● 2007/01 カサゴの居着き攻略 ●

 後から続いてくる台風の影響で、海は大荒れの日が続いていた。前の週はシロギスの取材で時間が足りずに、今週はやっぱり遠くに居る台風で外海は出撃が不可能。

 海の釣りって、外海に面していると、近づくことすらままならないよね。天気図をにらみ、海の様子をチェックして、夕方になってから1時間ほど掛けて釣り場へと向かってみることにした。

 夕日が沈む頃、得意の釣り場で状況をチェックしてみた。ところが異常潮位のため、本来のポイントまでキャストしてもリグがまったく届いてくれない。ショットを重くして再チャレンジしたけれど、掛かってくるのは良型のアナハゼだけ。

 仕方なく更に1時間の移動で、半島を南下してみた。外海では風の影響でウサギが飛んでいる。湾内では波立ちこそないものの、ここでも異常潮位の影響が大きく出ていた。

 いつもの釣り場へと歩いていくと、そこは海になっていた。護岸を乗り越えた水が、道路の部分を覆っていた。しかも普通に車が走っている道路まで、朝のうちは冠水していたという。

 地元の方に話を伺うと、年に2回くらいは起きているとのこと。それでもここまでひどいのは、初めて見たと言う。今までに見たことないと言いながら、地元の方々が撮影している。当然ボクもシャッターを押していた。

 ニーブーツを履いてちょっと歩いてみたけれど、徐々に外海からのウネリが入り始めたので撤収。こんなところで波にさらわれちゃったら大変だからね。

 結局は地元の食堂で、オススメのキンメダイ煮付け定食を食べて戻ってきた。このキンメダイ、30cmほどで丸々1尾を煮付けてあった。すごいボリュームに大満足して、帰りながらの拾い釣りをしてみることにした。

 まずは同じ湾内の奥に位置した場所で、パワーシラスを使ったジグヘッドリグを使って探り釣りを試してみた。完全にボクの冬に遊ぶ、ナイトゲームの釣り方だ。0.9gのシラスヘッドファインに、パワーシラスの2インチ。当然ロッドはLT-590H/Sのソフトティップだ。

 ここも所々で海水が押し上げていて、釣り場は限られている。数少ない堤防の先端で軽くキャストしてから、ゆっくりとリーリングしてみる。しかし当たってくるのは、一面に浮いているネンブツダイだけ。

 そこでその群れを避けた位置で沈めてから、ゆっくりと寄せるように巻き上げてきた。すると「コツンッ!」とアタリがあって、徐々にティップが絞り込まれていった。違和感をおぼえたのでロッドを立ててみると、いきなり強烈な引き込みが始まった。真下へと潜り、やたらとトルクのあるファイトだ。

 ゆっくり浮かせてから抜きあげてみると、なんとメジナ。25cmほどのまずまずのサイズで、意外な魚との出会いにちょっとビックリ。前にも釣ったことはあるけれど、メジナって狙って専門に釣れるのかと気になってきた。

 ここで5分ほど探ってみたけれど、あまり釣れそうな気がしてこなかった。早々にこの釣り場を切り上げて、再び1時間ほどの移動で最初のポイントへ戻ってみることにした。

 途中でノンビリした先行車がいたので、ちょっと思い立った漁港へ寄り道してみることにした。昼間はエギングをやっている人が居たけれど、気になったのは港内のスロープだ。そのスロープの横には護岸があって、意外にも水深がある。

 まずは一番水深のある護岸に、ジグヘッドリグを沈めてリフト&フォールで探ってみた。しかしカサゴからの反応はない。そこでスロープに目をやると、途中で崩れかけて亀裂の入った場所に気がついた。わずか10cmほどだけど、海底ではカサゴが頭を出して覗いている・・・ような気がした(^^;

 誰でも狙っているような釣り場なので、こういったピンポイントを、マクロ的に正確な攻略がキモになるはずと考えた。そして亀裂の向こう側へキャストして、ボトムまでゆっくりとフォールしてみた。

 着底してからゆっくりとロッドをあおり、躍動感を与えてからリーリングを開始した。海底から10cm上をトレースするイメージで、壁にこするような感じでリーリングしてみた。するともたれるように重くなるアタリで、ティップからバットへと、徐々に絞り込まれていった。

 掛かった瞬間にまずまずのサイズと分かり、根ズレでブレイクしないように腕を伸ばしてヘチから引き離した。丁寧にリフトしてくると、立派なサイズのカサゴが上がってきた。このサイズだと、ホッペの肉が美味しそうだな〜(^^)


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