● 2006/12 流れ込むエサ待ちのムラソイ ●

 不思議と最近は、海が穏やかな日にあたっている。お陰であまり狙えてなかったゴロタで釣りをすることができているので、かなり良い思いをさせてもらっている。たまにはこんな嬉しいパターンにはまるのもいいものだね。

 漁港に車を停めて、近くの階段からゴロタへと下りていく。手前には大きなテトラが入っているので、ここは危ないのでパス。テトラの穴釣りを楽しむアングラーもいるけど、ボクは落ちたときのことを考えてしまうと、恐ろしくてできない。

 とりあえず50mほど歩いて、それらしい雰囲気のあるゴロタエリアへと到着した。手前には小さな流れ込みがあって、ちょっといい雰囲気を作り出している。余談だけど、ムラソイって小さな流れ込みの周辺に、かなり集まっていることがある。だから期待できそうな釣り場だ。

 ところがいい感じの石の周りを探ってみたけれど、ムラソイからの反応はまったくない。小型が姿を見せることもなく、気がつくとさらに50mほど移動していた。ここで見切りをつけて、一気に100mほど移動することにした。

 ゴロタを100m歩くのって、かなりキツイんだよね。それでも向こうの方に見えている大きな石が点在している場所に、何となく釣れそうな雰囲気を感じていた。これから始まるドラマに期待して、どんどん歩き続けた。後ろからは、harukaも頑張って追いかけてくる。

 波打ち際の石が大きくなり、そのエリアの水深もちょっと深くなってきた。沖からの潮流がうまい具合に石の間を流れている。こういった流れは、薄いサラシを作ってくれるので、澄み潮のムラソイ狙いには釣りやすくなってくれる。

 沖の方にはイワシのナブラが見えていたので、たまには打ち寄せられたイワシをムラソイが食べていたかもしれない。潮の流れを見極めることは、ムラソイの潜んでいそうな石を見つけるうえで、かなり重要なウエイトを占めている。

 少し探っていると、絶対に釣れそうな石を見つけた。2つの石が並んでいて、手前と向こうがトンネルのようにつながっているみたいだ。しかも覆い被さるようになっているので、その部分だけが薄暗くなっているのが嬉しい。

 まずは手前から引き波に乗せて、パラマックスを流し込んでみた。すると沈めきる前にロッドが引き込まれた。慌てて引きずり出そうとしたら、そのままスッポ抜けてしまったみたいだ。すぐに同じ位置へ流し込むと、またそれが喰ってきた。

 ところがロッドを絞り込んだものの、またもやフックアウト。ちょっと落ち着いて、今度は反対側から攻めてみることにした。寄せ波に乗せて、反対側から同じ位置に流し込んでみた。するとあっさりと掛かってきた。

 しかし、なぜか今度も外れてしまった。首をかしげながら、このポイントを1分ほど休ませてみた。そして今度は、斜め沖からルートを少し変えて流し込んでみた。喰いやすいコースがずれていたのではないか・・・、という考えだ。

 今度はしっかりとフッキングしたようだ。ロッドが大きく満月のように曲がり、ムラソイは手前に向かって潜り込もうとする。腕を大きく向こう側へと突き出して、一気に引き抜きにかかった。こうしてようやく、1尾目のムラソイを手にすることができた。

 やっぱり流し込みの威力は効果てき面だ。しかもちょっとした流し込みのルートを変えてやるだけで、よりスムーズな捕食を可能にしてくれるのだ。そのシビアさと、喰わせるための流れを読むことの難しさを再認識させられた。

 しかし普段は攻められてない場所というのは、これほどまでにスレてないムラソイばかりなのだろうか。同じムラソイが、こんな何度もバイトしてくるなんて、最近の海では考えられない。もっとも昔はこんなことは当たり前で、難しくなったことも改めて認識せざるを得ない。

 しばらく探っていくと、次はharukaにもアタリがきた。さっきのパターンを説明してからは、同じような釣り方をしている。岩陰から飛び出してくるムラソイが見えたらしく、珍しくharukaが興奮していた。よっぽど面白い光景に見えたんだろうね。これだからムラソイは面白いんだよ。

 その後も同じようなパターンで楽しんで、最終的にはスタート地点から300mほど歩いてしまっただろうか。久々にゴロタの長距離を歩いてしまったので、後で足が痛かったことは言うまでもない。それでも存分にムラソイを楽しめたので、釣っているときはまったく気にしないんだよね〜(^^;


戻る