●1996/11 日立港のマゴチ●

 今回の堤防釣行記は凄いゾ〜。何が凄いか〜って…。久し振りの大爆釣だったんですヨ。しかも、マゴチですよ。マゴチと言えばやっぱり東京湾のマゴチが有名だよね。でも、最近のボクが凝りに凝っているのは茨城の海なんだ〜。
 もちろんマゴチと言うからにはメゴチのオバケみたいにちっちゃいのじゃなくて、立派なグッドサイズなんだよ。
 ヒットするマゴチのサイズは40〜55cm級が多く、小さくても30cmはあるんだ。こんなのが夕方の会社帰り途中の30分〜1時間程度で簡単に釣れるんだから、最高にいい思いが出来るんだ。

 さあ、そろそろどこで釣っているのか知りたいでしょ。実は本誌のカラーページでも紹介している茨城県日立港の第5埠頭にある茂宮川の河口なんだ。
 ここはあまり川の水量が多くないから、汽水域と言うより海と言ってもいいくらいのフィールドだ。ちょうど海の潮の干満によってポイントの流れが複雑になり、マゴチにとっては絶好のレストランになっているらしい。また、足元に入っているテトラポットもマゴチたちの隠れ家になっている。
 ちなみに、ソゲも混じって釣れるので楽しみも多い。先日は40〜80cmという立派なヒラメも釣れたというのだからビックリ仰天だ。出来る事なら自分のルアーにヒットしてくれたら最高なんだけどネ。

 さて、何日か仲間たちと通ったある夏の日の出来事だ。いつものように第5埠頭へ夕マヅメのひと時を楽しみに出かけてみた。この日は日没の直前が満潮となるので、マゴチも大好物のルアー?を求めて浅場に寄ってきているだろうと勝手に思い込んでのチャレンジだ。
 駐車場に車を停めて、セットしたままのタックルを片手にいざポイントへ。ポイントまではホンノ1分という近さだ。既に地元日立のユニフォームを着たオジさんもルアーをキャストしている。入りやすいポイントだったらスレてて釣りにくいはずなんだけど、ここに限っては全く当てはまらない。やっぱりライトタックルはお手軽が一番だよね。

 参考までに今回のタックルはデュエルのトラウト&スピン7ftにZ2500iT、ラインはプロタフソフトの8ポンドを使用した。これでビッグサイズのマゴチも一気に抜き上げてしまおうという計画だ。
 確実に釣ろうと思ったらソフトルアーがいいけど、水深が浅いからミノーでも使いやすい。ミノーはシーバスの実績もあるので楽しみだ。

 このポイントの水深は浅いところで1m、深くても2mしかない。これだけ浅いと、いくら魚影が濃いと言っても不用意なアプローチでは警戒されてしまう。静かにポイントに近寄ってルアーをキャストした。
 1投目、1/8OZのジグヘッド+ホワイトのクラッピーにヒットしてきたのは手のひらサイズのソゲだった。これがこの日の爆釣の始まりだったとは…。

 その後は30〜53cmのマゴチが連続ヒットしてきた。50cmを越えると8ポンドの直結では抜き上げに不安がある。でも、この日はバレてもいいやという気にさせてくれるほど釣れたんだ。
 暫くして携帯電話が鳴った。電話の主は水戸のクロちゃんだ。状況を説明すると、これからこっちに向かうとのこと。
 あまりの連続ヒットだったが、クロちゃんにも釣ってもらいたくてポイントを休ませておいた。到着したクロちゃんも最近は魚の姿を拝んでないので、ドキドキしながらワンキャスト。

 ところがいつまで経ってもクロちゃんのロッドは全く弧を描いてくれない。一生懸命キャストを続けるのだけど釣れない。本人曰く、
『アタリが一回あっただけ。釣れな〜い、釣れな〜い…』
 既に薄暗くなった辺りにクロちゃんの恨めしそうなうめき声?が響いている。ア〜、気持ち悪い!
 辺りが真っ暗になるまでキャストを続けてみたが、アタリも無いので目一杯落ち込んでいる。そこでこんな時によくあるダメ押しの一発が起きてしまったんだ。
『しょうがない、あきらめて帰ろうヨ。でも何で釣れないんだろう。アレだけ爆釣してたのに…』

 疑問に思いながらも、念のためクロちゃんがたった今まで粘っていた所にルアーをキャストしてみた。このラストキャストが無ければクロちゃんもこんなに落ち込まなくても済んだかも知れないのに…。
 実は女神さまがボクに微笑んじゃったんだ…。ヒット…。大事にランディングすると、この日最大55cmのマゴチだった。ボクはウハウハで喜んじゃったけど、対称的にガックリと落ち込んでたのが約一名。
『クロちゃん、何やってたの? マゴチいるじゃん』
『なんで〜、ど〜して〜。同じ場所で同じルアー使ってるのに〜』

 あえてボクは何も言わなかったけど(ウソツケ!)、みんなもこんな経験ってない?
 その後もずっと通い続けてるんだけど、相変わらず彼だけは釣れない病が続いているようだ。この釣行記が皆さんのお目にかかる頃には彼の釣れない病も無事に治っているといいんだけど…。

 全国のソルスト読者の皆さん、クロちゃんを応援してあげてネ。ちなみに彼は彼女募集中です。あっちもこっちも欲張ってるから、『二兎を追うものは一兎をも得ず』なのかもしれないけどね!


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