● 2001/12 海が荒れた直後は外海に面した港内をチェックしよう ●

前回はちょっとしたヒントを紹介したけど、やっぱり居着きを狙った方が効率的だ。数釣りは難しいかも知れないけど、狙った戦略で釣れたときの嬉しさは倍増だ!

 シーズン初期は、思ったほどのメッキに出会えないのが実情だ。時にはものすごい群れに遭遇して、「今年は当たり年かなぁ?」なんて思ったりもする。ところが次の週に行ってみたら、全く姿が見えなくなってしまうこともある。

 回遊待ちの釣りは、当たれば爆釣を経験できる。ところが群れに出会えなければ、メッキの姿すら見ることなく1日が終わってしまう。先週はいっぱい釣れたという情報で次の週に出掛けて、何も釣れなかったらそんな原因があったのかも。

 でもメッキを釣りに行くんだったら、少しでも楽しめる状況を選んで釣りに行きたい。回遊してくるかどうか分からないのを待っているよりも、自分から群れを探してラン&ガンして釣りまくる方がメッキらしい釣りかただと思う。

 そういったいると思われるメッキを探りながらの釣り方こそが、居着きのメッキ狙いと言える。例えば潮通しの良い堤防の先端付近や、港内のスロープなどであったりする。時には磯場の潮がぶつけている場所かも知れないし、河口域のベイトフィッシュを狙った群れかも。

 そこで今回は、港内に焦点を絞ったポイントについて、少しお話しようと思う。具体的には、港内の奥深くなどに位置している船揚場のスロープ。そしてもうひとつは、港入口の堤防周辺だ。いずれもベイトフィッシュの多いことが、メッキの居着く絶対条件となる。

 ではどんな時に、メッキの居着く条件が存在するのだろう。やはりベイトフィッシュの存在は、無視できないものとなっている。そのベイトフィッシュが、より高確率で存在しているための条件を知っておきたいものだ。そしてそれを察知する目安を知っておきさえすれば、メッキに出会える確率はグッと高くなる。

 ご存知の通り、メッキは黒潮などに乗って南方からやってくる死滅回遊魚だ。だからといってエサとなるベイトフィッシュを食べずに死滅するわけではない。少しでもベイトフィッシュの多い場所への移動を続けながら、わずかでも長く生き続けようとしている。

 そのベイトフィッシュも、穏やかな海が続いていたら、港内に留まってばかりはいない。伊豆半島などでも、秋の西風は有名だけど、ベタ凪だったら港内はベイトフィッシュすらモヌケのカラ。当然そこには、メッキも居着いているはずがない。

 ではベイトフィッシュ達は、どんな時に港内へ戻ってくるのか。それはズバリ、海が荒れてしまったときだ。台風や低気圧の接近などで、海は一転して荒れ狂う。波は堤防に被り、そして港内へはウネリがどんどん入り込んでくる。

 メッキのエサとなり得るサイズのベイトフィッシュは、そんな海になったら港内へ避難してくる。港内のスロープなどには、ベイトフィッシュ達の捕食するエサもたくさんあるだろう。それなりに目的意識を持って、ベイトフィッシュ達も集まってくるだろう。

 こんな時に、メッキの群れには2通りがあると思っている。まずは港内のスロープで、こういったベイトフィッシュの群れを、捕食が目的で集まっている場合だ。
 ボクが思うに、このスロープ周りの群れは、特定の条件において釣りやすい。その特定の条件とは、やはりスレてないこと。つまりどんどん入れ替わりながらのアングラーがいないことで、人的プレッシャーの低さを示している。

 この人的プレッシャーも、ボクの経験だと日中のプレッシャーは比較的影響が少なく、朝マヅメのプレッシャーが尾をひくように感じているんだ。このプレッシャーが朝マヅメに加えられてなければ、夕マヅメにもチャンスがあると思う。逆に朝マヅメにプレッシャーを与えたスロープでは、不思議と夕マヅメのチャンスが少ない。

 そしてもうひとつの群れは、港の入口付近で、荒れている最中の潮の動きが激しい場所だ。海が荒れているときは、港内の奥深くもポイントになる。ところがそれほどベイトフィッシュの集まっていない、港入口周辺でも、かなりのメッキに出会えることがある。

 これがなかなか面白いのだけど、これこそが本来のメッキの姿ではないかと思う。成魚になったギンガメアジやロウニンアジなどは、どちらかといえば、そういった海域を好んでいるはずだ。その証拠かも知れないけど、港口でウネリのある場所からルアーに飛び出してくるメッキ達は、とても活性が高い。

 このように海が荒れることによるメッキの動きは著しく、静かな港内で何気なくベイトフィッシュを追っている。更にウネリと強い潮の流れの中で、潮に逆らいながらも何かをしている。後者はとてもベイトフィッシュが泳げる状況ではないと思うときであっても、ルアーが着水すると同時にチェイスする事が多い。まるでエサがくるのを待っているように思える。

 こんな時には、これがメッキのトレバリーとして、本来あるべき姿なのだろうなぁ・・・と感じる時でもある。それに出会えたなら、水面にもルアーを選ばずに、トップでガンガン飛び出してくれる。アングラーもこんなときには、我を忘れて興奮するだろうね。

 最後に補足しておくけど、どこのどんな漁港でもこんな現象が起きるのではない。湾内の入り組んだ漁港だと、それほどウネリの影響は受けないだろう。よほどの台風でもない限り、メッキ達は湾内を広く回遊していると思う。

 できることなら外海に面した漁港を選び、そういった場所のスロープや港口を探ってみたい。ラン&ガンの基本パターンは、そこを頭に入れておけばいいと思う。

 前回紹介した回遊狙いと共に、今回の居着き狙い(一時ではあるが)のパターンを知っておくと、その日の状況で攻略法が見えるだろう。

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