世間も夏休みに突入して、海はにわかに騒々しくなってきた。思うように釣り場を確保できず、ゴロタ磯をフィールドとするムラソイ狙いには難しい季節になった。
岸沿いのムラソイも徐々に少ない季節になり、より広範囲を探る釣り方が有効になってきている。だからこそ夏はミノーイングで、ムラソイを攻略したくなるんだ。
今回のフィールドに選んだゴロタ磯は、とにかくエリアが広大で、沖のほうまでが極端に浅い。満潮時こそ足元の岩陰で釣れるものの、潮が下げていくと姿を消す。
この日は早朝に干潮が重なり、より広範囲をアップテンポに探る釣り方が有効となる。まして夏休みのゴロタ磯は、どこもかしこも家族連れの磯遊びでいっぱいだ。
小田原の自宅を真っ暗なうちに出発して、車は海岸線を走りポイントへと到着した。あたりはまだ暗く、撮影の関係上、少し明るくなるのを車内で待つことにした。
仮眠をとっていると、徐々に東の空が白み始めてきた。すると近くには磯遊びと思われる家族連れの車がやってきた。まだ朝の5時前だというのに、場所取りなのだろうか?
遊びが始まってしまうと、こちらとしてはまったく釣りができなくなってしまう。せっかくポイントを確保できそうだったので、まだ薄暗いながらも開始することにした。
今回準備したタックルは、オリジナルのライトロッド「Little Twitch LT-590H/S」だ。ハードティップをチョイスして、ラインは極細のPEライン。リーダーにはオーシャンマスターショックリーダーの12ポンドを、2mほどつなげた。
遠浅のゴロタ磯をキャストしながら探るので、リーダーは長めにとっておく必要がある。それだけ手前の岩に、PEラインがこすれる可能性があるからだ。
ゴロタ磯に下りていくと、さらにもう1台の遊び車がやってきた。こちらも慌てて釣りをしなければならない状況になってきた。さっそく本命のポイントへと足を向けた。
いつもなら手前から順番に探っていくのだけれど、こんな状況だと素早く勝負をつけなければ取材にならない。まずはちょっと左側から攻めてみることにした。
ルアーはDUELのエバミノーをラインの先に結んだ。ちょっと薄暗いので、フラッシング効果の高いミノーを選んだのだ。これを本命と思われる岩の横で、しつこくチョコマカと動かしてみる。反応がなければキャストして、再びよさそうな岩の横でチョコマカと動かす。
最初の場所は反応がなく、いよいよ「ここなら間違いない!」と思える場所へと足を運んだ。10mほどの位置に、ちょうど良さそうな岩が突き出している。波に洗われながら、波の裏から側面にかけてのエグレが見えた。
エバミノーをその岩の向こう側へキャストして、寄せ波に乗せながら岩の手前に流し込んでみた。そして流されすぎないよう、トゥイッチでノーズダイブさせてみた。そのまま岩の裏で静止させて、チョコマカとトゥイッチングを始めてみた。
すると岩横のエグレから離れるときに、「バショッ!」とムラソイが飛び出してきた。しかしうまく乗せきれず、むなしく空振りだ。まずまずのサイズだったようなので、再びそこを狙ってみる。
今度は反対側からトレースさせてみることで、ムラソイに違和感を与えないようにしてみた。同じように動かしてみると、今度はエバミノーをだいぶさせた瞬間に、岩陰から飛び出して水面下で咥えていった。
ロッドが一気に絞り込まれ、ラインが岩にこすれないように寝かせながら、リールを強引に巻いた。なかなかのファイトで寄ってきたのは、丸々と太った良型のムラソイだ。
振り返ってみると、磯遊びの人たちはまだパラソルやテーブルをセットしている。今のうちに釣れるだけ釣ってしまおうと思い、続けてキャストを開始した。
同行のharukaのほうは、なかなか反応を得られないようだ。ソフトルアーの穴釣りは得意なのだけど、ミノーイングでは思うように釣れないみたいだ。それでも追ってくるクサフグを狙って?、ふてくされながらも楽しそうに釣っている。
その後もポツポツと反応があったものの、ついに磯遊びが始まってしまったので撤収を決断した。携帯電話を取り出して時間を確認すると、まだ朝の6時前だ。こんな時間から磯遊びをするなんて・・・。
まあとりあえずは、いくつかの攻略パターンがはまったので、取材としては成功だろう。しかし8月いっぱいは人が多くて難しく、このままシーズン終了なのだろうか・・・。
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