1997.8月号 夏だ〜 海だ〜 シイラが来たぞ〜
夏だ〜、海だ〜、シイラが来たぞ〜。今年の夏もオフショアルアーをばっちり楽しもうよ。船で沖に出てしまえば、都会の喧噪も忘れて自然と夢中に遊ぶことが出来るんだよ。 沖に出れば手の届きそうな所にトビウオが飛んでいたり、そのトビウオを延々と追いかけていったら着水と同時にシイラが口を開けて待っていたり。自然界にも厳しいことはたくさんあるんだ。 まあそうは言ってもひとたび海に出てしまえば楽しいことはたくさんある。オフショアのシイラは特に夏の代表的な存在なんだ。今年も6月の初旬から相模湾にシイラ達はやってきてくれた。例年に比べるとちょっと遅かったかも知れないが、確実にシイラ達の夏、いや、ボクたちの夏はすぐそこまでやってきたんだ。 さて、今年は漁師さんたちの情報を頼りに毎日沖の情報を収集していた。「今日は八丈にいたよ」とか、「ようやく大島の向こう側に群れがいたよ」なんて情報が日々刻々とボクの耳に飛び込んでくる。なんてボクは幸福者なんだろう。 でも残念なことに、会社勤めをしているボクにとって、シイラはなかなかボクと都合を合わせてくれない。ようやく湾内で姿が確認できるようになったのに、平日は何とかキャッチ出来ているモノの、ボクが沖に出る土日には台風が来てたりしてまともに釣りが出来ない状況が続いていた。 実は3回チャレンジしたのだが、最初は6/15に夕マヅメだけ沖に出て、1尾80cm級をヒットさせたのだがバラシ。 2回目は6/22で、仲間の宮崎君が80cm級をヒットさせた。この日も午後からの出船だったけど、ポツポツとシイラの姿を確認することが出来た。なんとメータークラスの20尾ほどの群れに遭遇したのだが、船が近付いただけで逃げてしまうような状況だった。まだ本番ではない感じだ。 そして3度目の正直で6/28に再度チャレンジしてみた。福浦港から出船したまるせ丸は初島沖3マイルくらい?の海域でサバのトリヤマを追っていた。 この時期のシイラというのは盛期と違ってサバの群れと一緒に行動していることが多いのだ。特にシーズン初期はシイラも大型ばかりで、確実に捕食しやすいサバの群れはシイラにとっても居心地がいいのではないだろうか。この狙い方が初期のセオリーなのだ。 だからパヤオやブイ、浮遊物などを中心に狙っていると遭遇できる確率は極端に低くなってしまうんだ。 狙い方はひとつ、サバのトリヤマの際を狙う方法だ。この時期のサバはイワシやシラスを追いながら、かなり移動の足が速い。これをある程度追いかけるのが得策なのだ。ここである程度と表現したのは、シイラはトリヤマの去った後にも暫くノンビリしている事が多いからなのだ。 だからサバのトリヤマを追って、サバも一緒に去った後を中心に狙うか、もしくはサバのトリヤマの中を狙うのではなく、トリヤマを遠巻きに回遊しているシイラを狙うためにトリヤマの周りを狙う。 今回は後者の方法で攻めてみて、トリヤマの周りを回遊していたオデコの出っ張った立派なオスのメータークラスをキャッチすることが出来た。この時は本当にセオリー通りのパターンで攻略できたので、初期のメータークラスを確実にキャッチできた事を高橋千春船長と喜んだ。 ちなみにこの日はヨシキリザメ(アオザメ)までヒットさせてしまう好釣果?に恵まれたことを付け加えておこう。 ヒットルアーはDUELの新製品、読者の皆さんがこれを読む頃には、既に品薄状態になっているほどのパニック状態になっているのではないだろうか。それほど人気が高く、ほとんど予約でいっぱいなんだ。この素晴らしいルアーを皆さんも早く手に入れて使ってみて下さい。 あっ、そうそう、商品名を言ってなかったっけ。DUELのアイルマグネットSB(スプラッシュベイト)とDB(ダーティングベイト)だよ。今回はシイラがあまり浮いてこなかったから、DBのイワシカラーが活躍してくれた。 台風前で海の中が見にくかったけど、自分の信じた場所を攻め続け、ここで喰うはずだという場所を想定してダーティング&サスペンドでひったくっていった。3尾がアタックしてきて一番大きいシイラがヒットした。 このアイルシリーズの新製品は、今年のオフショアルアーに大旋風を巻き起こすこと間違いナシだろう。何しろ一見何のヘンテツもないボディに細かな技術を投入して、初心者にもオートマティックに扱う事が出来る。しかも高次元のバランスで。この夏はボクのタックルボックスに強い味方が加わった!