● 2006/09 潮裏狙いのカサゴ ●

 今年は雨が多いから、思い通りに取材をすることができない。できることなら天気がいいときに写真撮影したいから、雨の日は自然と釣り場への足が遠のいてしまう。

 ところが雨が降らなくても、強風や低気圧のウネリで釣りにならない日が多い。せっかくの釣り日和があっても、その日はほかの取材釣行になっていることが多い。まあ仕方がないことだけどね。

 ところがそんなことを言っていたら、いつの間にやら原稿の締め切りが近づいてしまった。この週末に取材を済ませないと、締め切りに間に合わなくなるという事態になっちゃいそうだった。

 そしてついにレインウエアを引っ張り出して、雨の中の取材釣行になってしまったのだった・・・。雨の日でも釣れるのは当たり前なんだけれど、写真の仕上がりを考えると避けたい選択なんだよね。でも背に腹は代えられない状況なので、harukaと一緒に釣り場へと向かった。

 早朝の日の出とともに伊豆半島を目指すと、外海側は低気圧の影響でかなりのウネリが残っていた。沖から岸に向かって攻めるのであれば何とかなりそうな、波長の長いウネリだった。だけど岸からは立てないような波だったので、素直に湾内のエリアへと移動した。

 目的の湾内に到着すると、ウネリや風はそれほどではないけれど、潮がちょっとだけ右から左に流れているのが分かる。ちょっと安心して準備を始めると、風もそよそよと右から左へ吹き始めてきた。まあ釣りには影響のない程度だが・・・。

 今回はロックフィッシュロッドにスプリットショットリグを使い、キャストして探るつもりでいた。準備したソフトルアーは、パワーシラスとパラマックスの3インチだ。フックにはがまかつの#315を使ってみた。

 まずは目の前にある岬のゴロタ磯へ降りていき、その正面にキャストしてみた。潮がちょっと速いみたいで、あっという間に左へ流されてしまう。右へ投げると向かい風で、ポイントまで思うように投げられない。しかもコントロールがうまくいかないので、釣りやすい左側を集中して攻めることにした。

 岬の右側はウネリの影響で濁りがあり、左側は影響が少なく潮も澄んでいる。風下、潮下という条件も重なり、この岬の左側は潮裏の良いポイントになっているようだ。

 カサゴを狙うときは、これを一番意識してキャストポイントを決めるようにしている。適当にキャストしても時間が掛かるばかりで、すぐに釣果を出すことが難しい。それから干潮でカケ上がりが近くなるので、その裏側は潮が下げるにつれて移動するカサゴが、高密度で集まっていると考えられる。

 潮裏側にこういったポイントが合致していれば、あっけなく結果を出すことができる。冷たい雨だからあまり長くは釣っていたくなかったので、30分程度の短時間勝負を決め込んでいた。

 難しそうな正面、右側と探って確信してから、すぐに本命の左側へキャストを開始した。予想通り、大きめの岩陰を探ってみると、あっさりとカサゴからのアタリが伝わってきた。軽く送り込み、再びテンションを掛けて喰い込ませてから、大きく根から引き離すようにアワセを入れてみた。

 予定通りにカサゴくんがフッキングしてくれて、小さいながらもポイント選定の結果を満足させてくれた。すぐにもう1尾を追加して、写真撮影に切り替えだ。

 次の岬に移動して、今度はharukaの出番だ。右側をボクが先に試してみたけれど、やっぱり反応がまったくない。そこでharukaに岬の左側にある大きな石を舐めるように探らせてみた。

 すると予定通りに、あっさりとカサゴをヒットさせてくれた。いつもこれくらいハッキリとした結果が出てくれると楽なんだけどな〜。まあ条件が分かりやすかったから、結果はそれについてきてくれたってことなんだろうね。

 無事にharukaのカサゴもカメラにおさめられて、釣り風景やタックルなどを一気に撮影して終了。いくら梅雨に突入したからといって、いつまでも冷たい雨にうたれているのはイヤだからね〜。念のため潮が引いて浅くなったポイントも探ってみたけれど、さすがにムラソイの反応すらなかった。

 今回みたいにポイントを絞りやすい状況では、逆に釣れる場所と釣れない場所の差がハッキリと出てしまう。それだけにポイント選定の重要度が増してくる。でもワクワクする感じが少ないから、できることなら宝くじを当てるような釣りもやりたいけどな〜。


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