いつもは手軽な釣り場でカサゴを狙っているけれど、どうしても適度な明るさのある場所に足が向いてしまう。完全に真っ暗になっている夜の釣り場って、やっぱり何となくコワイじゃないですか。
そこでちょっと明るい釣り場に行くんだけど、なかなか思うように結果が出ない人がほとんどじゃないだろうか。たしかに明るい場所って目立っちゃうから、そこで釣れているのを見かければ、次は試してみようって考えるだろうね。
これが多くのアングラーに繰り返されると、徐々に補充が効く前にカサゴがいなくなってくる。カサゴは良い捕食場であれば、抜かれてもすぐに次が入ってくる。だから継続して釣れ続くこともあり、それを魚影が濃いと勘違いしやすい。
ところがこの入り込んでくる通り道のカサゴまで釣りきってしまうと、次のカサゴが捕食場を見つけるまでに時間が掛かってしまうと思われる。つまり1尾を釣ったらすぐに移動するなどの方法が、その釣り場を何年も長持ちさせる手段だとボクは思っている。
そこで今回の釣行では、あえて目立ちにくい真っ暗な釣り場を選んでみることにした。真っ暗な釣り場であれば、夜は怖いと感じているアングラーは近寄らない。気持ち悪いもんね。ボクもその1人だ。
だけど昼間の状況を知っている場所であれば、少しは暗くても我慢できるかな。そこで選んだのは、多くのエキスパートアングラーが最近狙っている港外や磯ではなく、港内の誰でも入れる手軽な場所だ。
その場所とは、市場の前。今回選んでみた漁港では、一般的に港口の堤防でカサゴを狙っているアングラーがほとんどだ。見るからに釣れそうな雰囲気で、常夜灯周辺はとてもいい感じだ。ボクもそこでいい結果を出しているけれど、あえてその港の奥に位置する市場を探ってみることにしたんだ。
この前に選んだ釣り場では、同じような市場でも、港口での実績はあまりない。そこではほとんどアタリらしい反応はなかった。そことこことの違いは、港口での実績があるかないかだ。
市場前というのは、切り身などが放置されてフィッシュイーターなどを寄せる撒き餌のようになることがある。それに期待しての考えだけど、最初の場所はカサゴの実績が薄く、市場前での反応がなかったと考えられるんだ。
そこでこの場所には港口での実績が高いので、ひょっとしたら沖から入り込んだカサゴたちが、港奥の市場前まで移動してきていないかと考えてみたわけ。ここなら手軽に釣りをできる足場なので、暗闇さえ注意すれば比較的お手軽な釣り場だと思う。
さて、前置きが長くなったけど、いつものようにパワーシラス2インチ+極小ジグヘッドリグで、この市場前岸壁を探ることにした。いつもと違うのは、ロケーションが真っ暗で分かりにくいことと、とにかく海面の状況も見えないことだ。
随分前になるけれど、真っ暗闇は自分自身の集中力を増してくれる要素になると書いたことがある。つまり中途半端に見えていると、視覚に頼って繊細な作業がやれないというもの。仲間と明るい場所で釣っていて、あえて目を閉じて集中力を高めることで小さなアタリを感じ取った思い出がある。
この日はまさにその状況に酷似していて、見ようと思ってもまったく分からない状態だった。とりあえずヘチに沈めて、着底したと思われるあたりからリーリングを開始してみた。
するとあっさりロッドが絞り込まれて、良型のカサゴが掛かってきた。同じ場所に沈めてみると、すぐにまた次のカサゴがヒット。意外な入れ喰い反応に驚きつつも、今度は2mほど離れた場所に沈めて、再びあっさりとヒット。
何だか真っ暗闇の爆釣劇が始まったみたいで気持ち悪く、一度は片付けようと思った。それでも他の場所で釣ってきて、30分後くらいに試したらまたヒット。さらに横に移動してみると、今度は反応がない。
ここで分かったことは、入れ喰いになった場所だけ深かったこと。反応のなかったあたりからは、急激に浅くなってきている。つまりカケ上がりが市場前にあって、ポケットのようになった場所に、カサゴが溜まっていたってこと。
エサが豊富という意味で、市場前は穴場になっているケースが多いようだ。今回のように当たりの場所はかなりあると思うので、できるだけ広範囲を試しに探ってみよう。予想もしなかった穴場が、アナタを待っているかもしれないよ。Good Luck !
|