●1997/07 岩港のメバル●

 さあさあ、皆さん。この堤防釣行記の連載もいよいよ2年目に突入しました。思い起こせば嬉しいことや悲しいこと、色々な思い出が脳裏をよぎっていきます。
 な〜んて何だかカッコつけすぎかもしれないね。いやぁ、しかし1年はホントに大変だったなぁ。
 これからの1年はもっと大変かもしれないよね。だって怖〜いK哲編集長が「同じのなんて2度とやるんじゃないゾ!」って言うのが目に見えているもんね。

 さてさて、2年目に突入したボクの堤防釣行記の記念すべき第1回目は、近場で手軽に済ませてみた。
 でも手軽って言ったって適当な場所やターゲットを選んだわけじゃあないんだよ。釣れるから狙う、そんな釣行記にこれからの1年はしていきたいと思っている。

 余談だけど、実は昨年の暮れあたりからインターネットの釣り情報に取り組んでいるんだ。できる限り毎日更新を目標として、かなり多くの人たちから好評と励ましの言葉をいただけるようになってきた。
 ちょっとばかりインターネットの事を知っている人だったら、常に情報を更新しているホームページがどれだけ釣りに役立つかは当然知ってるよね。
 ヤフーの検索でボクの名前「野地文雄」だとか、「ライトタックル」なんて言葉を入力すれば探すことができるんだ。興味のある人は是非覗いてみてね。

 何でこんな事を書いたかって言うと、これには今回の釣行場所を決めるヒントがあったからなんだ。
 今回たまたま真鶴の岩港に3号岩丸っていう掛かり釣りの船が就航した。インターネットのホームページで参加者を募集し、この掛かり釣りの船でルアーの試し釣りをやることになったと言うわけ。

 このボクの呼びかけに答えてくれたひとりのルアーマンが、前の晩からその岩港で釣りをしてくれた。別に出船するのは早朝だから前の晩から釣りをしてなくてもと思ったんだけど…。
 よくよく聞いてみたら車の免許がないから電車で来たらしい。しかも早朝の集合時間に間に合わないモノだから、前の晩から港に来て釣りをしていたという事らしいんだ。
 もちろんボクはそんな事は全く知らなかった。しかもその話にはオチがあった。毎日港の夜回りをしている人に、可哀想だからって保護?されたらしい。その彼の名は「天狼さん」と言って(もちろんペンネームみたいなもんですよ)、そのスジではかなり有名な人なのです。
 夜はまだ寒い時期だったから、家に連れていってもらって暖をとらせていただいたとのこと。

 さて、問題はこの時に釣りをしていたって事なんだ。最近は真鶴の岩港ってたいした釣果を聞いてなかったんだけど、彼から後で聞いた情報では、意外と簡単にメバルが3尾釣れたらしい。
 この話を聞いて早速その日の夕方から行っちゃったんですよね、まったく。
 実は風が強くて岩丸は出船できずに1日が過ぎた。当然お決まりコースで朝から夕方まで大宴会。偶然その日に岩港へ居合わせた、つりマガジンでもお馴染み深場釣りの岡本さんも加わっての大騒ぎだった。

 まあ別にそんな事はどうだっていいんだけど、みんなはベロンベロンに酔っぱらって釣りどころじゃなかったみたい。だけどボクは昨晩の情報が気になっていて最初からマヅメにルアーをキャストするつもりでいたんだよね。
 辺りが薄暗くなった頃、みんなで岩港へ戻り、早速ボクと天狼さんはそそくさと釣り支度。この日岩丸には乗船できなかったけど、何故か岩丸の周りだけがメバルのポイントだった。

 何カ所かチェックして港口近くまで行ってみた。何の気なしに足元へフォールさせたクラッピーに突然のひったくるようなアタリが来た。
 そいつはグイグイと岸壁沿いに潜ろうとする。半ば強引に引きずり上げたその魚はメバルではなくてカサゴだった。
 天狼さんの話では釣れるのはメバルのはずだったんだけど、何故かボクのメバルは釣り上げた途端にカサゴに化けてしまったんだ。しかも最近にしては珍しく26cmを越えるグッドサイズだ。
 その後もう1尾を追釣し、この夜は素直に納竿した。これでしつこく次の夜も行ってしまうところが地元のいいところなんだよね。

 この時点で今回のボクの釣行記は岩港のメバルに決まったんだ。次の日はアタリも多く、ようやくボクにもメバルくんが釣れてくれた。
 船の間には無数の小メバルがウジャウジャ泳いでいる。どこにでもあるような光景なんだけど、最近の岩港でこれほどメバルが集まるなんてちょっと信じられなかったというのがボクの正直な気持ちだった。
 そうは言ってもボクの仲間も含めて、新鮮な情報を信じてすぐに出かけた人たちは美味しい思いをすることができたはずだ。

 今回の釣行記はひょんな事から久しぶりに見直した、ボクの地元フィールドのお話でした。
 フィールドに溢れるたくさんのルアーマン、その中で人よりいい思いをしたかったら、情報収集の方法も色々考えないといけないね。新鮮情報を知りたかったらホームページを見てね!


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