● 2006/07 三寒四温期のムラソイを探せ! ●

 今年も三寒四温を意識しなければならない季節がやってきた。そう、ボクにとってはムラソイと出会うシーズンの開幕だ。取材は3月中旬だったけれど、まだちょっと早かったかな・・・という感じ。

 ムラソイをゴロタで狙うといえば、一般的には干潮の探り釣りという印象をもっている人が多いだろうね。でも数年前から、ボクはあえて満潮時からの下げ始めを狙うようにしている。その理由は、釣れる確率が高いから。

 普通に考えたら、カケ上がりの裏側に、干潮で岸から離れようとしたムラソイが溜まっているはず。そう考えると、干潮時に狙った方が密集した場所を釣れるから有利に思えるんだよね。

 でも実際には逆になっているケースが多い。それというのも、アングラーの増加による叩かれ方が挙げられる。ムラソイ=干潮時の釣りというイメージを持っているアングラーが多いから、どうしてもアングラーどうしのバッティングが多くなってしまう。

 ボクみたいに取材で確実にムラソイの姿を拝みたいのであれば、どうしてもアングラーとの出会いは避けたくなってしまう。もちろん誰かが攻めた後は、同じように探っても釣れる確率が低くなってしまうから仕方のないことだ。

 そこで午前中に満潮がきている日に、なるべく早い時間の勝負をかけることがボクのパターンになっている。これをやるようになってからは、かなり安定した釣果が出ていることを付け加えておこう。

 この日も朝のうちに満潮があり、現地に到着したのは満潮から1時間後だ。わずかに潮が下げ始めて、釣り始めていくうちにポイントが次々と展開していくようなタイミングを選んでみた。

 干潮時には徐々に潮が上げてくるので、ポイントは最初に攻めるカケ上がりに近い位置が全てになる。だけど満潮から狙うことによって、潮が下げていくと新しいポイントが次々と露出してくるんだ。アングラーの一般的な攻略パターンから、こうやって外すことも重要みたい。

 駐車場に車を停めて、タックルはいつものオリジナルロックフィッシュロッドだ。大型にも対応できるよう、藤沢のマイルストーンさんで仕上げてもらったワンオフロッド。最近のお気に入りだ。

 三寒四温のこの季節、陽射しがあれば波で洗われている岩の周辺が水温上昇しやすい。トップシーズンの浅場では反応がまったくなく、前記パターンのポイントで、岩の下まで流し込んでジックリ探ることで反応を得ることができた。

 具体的には、使うジグヘッドの重さをいつもと変えてみた。適度に波があったので、それを利用して岩の下へ確実に流し込みたかった。いつもは3.5gを使うけれど、今回は2.7gを結んだ。軽くして自然に流し込むことで、違和感を与えないようにする意味もある。

 この季節は、まだ接岸している個体数が少ない。だからここぞと思えるピンポイントも少ない。ランガンを意識しすぎると、いるのに知らずに通り過ぎてしまうこともある。だからその状態で岩の下へ流し込んでから、ロッドアクションで潜んでいると思われるムラソイをじらして喰わせる作戦だ。

 何ヶ所か岩の下を探っていると、予想通り波で洗われている岩の、ちょっと水深がある部分にロッドを引き込まれた。波に乗せて流し込もうとした瞬間に、黒い影が飛び出して引きずり込んだんだ。

 かなり奥まで入り込まれたようなので、ロッドを寝かせて強引に引きずり出した。ムラソイだ。今年も無事に、ゴロタ磯のムラソイに出会うことができた。ジックリとその姿を眺め、まずは大満足。

 予想していたパターンに間違いないことが確認できたので、同じようなポイントをharukaにも探らせた。するとほどなくして、お腹のでっぷりとしたムラソイを引きずり出してきた。

 徐々にウネリが大きくなり始めてきたので、数ヶ所の岩からムラソイの反応を楽しみ、この日の釣りは終わりにすることにした。だって潮が下げていっている最中なのに、波足がどんどん長くなってくるんだから。派手に波を被りたくないよ。

 これが皆さんのお目にかかるころは、おそらく三寒四温の季節は終わっているだろう。ムラソイも春から初夏のトップシーズンに差し掛かっているはず。ロックフィッシュ好きアングラーには、至高の季節が到来だ。

 これを読んだら、アングラーの行動パターンも考えながら、潮位や時間帯を意識した攻略を楽しんでみてはいかがだろうか。


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