● 2005/08 ゴロタ磯は穴釣りパラダイス! ●

 今年も暖かい日が続き、ようやくムラソイのシーズンがやってきたようだ。ボチボチと釣果情報が聞かれるようになり、いてもたってもいられずの出撃となった。

 連日のように強風が吹き、海は波がぶつけていることが多かった。なかなか思うように竿を出せなかったけど、ようやく風と海が落ち着いている日に出会えたんだ。

 今回のフィールドは東伊豆で、ムラソイ釣り場としては有名だ。伊豆半島では、ほとんどの場所にムラソイは棲息しているが、その中でもボクの好きなエリアだ。

 南伊豆は溶岩タイプの磯が多いのに対し、東伊豆では大きな石の転がったゴロタ磯が多い。個人的にはポイントが見つけやすく、釣果も確実なのでお気に入りだ。

 この日はGW突入直後なので、道路だけではなく、釣り場の混雑も予想される。だからのんびり昼間の釣行ではなく、早朝からのチャレンジをしてみることにした。せっかく行ったのに、釣り場がなかったらガッカリだもんね。

 小田原の自宅を出発して、愛車サーフで海岸線を走っていくと、海は思っていたよりも静かだ。まだ薄暗い道路をひた走り、車は東伊豆のとある漁港へと到着した。

 この頃には陽が昇り、海岸を明るく照らし始めていた。しかしちょっとばかり雲が多く、快晴のムラソイ釣りとはいかないようだ。

 今回準備したロッドは、1.5kgクラスのパワーを持たせた特注ロッドだ。ロックフィッシュのワーミングと、ミノーイングの兼用ロッドとして、神奈川県藤沢のマイルストーンさんで作っていただいた。ボクはヒットと同時にかなり強引なやり取りをするので、これくらいのパワーが必要なんだ。

 さて、以前からジグヘッドリグにはグラスミノーMを使うことが多かったけど、昨年あたりからちょっとばかり変えている。それはグラスミノーのようなファットタイプだと、あまり反応のよくないことがあるためだ。

 毎日のように攻められているムラソイにとっては、より本物の美味しそうなエサに見えなければ、そこにいても口を使ってくれないことが多いんだ。その証拠に、スリムタイプへとチェンジしたとたんに、それまでの無反応から入れ喰いになった経験は多い。

 この日3.5gのジグヘッドにセットしたのは、同じエコギアのパワーシラス3インチだ。カラーはボクの大好きなグロー。これだけあれば、ほとんどの場合に対応できる。

 タックルをセットして、足元を確認しながら下に見えるゴロタへと降りていった。一番良さそうな場所を最後の楽しみに残して・・・、と思い他の場所へと向かった。するとharukaが「もう釣れたよ〜」と大きな声をあげている。

 振り向くと、なんと最後の楽しみに残しておいた場所。まずまずのムラソイをぶら下げている。先にやっちゃえば良かった・・・、と思ったけど後の祭り。harukaはムラソイをぶらさげて、勝ち誇ったように自慢げな表情だ。

 仕方なく写真を撮ってあげてから、ボクも近くから釣り始めることにする。すると「釣れそう」と思っていた場所は、やっぱり簡単にヒットしてくれる。ひと通り探ってから、のんびり探ろうと思ったのに・・・。

 しばらくはポツポツと釣れ続き、その後は潮止まりで反応なし。ところがしばらくして潮が下げ始めると同時に、再びムラソイのアタリが頻繁に出始めてきた。夢中になって釣っていると、背後に人の気配を感じるようになってきた。

 振り返ってみると、ゴロタの上にある道路から、どこかの運動部の学生が集団で見学している。穴からムラソイを抜き上げると、「おぉ〜っ!」と声がするのが聞こえる。ここで釣りする人って、最近は珍しいのかなぁ〜?

 しばらくすると見学者の集団は去っていったけど、ムラソイは小型混じりながらポツポツと反応が続いている。相変わらずスッキリしない天気なので、こちらも釣果に満足したところで釣りを終えた。

 ゴロタのムラソイは干潮時に狙うという人が多いけど、最近のボクはまったく逆の考えだ。この時期は潮が下げると、海藻が邪魔になって釣りにくい。だからこそ満潮時の潮位が高いときを狙う。干潮時に水のない場所は、海藻が生えないから。

 とくに早朝に満潮が重なれば、超浅場にムラソイも入り込んでいるんだ。それだけ探れるポイントの数が多いってこと。攻略のキーワードにも挙げているように、満潮、早朝、超浅場の「3ちょう」を守れば、今シーズンも気持ちよくムラソイ釣りを楽しめるはずだ。


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