● 2002/06 回遊している群れの先頭を狙う ● |
最近はルアーでも、違和感がなくなってきたが、以前はマアジを狙っているアングラーは少なかった。しかし狙い方が紹介され始め、マアジを専門に狙うアングラーが多くなってきた。群れで回遊するマアジを釣るテクニックを覚えよう。 |
数年前までは、マアジをルアーで釣るアングラーはほとんどいなかった。釣れるかどうか分からなかったのかも知れないけど、今では当たり前のようにルアーターゲットの仲間入りだ。 最近の流行の釣り方は、小さなワームを使ったジグヘッドリグや、ショートスプリットリグが多く使われている。以前はメタルジグなどでも狙って釣れたが、最近では水深のある外海が、メタルジグの主な活躍の場になっているようだ。 今回紹介するお話では、最近では最もベーシックな、ワームを使った釣り方を中心に進める。そのフィールドは、港内や港口だ。一般的に、マアジが群れで回遊するルートのひとつと考えていいだろう。 コマセを使った釣りの場合、適度に撒き続けるエサによって、アジ達は足止めされる。そしてそこへ仕掛けを入れることによって、確実に釣ることができるのだ。ルアーの場合はエサを巻き続ける釣りとは違うので、ルアー自体を手返し良く魅力的に動かすことで、このアジ達の移動の足を止めることが、数釣りするためのキモとなるのだ。 ところが生のエサと違って、めったやたらにルアーを投げ込んでも、アジの群れを引き止めることは出来ない。そう、移動の足を引き止めるためには、群れを先導している先頭のアジ達に着目するのだ。 移動の足が速い魚はみんな同じだが、アジもそれと同じだ。キャストしたルアーを引いてくる途中で、ちょうど群れの先頭よりも少し前を、そのルアーが通過するようにコントロールしてやるのだ。 ここで重要なことは、ルアーをマアジの群れよりも沈めすぎないことだ。アジは上から落ちてくるエサに対して、かなり過敏な反応をしてくれる。しかし下から上がってくるものには、全く反応しなくなるケースがあるからだ。 リフト&フォールも有効なテクニックだけど、できることならスムーズな動きを心がけて操作したい。例えば目の前を通過する瞬間にタイミングを合わせて、スッと上に誘い上げるなんてのも、かなり有効な誘いになる。その時々のアジの反応を見ながら、最も活性の高くなるスピードや動きを、ジックリと考えながら試してみよう。 常夜灯の下にいる群れを探せ アジの回遊してくる場所は、港の形状などによっても違う。しかし共通していえるのは、常夜灯のある場所が集まりやすく、釣りやすくもあるということだ。その理由のひとつに、プランクトンが集まりやすいという条件がある。それを捕食する目的で、アジも回遊してくるのだろう。 表層を群れで回遊してくる場合もあるが、多くは少々深いレンジを回遊してくるケースが多い。だから常夜灯の下にアジの群れが見えなくても、まずは諦めずに探ってみたい。水深5mくらいまでだったら、とりあえずボトムまで沈めて探るように意識したい。活性が高くなってくると、群れならば徐々にレンジが上ずってくるはずだ。 スロープも忘れずに! 常夜灯が無かったとしても、スロープを探ってみる事をおすすめする。他のアングラーが狙ってないような場所だが、他のターゲットでも話しているように、スロープの際にはプランクトンやベイトフィッシュが集まりやすい。 スロープの途切れる位置から水深は深くなっているので、その近くを回遊しているアジがいるかもしれない。運良くスロープで出会えれば、スレにくいアジのアタリを、長時間楽しむことができるかもしれないぞ。 繊細なタックルで楽しもう ワームを使ったタックルを使うなら、違和感無く食い込ませられる、スローテーパーのロッドが扱いやすい。とにかくアジは口が柔らかく、ちょっとでも無理すると口が切れて逃げられてしまう。確実にキャッチするためには、繊細なロッドが欲しくなる。但し大型の多いポイントでは、適度なバットのトルクも必要だ。 ラインは3ポンドを中心に考えて、常夜灯の下でもラインが目立ちにくくするような配慮も必要だ。リグはジグヘッドリグが一般的だが、ハリ掛かりしにくいときには、ヤマメバリを使ったショートスプリットリグがおすすめだ。アジのサイズが20cm以上なら、マイクロミノーを使っても面白い。シンキングタイプを使えば、深いレンジのアジも釣ることができる。 群れの先頭を狙って足止めさせる アジの回遊が常夜灯の下に見えたら、その群れの足を引きとめてみよう。表層付近を回遊していたら、移動する方向を見極めよう。ルアーは群れの進行方向の向こう側に着水させて、群れの回遊しているレンジに合わせる。 スローにリトリーブを開始して、群れの先頭より50cm程度前を通過させるようにする。群れの中を通過させずに、群れの先頭から誘い出して釣るのが、数を釣るコツだ。 リフト&フォールを活用しよう 群れの前を通過させても、全く反応しないときがある。たまにルアーを追うようについてくる気配を見せても、すぐに無視したりもする。そんな時に試してもらいたいのが、リフト&フォールのテクニックだ。 アジは上から落ちてくるエサに反応しやすい。サビキ釣りなどでも、誘い上げる時よりも、沈んでいく仕掛けを止めることが多いのだ。それと同じように、目の前で誘い上げた直後、再びカーブフォールさせてルアーへ反応させるのだ。 このとき重要なのは、カーブフォールを心掛けることだ。フリーフォールでも反応するのだが、群れが回遊しているときには、カーブフォールで斜めにスイミングさせた方が、反応の良いケースが多いようだ。通常は後方から追ってきて吸い込むように捕食するので、リーリングスピードを上げて対応する。強引に強くあわせると、口切れするので注意しよう。 |