1997.03.25号 ナント 50cm オーバーのホウボウだ
ホットライン読者の皆さん、いよいよ手漕ぎボート第2弾の発表で〜す。前回のカサゴに続いて今回はホウボウ。ホウボウについては既に本誌でも紹介しているので、釣り方などについては超有名になってきているのではないかな? 福浦港のまるせ丸で開拓を続けてきたホウボウのルアーフィッシングが、いよいよ手漕ぎボートで爆発したんだ。 今回挑戦したのはボクたちのクラブのメンバーで、先日もまるせ丸でホウボウのパターンをバッチリ覚えてもらったので安心だ。 ボクに付き合ってくれたチャレンジャーは2人だ。ボクと同じ小田原から参加の白井さん、そして相模原から来てくれた宮崎君と、いずれも頼もしいメンバーだ。本当なら宮崎君の弟さんも参加したかったようだけど、残念ながら都合がつかずに結局3人での釣行となった。 さて、天気予報では午後からちょっと天気が崩れそうな事を言っていたけど、ホットラインが誇るインターネットのホームページで天気のチェックをしてひと安心。何とか一日持ってくれそうだ。 今回チャレンジの場所に選んだのは伊豆多賀だ。特にこれといった理由はなかったんだけど、多賀はボクが手漕ぎボートでしょっちゅうキス釣りに行っていたから何となくポイントの状況も分かっていた。ホンノ少しだけ釣れそうな気がしていたからなんだ。 お世話になったのは富久屋さんだ。ここは多賀の長浜海水浴場からボートを出す。だいたい朝の7時頃には出せるようにしてくれるので、もしお世話になる方は事前に電話をしておくといいだろう。 ところで、この日のホウボウのチャレンジにあたってはかなり不安がつきまとっていたんだ。と言うのも、数日前に富久屋のおばちゃんに電話してボートの予約をしようとしたらこんな返事が返ってきた。 「えっ、こんな時期に釣りにくるの?」 「ボートを冬の間は貸してないんですか?」 「いや、貸すのはいいんだけどねぇ。まだキスは釣れてないよ」 こんな優しい言葉が返ってきたんだ。なんて嬉しい事だろう。ボートを貸して儲ける事ばかり考えているボート屋さんだったら、そんな事はお構いなしに予約を受け付けてくれる。これだけじゃない。富久屋のおばちゃんは次の日の海の天気まで予測して教えてくれるから、前日に確認の電話をすれば海の悪い日に無駄に足を運ばなくても済む。 こんなところが富久屋さんを気に入っている理由なんだ。釣れる時はちゃんと情報をくれるし、釣れない時は来てもダメだよって教えてくれる。そんなボートやさんなら安心して釣行できるよね。 「いや、今回はキスじゃなくてホウボウなんですよ。ルアーでやるんだから」 「そう、それならいいかなぁ。でもホウボウなんて狙って釣れるのぉ〜」 「やってみますよ。ダメでもいいから、やってみないと結果は出ないしネ」 そんな感じで予約をしたのはいいけど、何となくおばちゃんの不安そうな声が気になっていた。当日も釣れるのが信じられない様子で、バカらしさを感じているようだった。おじいちゃんの手を借りてみんなでボートを漕ぎだしたのはいいけど、何だか不安すぎてスッキリしない。 とにかく漁礁周りをチェックしようとケンタッキー前を目指した。魚探を準備していないのでボクの山立てがみんなの頼りだ。メンバーに山立ての目印を教えながら海底の状況を説明する。 最初は不安だからソフトルアーで挑戦してみたら意外とあっさりアタリが来て、フッキングしたものの見事にバラシ。どうも最近バラシづいてるような気がする。 しかし、その後しばらくして待望のホウボウを釣り上げる事が出来た。近くにいた白井さんに、ここで釣れたから早くおいでよと声をかけた。そこでちょうどボクの携帯電話が鳴った。電話の主は網周りを攻めていた宮崎君だ。こっちも釣れたよ、という報告だ。ボートの上でも携帯電話って便利だよね。 その後白井さんにもヒット。かろうじて全員が型を見ることが出来、ボクとしてはひと安心だ。これで富久屋のおばちゃんに報告できる。そしてクライマックスはボクのメタリックサーディンにやってきた。 ポツポツと釣れ続いていた時にひときわ大きなファイトで上がってきたのは、ナント50cmオーバーのホウボウだ。ボートの中に砂があったので写真を撮るのに綺麗な方がいいと思い、クーラーの上にホウボウをおいたのが間違いだった。 カメラに手を伸ばした瞬間、ビッグなホウボウくんは海の中に跳ねて帰って行ったのでした。チャンチャン。