● 2002/03 ベイトに狂ったカマスはノーシンカーワーム ● |
時として、ベイトフィッシュの群れに興奮したカマス達は、ルアーに対して何の反応もしてくれないケースがある。そんな時にこそ試してもらいたいのが、ノーシンカーワームだ。 |
冬のカマス釣りは、メッキがシーズン終了してからも、まだまだ楽しめる。特に港内のベイトフィッシュに引き止められたカマスは、時として集団で回遊を始める。 そんな時にタイミングよく出会えれば、カマスが大漁・・・な〜んてことも多々ある。しかしほとんどの場合には、マヅメ時を効率よく攻めてやるのが一般的だ。 ライズのあるとき、ライズのない時によって、その攻略の方法も異なってくる。ミノーにしろワームにしろ、状況によってリグや操作方法によって、釣果にも差が出る。そのあたりについて、今回はボクのやり方を紹介しよう。 まずは一般的な、チョロッとライズがある場合だ。多くのカマスポイントでは、マヅメ時に多く見られる光景だ。具体的には、小さなベイトフィッシュを追いかけながら、水面直下で捕食を繰り返しているケースだ。群れの移動が速く、その先頭をおさえることが、確実にヒットさせる早道となる。 こんな時には、アップテンポに広範囲を探るという観点で、フローティングミノーが有利となることが多い。ライズの移動する先頭位置を見越して、ミノーが水面下にいるカマスの先頭を、上手い具合に通過するようにコントロールしてやる。 大抵のケースでは、これさえマスターできれば、カマスは比較的容易にヒットしてくれる。釣れてない人を見ると、水面下の動きを予想できず、群れの通過した後方を狙っているようだ。ベイトフィッシュの動きを予測して、常に先回りをするという予測のゲーム展開が、重要になるのである。 こんな時に、追って来ても足元で反転していくケースもある。そんな状況であれば、その多くは潮が澄んでいるのではないだろうか。カマスといえども、違和感をおぼえて戻っているのだろう。 これに関しては、ワームのジグヘッドリグで、スローなリトリーブによって、ある程度は対応できる。つまり足元まで追わせて、水深の深い場所(アングラーからも見えにくい水深)で食わせるのだ。 ところがこのいずれのパターンにも、残念ながら当てはまらないケースが、カマスには付きまとうことがある。それが今回のテーマとしている、ベイトフィッシュに興奮していて、ルアーに全く反応しないカマスだ。ちょっと厄介だけど、ツボにはまると、かなり面白い! 状況が頭に思い浮かぶと、カマスを追いかけているアングラーには、そんな経験があるのではないだろうか。目の前に辺り一面のライズが起き始めて、一生懸命ルアーをキャストしても、全くカマスがヒットしないなんてことが・・・。 あまりにも小さなベイトフィッシュを追っていると、それより大きなルアーには反応してくれないことが多い。当然浮いている時だから、ジグヘッドでワームを沈めてもダメなケースがほとんど。特例はあるだろうけど、多かれ少なかれ、カマスにはそんな経験者がいるはずだ。 そこで登場するのが、ノーシンカーワームだ。ラインの先にはフックと、それに刺さっているワーム。たったこれだけのシンプルなリグが、こういった水面や水面直下のライズの切り札となる。当然軽量なリグだから、従来よりも繊細なタックルが必要になる。 ボクは渓流用のミノーイングロッドを使っているけど、ラインは比較的伸びの少ないナイロンラインの3ポンドだ。2ポンドを使ってみたけど、あまりにも弱すぎて、触られただけで切られることが多い。カマスの歯で切られるのではなく、魚の体に擦れて切れているようだ。 ヤマメ針の8〜9号に、エコギアのパワーシラスかグラスミノーSSのグローカラーをつけるのが、ボクの最近のスタイルだ。ちなみにぼくは、がまかつのヤマメ針を好んで使っている。陽射しのある時間帯だったら、クリアに銀ラメ入りのカラーがいいこともある。 そこで重要なのが、カマスの鋭い歯で、針のすぐ上の部分を切られないかという疑問だ。通常なら3ポンドという細さでは、カマスの鋭い歯で簡単に切られてしまう。8ポンドクラスのリーダーを5〜10cmほどでも付けたい気持ちが起きてくるだろう。たしかにぼくも、そのように思っている。 ところが、このリーダーを付けることによって、ノーシンカーのアクションが損なわれてしまい、カマスの反応が悪くなってしまう事実もある。せっかく釣りやすいリグを使っても、釣りにくくなってしまったら意味がない。 そこで色々とテクニック面でカバーすることを試していたけど、フッキングのさせ方によって、ほぼ対応できるようになってきた。カマスの鋭い歯に触らせないように、口元に掛ければいいと単純に考えた。 船で攻めている時は、重いジグを使うと簡単に切られる。これは、必要以上にラインテンションが加わるため、そこに歯を触れさせただけではじけるように切れてしまうからなのだ。だから、そのテンションをフッキングの瞬間まで、極力与えないようにしてやるのだ。 口で言うのは簡単だけど、実行するのはなかなか難しいと思う。幸い見えるカマスを狙う方法なので、加えた瞬間にロッドを送り込んでやることができる。反転してからだと針が横にずれてしまい、口の横にフッキングさせたら口先の歯で切られてしまう。 カマスが横を向く前に、スッと引き出すようなイメージでロッドを寄せて、わずかに重みを感じたら、鋭く一気に上へロッドを跳ね上げるようにあわせる。不思議な具合に、これでカマスの尖った口の先端へ、針が掛かってくれている。 あとはカマスを暴れさせないように、水面直下で泳がせながら寄せてくる。水面で暴れさせると、あっさり外れてしまうから注意しよう。でも失敗すると、カマスの口に針を付けたまま泳がせることになる。あくまでも、リーダーを使ってもヒットしない時の最後の手段として、頭の隅に入れておいて下さい。 |