● 2005/07 岩場のメバルはシャローを狙え! ●

 真冬に内房の磯を訪れたとき、とにかく寒い夜に苦しめられた。何をやってもメバルは姿を見せてくれずに、居着きのポイント狙いに切り替えた苦い思い出がある。そこで今回は、水温が上昇を始めた春の海で、再びチャレンジしてみた。

 ポイントに選んだ釣り場の磯は、前回の雪辱の意味もあって同じ場所にしてみた。夕方には小田原の自宅を出発して、現地に到着したのは夜もふけていた。中潮でそれほど潮位の高くない潮周りだが、ちょうど満潮に近い時間帯に間に合った。

 タックルをセットして、ラインの先にはミノーを結んだ。この時期のセオリーである、沖からのスリットがあり、さらにワンド内のシャローが攻めやすいポジションを選んでみた。とにかくいそうなポイントは片っ端から探ってみることにした。

 ところがメバルの反応はまったくなく、「そんなはずないよ〜」と叫びたくなってしまう。条件は問題ないはずだし、シャローに接岸したメバルが釣れないはずはない。

 そこで考えを改めて、既に攻められた後だと考えてみた。もしソフトルアーで攻められていたら、その後をミノーで釣るのは難しい。これだけ浅いポイントでは、レンジ攻略するほどの効果は得られないはず。

 ミノーをラインから外して、今度は1gのジグヘッドリグにチェンジしてみることにした。すると信じられないことに、1投目からいきなりリトルトゥイッチのソフトティップが絞り込まれた。

 突然のできごとで驚かされたけれど、足元のハエ根をかわして抜き上げたのはメバル。待望のメバルが、ミノーからワームに切り替えただけで、こんなにあっさりとヒットするなんて!

 その後はharukaにもワームに交換させて、あっさりとメバルをキャッチさせることができた。いまひとつよく分からないけれど、これが自然の不思議なのだろう。攻められた直後だとすればメバルの反応が良すぎるし、攻められてないのであればミノーに反応しないことも考えにくいからだ。

 もちろんミノーでも攻め方のパターンを変えているし、ワームと同じようなこともやってみた。それなのにこれだけの釣果差が出てしまうとなれば、ミノーだけにこだわることも意味を持ちにくい。釣るだけならソフトルアーが一番ってことになってしまう。

 試しにミノーに戻してみると、やっぱり何をやってもアタリすらないのが現実だった。そしてすぐジグヘッドリグに交換して攻めてみると、あっさり1投目からヒットしてくるんだ。メバルってこんなに難しかったっけ?と、頭をかかえさせられるような夜だった。

 その後も何ヶ所かのポイントを狙ったが、この磯のポイントでは次々とメバルがヒットしてくる。ボクもharukaも短い時間ではあったが、このON/OFFの差をイヤというほど体験させられた。

 しかし今回のキーワードである、沖からのスリット、ワンド内のシャローといった部分は立証できた。これに関しては自信を持っていい結果だと思う。これからの課題は、ミノーとソフトルアーとの差を、どういった理由で片付ければいいのかということなのだろう。もっともこれが分かれば、どこでも苦労せずに釣れるんだろうけどね。

 今回の新たな発見というか、ちょっと面白いことを紹介しておこう。以前にも他の取材であったことなんだけど、取材時には夜であればカメラのストロボを光らせる。これが近くに人がいれば嫌がられる原因になることは当然だろう。

 ボクはできるだけそうならないよう、他に人の釣ってない場所でナイトゲームを楽しむようにしているんだ。何が言いたいかというと、このストロボの利用方法。活性が下がってきた頃に釣り風景を撮影すると、その後から突然入れ喰いが始まることが多い。先月セイゴを釣ったときもそうだった。

 今回も終わりにする頃にストロボを光らせると、harukaのロッドが直後に絞り込まれた。アタリが少なくなっていたのに、そこから再び釣れ始めたんだ。そこで釣れなくなった頃に海へ向かってストロボを光らせてみた。

 すると不思議なことに、またもやメバルの入れ喰いが始まったのだ。普通に考えたら理解できないのだけれど、最近はこんな傾向が多いと感じている。ちなみにこの取材の後に狙ったアジでも、活性が下がってからストロボを光らせたら、再び釣れ始めたのだ。

 自然界には分からないことが多いが、この現象はボクにも説明できない。これからは釣れないときは、積極的にストロボを光らせるぞ!


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