● 2007/03 干潮時のカサゴは沈み根を狙え! ●

 今月も、冬の夜釣りにチャレンジしてみた。夜の釣りといえば、ボクは手軽なカサゴが大好きだ。場荒れ気味というフィールド状況の中で、少しでもサイズのいいカサゴをキャッチするように楽しむのが、ボクの好んでいるスタイルだ。

 外海や足場の悪い場所では、手軽に遊ぶ感覚ではなくなってしまうのが気になる。アップテンポに釣り場を移動しながら、より手軽で安心な場所で楽しみたいものだ。

 もちろんそんな場所は、多くのアングラーに攻めつくされている。だからそう簡単には、良型のカサゴに出会うことはできない。小さなカサゴさえ反応がなくなってしまった場所もある。

 でも、そんなエリアから良型のカサゴをヒットさせること、その過程こそが、ルアーアングラーとしての醍醐味でもあると思う。そんなことを含めて、自分なりのスタイルを確立したいものだ。

 ときには自分で釣り場を作ることもあるしね。たとえばあまりカサゴ釣りで知られてない場所に、自分でときどきエサを投入しておく。エサの少ない場所であれば、こういったピンポイントが功を奏することがたくさんある。

 カサゴは捕食に適したポイントであれば、釣り上げてしまっても次がすぐに入り込んでくると言われている。一度自分が作ったポイントにカサゴのレストランができてしまえば、近くにカサゴがいる限りはいつでも楽しめている。

 しかし粘りすぎて釣りすぎてしまうと、近くで見ていたカサゴもいなくなって、再び最初からポイント作りをやり直すことになってしまうのだ。これがカサゴのポイントが潰れていく、ひとつの方程式なのではないかと思う。

 今回はあえて自分で作っている釣り場を外して、そろそろ上向きになりそうな場所を探してみることにした。しかし干潮で潮位がかなり低くなり、釣り場は限定されているのが残念だ。

 数ヶ所を見ていると、無数のカタクチイワシが群れている場所を見つけた。ここは外海に面した堤防の外側が、比較的なだらかなシャローになっている。いたる所に沈み根があるので、その周辺とベイトフィッシュがマッチした位置で、カサゴが接岸している可能性を信じた。

 タックルはいつものLT-590H/Sのソフトティップで、OMライトゲーム3ポンドをセット。ようすを見る意味で、ソフトルアーにはパワーシラスの2インチを選んだ。ジグヘッドにはシラスヘッドではなく、シラスヘッドファインの0.9gを結んだ。スイミングで喰わすのなら、少しでもダートなどのアクションをさせやすいジグヘッドを選びたい。

 堤防の上から遠くにある常夜灯のわずかな明るさを頼りに、何となく黒っぽくなっている根の位置を確認した。うまい具合に、その右側にベイトフィッシュがザワザワと動いているのが見える。ときどき追われるような感じで、パシャパシャッと逃げている。

 さっそくその根の右側のベイトフィッシュに近い場所をめがけて、その少しだけ向こう側へキャストした。水深は2mほどのはずなので、1mほどフリーフォールしてから、カーブフォールでアピールさせてみた。ベイトフィッシュの泳ぐ方向と同調させたタイミングを見計らってから、海底付近をリーリングでスイミング開始した。

 するとゆっくりとティップが絞り込まれて、沖の根から足元のヘチに向かってラインが走り出した。リーリングスピードを速めると、ロッドがバットまで一気に絞り込まれてきた。さらに移動が速くなり、一気にヘチまでラインが寄ってきた。

 ロッドを沖に向けて突き出すようにしながら、ヘチに潜られないようにした。突っ込みが止まってからリールを一気に巻くと、ようやく暗闇の水面にバシャバシャと暴れる姿が見えた。しかし暗すぎて、魚のサイズまでは分からない。

 水面で落ち着かせてから一気に抜き揚げると、かなりの重量感でやたらと赤いカサゴが姿を現した。明らかに沖から接岸したばかりのカサゴで、シーズンの到来を予感させてくれる。

 おそらく大量のベイトフィッシュが接岸するのにつられて、気分よく浅場への移動を始めたのではないだろうか。ボクにとっては好都合のタイミングだったけれど、カサゴにとっては迷惑な状態だったね。

 カサゴを釣りきらないためにも、この日はここでの釣りを終了。他の釣り場の状況チェックに、ちょっとだけ時間をあててみた。自分で作っているエサ撒きポイントでは、小型ながらも元気なカサゴが姿を見せたことを付け加えておこう。


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