● 2002/02 カサゴの集まる夜のスロープを攻める ● |
冬になると、夜のカサゴ釣りは寒さとの我慢比べになる。それでも静寂の闇の中で、アングラーを熱く燃えさせてくれるのがこの時期のカサゴだ。ベイトに群がる、夜のスロープを攻略しよう。 |
先月までは、ライトタックルルアーのメインターゲット?である、メッキの紹介を続けて話してみた。でも寒くなったので、そろそろメッキも終盤だよね。という訳で、今回は冬の夜釣りが楽しい、カサゴをターゲットにお話してみる。 カサゴ自体は昼間でも釣れるんだけど、ボク個人の好みとして、冬の寒さに耐えながらの夜釣りはお薦めなんだ。寒さに耐えられなくなったら帰ればいいんだけど、そんなに長時間釣らなくたって、早々に結果を出せる場所を選んで釣りたい。 キープやリリース論議は別としても、ここ数年のルアーフィッシング人気で、各地でのカサゴを含む根魚狙いは、釣ること自体が難しくなってきた。堤防や磯などが、最も狙われやすいポイントだ。ひと目でカサゴの居そうなポイントとして見極められやすいし、たしかにカサゴは釣りやすいし釣れる。 ところがアングラーの増加に従って、シーズンに入る頃は早い者勝ち状態になっている場所もある。シーズンインの情報を聞いてから出掛けたって、小型が少し釣れる程度の場所も珍しくない。有名なスポットほど、その傾向が強くなっている。 そんな状況でカサゴを確実にキャッチしようとしたら、忘れ去られたようなポイントを攻めるのが手っ取り早い。しかし他の人が釣ったあとだったら、その夜に結果を出すのは難しいだろう。 ところが、漁港などでも比較的カサゴが補充されやすく、釣りやすいエリアがあることを知っているだろうか。今回は、そんな穴場的な存在のエリアを紹介してみよう。 必ずしもどこの港でも釣果が出るのではないけれど、港の周辺に岩場があって、泥底になってないこと、砂地に根が点在しているなどの条件を満たしてさえいれば、そのエリアは狙ってみる価値がある。 そのエリアこそが、スロープなのである。漁港などには、港内の奥に位置した場所へ、船揚場のスロープが存在する。スロープとはその構造上、海中で途切れる部分が、急激に深くなっている。小船用のスロープだとしても、段差があるために、そこは一種のカケ上がりになる。 そして周囲に照明があると、この時期のスロープ周辺では、イワシや小ボラなどの溜まり場になっているんだ。カサゴたちは、ここにエサを捕食するのに適した場所があることを、本能的に知っているんだ。 スロープに限らず水深の浅い岸壁沿いでも見られるが、カサゴが水面付近へ捕食に飛び出してくるのを見たことあるだろうか。凄い瞬発力を見せて、一気にベイトフィッシュを捕食していく。 スロープの切れ目では、こんな光景を目にすることも多いのだ。それを知ってしまうと、短時間でカサゴを釣るために、スロープに集まるベイトフィッシュは、Aクラスのポイントと言えるだろう。 このカサゴたちが、接岸している時期の昼間はどこにいるのか、それはボクも断定はできない。しかしそれほど遠くに移動しているとは思えず、夜の間に次のカサゴが入ってくる事からも想像できる。 時期的には、冬に突入したばかりのタイミングと、これから春になる産卵の直前に、このカサゴの群れは入り込んでくる。最初の群れは数も多いし、とりあえずは釣りやすいから結果が出る。春が近くなると、今度は産卵前の荒食いが始まる。 移動量が少なくなると思われるこの時期のカサゴは、一気にカロリーを補充したいがために、エサのたっぷりいる場所に集まるのは、ごく当然の成り行きなのだろう。それだけに、ベイトフィッシュの集まりやすいスロープは、カサゴを釣りやすい場所という方程式が成り立つ。 もし夜の漁港でスロープを見つけて、そこに灯りがあってベイトフィッシュが溜まっていたならば、そのスロープエッジを攻めてみる価値はある。仮にベイトフィッシュが少なかったとしても、スロープ自体を狙っているアングラーが少ないので、居着きのカサゴに出会える確率も高いのが特徴だ。 色々なスロープを、ボク自身も夜だけでなく、昼間も狙っているのだけど、やはり釣れ方にもパターンがある。当然そこには、夜という警戒心の薄れるシチュエーションと、昼という周囲が丸見えの中での捕食によって、釣り方も異なる。 つまり夜だったらボトムを意識しなくても、カサゴを釣りやすいということだ。スロープは段差になっているのだけれど、決して水深は深くない。だから水面を引いてくるルアーにだって、あっさりと反応してくれるのだ。 ところが昼間のスロープや、ベイトフィッシュの存在が見当たらないスロープでは、この常識が通用しないケースが多い。そんな時には、やはりルアーを沈めた方が、結果としては釣りやすい。前者はミノーでもいいのだけど、後者はワームなどを使った釣り方という分類だ。 しかし、ワームを使った場合だとしても、カサゴのイメージからくるズル引きやボトムバンピングといった、根魚独特のテクニックを使わなくてもいい。できればスロープは段差と平行に攻めたいので、部分的に点の釣りをしていたら、効率が悪いし時間がもったいない。 そこで登場するのが、単純なキャスト&リーリングだ。ただでさえスロープエッジは、普通の根などに比べると根掛かりが多い。色々なゴミとかが、捨てられているかも知れないしね。 ミノーを使うときと同じように、スロープと平行にルアーを引いてこれる位置に立って、そのままキャストする。水深は把握できるだろうから、根に引っ掛からない程度のレンジをキープできるスピードで、時々ツンツンとトゥイッチを加えながら引いてくるだけだ。 アタリがあったらすぐアワセて、岸と反対方向にロッドを寝かせて一気に引き離す。浅場のカサゴが根に戻る速さは、信じられないほどだからね。スロープの攻略、この冬チャレンジしてはいかがですか?! |