラウト用ルアータックルで使うんだ。ラインは4ポンドで十分だ。イイダコが違和感を感じないように、極力柔らかくて胴にノル調子のロッドが向いているだろう。

 キャストしてボトムまで沈めたら暫くそのまま止めておく。たま〜にユックリと引きずって動かしてやるだけでいい。もしその時にイイダコが触れば何となく重くなって、スローにロッドティップがお辞儀を始める。これがイイダコが寄ってきた合図だ。
 軽くテンションをかけた状態で10秒ほど待ってからゆっくり大きくアワセてやると、イイダコが3本イカリに掛かってくる。ホントに楽しいんだから一度やってみてよ!