● 2006/06 砂底のメバルとカサゴ ●

 今回は、初めての漁港を探ってみた。昼間の明るい時間帯に海底の状況をチェックしておき、周辺には岩礁帯、そして岸近くには海藻が生い茂っている。ところが海底のほとんどは砂底という場所だ。

 一般的にロックフィッシュというからには、岩場がそのポイントになっているはず。堤防などから狙う場合でも、ヘチを探るケースを含めて、石や岩といったキーワードがついて回っている。

 多くのアングラーは、砂地の海底が広がっている場所は避けているはず。目の前の海底が澄み潮で見えているとき、あえてそこをロックフィッシュのポイントとしてはリストアップしないだろう。今回はあえてそこを選び、周辺との位置関係で穴場になっていないかを確かめたかったのだ。

 この日の狙いは、メバルとカサゴだ。どちらが釣れてもいいつもりでいたので、ソフトルアーのジグヘッドリグを準備した。ズル引きやバンピング、それからスイミングのどれでもアピールできるように、パワーシラスを使ってみた。

 この釣り場は以前から目をつけていて、いかにも釣れなさそうな雰囲気がプンプンと匂っていた。それだけにあまり期待しないで望んでいたというのが、ボクの正直な意識だった。

 ところがharukaにはそんなこと教えてないから、「連れてこられたポイントなら釣れるでしょ」と気楽に構えていただろう。まあその気楽ないい加減さが、いつものいい結果を出してくれるのだろう。

 この釣り場で人に出会うことはほとんどなく、おそらく昼間はシロギスのちょい投げなどを楽しむ人がいるくらいだろう。しかし少し離れた場所には磯があり、堤防の周辺は海底に点在した海藻帯がある。

 海藻の中は、底質が硬くしまっている場所もあるだろうし、生え際がカサゴやメバルの隠れ家になっている可能性もあると考えた。本来の岩場にはアングラーのプレッシャーも高くなっていることが予想できるので、あえて本命ポイントを外してのチェックになるのだ。

 夜は月明かり程度でしか見えないので、知らずにやっていれば結果は「釣れた!」になるかもしれないだろう。しかし昼間の海底を見てしまうと、普通は狙うことはしないと思えるほど。果たして、その予想はどんな結果を導き出してくれたのだろうか・・・。

 さっそく堤防に乗って、harukaとポイントになっていそうな場所をチェックし始めてみた。水深は1〜3mほどで、岸から離れた場所に根があることをharukaに伝えた。いちおうヘチを探ってみるものの、やはりアタリはこない。

 当初の予定通り、とにかくルアーをキャストして広範囲を攻める作戦に切り替えた。海面をよく見ると、何となく黒っぽくなっている場所がある。昼間のうちに確認しておいたので、そこが海藻帯であることはすぐに理解できた。

 大きな海藻帯が、5mほど離れた場所に3ヶ所ほど見える。暗くなってからの釣りなので、メバルなら海藻の間か、その上部にサスペンドしているだろう。根の向こう側へキャストして、そのまま藻頭あたりまでカーブフォールさせた。そこからゆっくりとリーリングする。

 2つ目の海藻帯を探っているときに、LT-590H/Sのティップがゆっくりと絞り込まれていった。そのままリーリングでオートフッキングさせて、場荒れが起きないように注意する。抜き上げると、ちょっと小振りながらもメバルだ。

 まずはひとつ目のメバルをキャッチして、根から離れた砂底の海藻帯でも、メバルがちゃんと移動してきていることを確認できた。その後もひとつ追加して、メバルのタナ攻略を終了した。

 次は海藻の生え際を探って、カサゴが潜んでいないかを確認することにした。潮がわずかに岸に向かって動いているので、その潮上側にキャストして、ちょうどいい具合に根の生え際に流し込む釣り方を試してみた。最初のアタリでは、生え際に巻き込まれてしまった。結局はいつの間にかフックアウト。

 しばらくすると、最初の海藻帯まで戻っていたharukaが、「きたよ〜!」と声をあげている。ようすを見に戻ってみると、まずまずのサイズのカサゴがぶら下がっていた。最近のharukaは、同じ場所でねちっこく粘っていると、何らかの結果を出してくれている。

 今後の砂底ポイント開拓をするための、まずまずの滑り出しスタートを切ることができたようだ。アングラーのプレッシャーが多くなった昨今、人と違うことをやり続けるのが楽しさへの一歩になるはずだ。


戻る