夏になるとムラソイが呼んでいる・・・ような気がする。まあ実際にムラソイが呼ぶことはないだろうけど、昼間でも手軽に数釣りができるから面白いよね。夏の間は「ムラソイ一直線」になりそうだね。
この日は以前からやりたかった、東伊豆のゴロタを狙うことにした。先日の釣行で様子を見たときには、エサ釣り(ムラソイ狙いではない)の人が何人かいたから、ちょっと控えてやらずに素通りした。
あんまり人の多い場所で目立ちたくないので、この日は早朝からの釣りで試してみることにした。日の出とともに釣っちゃって、他のアングラーが出撃を始める前に撤収しちゃおうって作戦だ。
まだ夜も明ける前から小田原の自宅を出発し、harukaと一緒に東伊豆の釣り場を目指した。海岸線をひた走り、東の空が白み始める頃には、目的の場所に到着だ。
早朝のマヅメ時に満潮が重なる日を選んだので、ポイントと思われる場所にはたっぷりと水がある。以前は潮位が下がりすぎて、海藻帯が水辺になっていた。そのため狙える場所がほとんどなかった。
予定通りの潮位なので、いかにもムラソイが潜んでいそうな岩が点在している。しかも他のアングラーは誰もいない。タックルをセットしてから、harukaとゴロタに下り、大きな岩を乗り越えて全体を見渡してみることにした。
この岩場は平坦なエリアがあり、その先が一気に深くなっている。だから干潮時には、平坦なエリアから水はなくなってしまう。当然のことながら、水のある場所じゃなければムラソイも釣れない。
水があるうちにと、harukaと片っ端から平坦なエリアの岩陰を探っていく。しかしいくら探り続けても、ムラソイからの反応はない。こんなに釣れそうな場所なのに、アタリひとつないことが不思議でならなかった。しかしその理由は、あとで分かることになる。
30分ほど経過した頃、海を見ると徐々に潮が下げていることに気が付いた。この調子で潮が下げすぎてしまうと、予定していた早朝の時合いを逃すことになる。ちょっと理由を考えなければ!
そこで地形を改めて眺めながら、攻略のパターンを考え直してみることにした。まずはホントにこの平坦なエリアに、ムラソイが入ってくるのかということだ。平坦なエリアの先は急なカケ上がりで、春から初夏の干満差が激しい季節では、ひょっとしたらそこまでの移動はしないのではないかと仮説を立ててみた。
そう考えれば、答えはおのずと導き出されてくる。つまりこの季節には水のない時間帯が長い場所に、ムラソイは安心して入ってこないということ。ゆえにムラソイの集まっている場所は、平坦なエリアとカケ上がりとの境の辺りと想定できる。
さっそく移動して、岩場の波打ち際へと歩いていく。潮が下げきらないうちに、海藻と岩場の間を順番に探っていくことにした。すると予想していた通り、答えはあっさりと出てくれた。
外海側から流れ込む潮が、岩の間を流れるようになっている場所から、元気なムラソイのアタリが伝わってきたのだ。突然の引き込みで驚いたけど、そのままロッドでためて一気に引き抜いた。十分に立派なサイズのムラソイが、そこにぶらさがっていた。狙い通りの戦略でムラソイをヒットさせることができ、バッチリ満足することができた。
その後は反応があるものの、ちょっとばかり誘い方にコツのあることも分かってきた。潮が極端に澄んでいるせいなのか、流れのない静かな場所からは反応がない。ところが波が来ていて、こちらから海底の状況が見えないときにアタリが出る。つまりムラソイも警戒しているのだろうと判断できる。
そこでちょっと作戦をひとひねりしてみた。岩の間の状況は静かなときに確認しておき、波が来て白泡で見えなくなったときにジグヘッドリグを沈めてやる。そうすることで、それまで喰わせにくかった場所でも、次々とヒットさせることができたのだった。
このパターンでharukaも開眼?して、ムラソイが飛び出す姿は見られないものの、飽きない程度にムラソイをキャッチすることができた。しかもここのムラソイは元気が良くて、引き抜くまでにかなりのファイトを楽しませてくれる。
そのうちちょっと大きな波が来たので、そのまま体を横に向けて避けたとき、竿先が海中に突っ込んでしまった。するといきなりロッドが引き込まれ、またもやムラソイがヒットしてきた。ムラソイといえども、警戒心を緩めたときに狙う方法を、改めて認識した釣行だった。
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