● 2006/02 湾奥の居着きカサゴ ●

 どうも今シーズンのカサゴは、思っていたよりも遅れ気味みたい。出だしの釣れっぷりからすると、もうちょっと好調な滑り出しかと思っていたんだけどな〜。

 ここしばらくは、湾口や漁港の港口周辺を探っていたけれど、どうも思ったような結果にならない。もちろんこれは釣れないってことじゃなくて、自分で立てた戦略通りの釣れ方をしてくれないってこと。

 例年のパターンだと、そろそろ湾口には赤いカサゴがたくさん接岸してくる。釣れてくるカサゴは、沖から接岸してきた個体と思われる、赤みを帯びたもの・・・のはずだった。ところが・・・。

 実際に多くの場所で釣り歩いてみても、釣れてくるカサゴに赤みのある個体はほとんど皆無。いったいど〜しちゃったの?って状況だ。表層の水温は高いままで推移していて、ところが海底付近の水温はかなり冷たくなっている。ダイバーさんたちの情報を聞いても、このような返事が返ってくる。

 ひょっとしたら外れの年?な〜んて考えたりもしたけれど、やっぱり思い通りの結果にならないのは気持ちが悪い。だから今月は、あえて湾奥の居着きを徹底してチェックしてみることにした。

 選んだ釣り場は、大きな湾の広がる場所で、明らかに居着きのカサゴしかいないような場所。たぶん釣り上げちゃったら、次のカサゴが入ってくるまで時間がかかることだろうね。あえてその確認をしてみることで、次回の釣行で補充されているかどうかを確かめておきたかった。

 湾奥の静かな場所、だけど常夜灯のある場所では、多くのアングラーに目をつけられて攻められた後のはずだ。だからそのポイントをあえて外し、暗いエリアを探ってみることにした。

 念のため常夜灯周辺を探ってみたけれど、たまに掛かってくるのはとんでもないオチビちゃん。あまりにも寂しい結果なので、やっぱり当初の予定通りに暗闇を探ってみる。だけど真っ暗闇での釣りって、あんまり気持ちのいいものじゃないね。

 タックルは前回の釣行と同じで、LT-590H/Sにナイロン3ポンド。シラスヘッドには、最近お気に入りのパラマックス2インチをセットしておいた。このパラマックスのカーリーテールを、ボトムスイミングで広く探ってみようという作戦だ。

 わずかな星空の明かりで、足元を確認しながらより暗いエリアへと移動しながら探っていく。そして岸壁の行き止まりまで来たとき、軽くキャストしてヘチに沿ってフリーフォールさせた。

 そろそろ着底と思われた頃、リールを巻いてラインのタルミを取り除いた。するとティップに押さえ込むような感触があり、リールをさらに巻き続けるとベンディングが始まった。明らかにカサゴの反応だ。

 そのままリールを巻きながら、ロッドをゆっくりと起こしてフッキングさせた。ヘチへ潜り込もうとしているけど、そのまま腕を突き出すように岸壁から引き離した。それほど大きくはないけれど、ようやく納得のいく反応を得られた。

 この釣り場は人気の場所で、いつもは入れ替わりアングラーが攻めている。だけど常夜灯周辺に人気があり、暗闇のピンポイントを探っているアングラーは少ないようだ。まああえて暗闇で釣らなくても、他にたくさんポイントはあるからね。

 でもこれだけメジャーな釣り場でも、ちゃんとした竿抜けポイントがあることは再確認できた。そうでなければ、これほど人気のポイントで居着きの色味をしたカサゴは出会いにくい。そういった意味では、十分に納得できる釣果だった。

 しばらく同じような場所を攻めた後、別の湾に移動してみた。ここも人気があるので明るい場所は期待できない。常夜灯の明かりが途切れるあたりでは、久し振りにヨコスジイシモチがヒットしてきた。そろそろ冬の海が近づいてきたことを感じさせてくれる。

 しかし明るさのあるエリアでは、やっぱり釣りつくされたのか、湾奥に居着きのカサゴは残っていないようだ。そこで前の場所と同じように、暗い場所をあえて探ってみることにした。するとここでも暗闇からカサゴの反応はあった。ひとつのパターン確認ができたようだ。

 居着きを狙うのなら、有名ポイントでは暗闇を狙うべし。誰も好んで真っ暗闇で釣らないってことなんだよね。ボクだって取材仕事じゃないなら、こんな真っ暗な場所で釣りをやりたくないよ。だって何か出てきそうで怖いじゃない。ちなみに後日同じ場所を攻めてみたら、居着きだったので反応無し!


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