● 2002/08 初期のメッキは港内の居着き攻略 ●

いよいよ今年も、楽しいメッキのシーズンが始まる。ライトルアーアングラーにとって、とっても嬉しい季節の到来だ。シーズン初期は、港内に居着いているメッキを狙ってみよう。きっと懐かしいメッキの引きを、味わうことができるだろう!

 いよいよ今年も、メッキのシーズンが始まる。そこで今回は、ちょっと早めに、メッキシーズン突入直前の、初期の攻略について紹介してみようと思う。

 南方系であるメッキは、初夏の頃から秋の台風シーズンに掛けて、南の海から関東方面へ向けて回遊してくる。早い年には5月頃から釣れることもあるけど、その多くは7月以降ではないだろうか。

 シーズン真っ盛りのメッキとは違い、開幕直前の海の中では、メッキも居場所を探している。早い時期に回遊してきたメッキは、トップシーズンのようにどこでも釣れるって訳ではないんだ。

 ボクが何年も通い詰めた伊豆や房総の海で得た結論は、「シーズン初期のメッキは、港内の居着き攻略がキーワード」だ。つまり初期は個体が少ないから、居着いている場所を突き止めることが、初期のメッキを攻略するために重要ってこと。

 そこでボクが毎年狙っているポイントというのが、以前から何度も話しているスロープの攻略だ。どんな魚だって、生きていくためには食べなければならない。それほどベイトフィッシュの多くない時期では、少しでも可能性のある場所を選ぶことが重要だ。

 初夏の港内は、スロープに小さなボラが小さな群れをいくつも作り回遊する。水深が浅い割に、スロープからの落ち込みはベイトフィッシュを捕食しやすい。だからこそスロープエッジが、初期のメッキポイントになりやすいんだ。

 スロープ攻略と聞くと、ひょっとしたらスロープに立ってキャストするのかと思う人もいるだろう。しかしスロープに立つと、スロープエッジを点で攻めることしか出来ないのが実情だ。

 そこで考えるのが、自分が立つ位置を変えること。多くのスロープには、どちらかのサイドに護岸があるはずだ。そこからスロープエッジに向かってキャストすれば、エッジの下側に沿って回遊しているメッキに出会えるチャンスが増える。点ではなく、線の攻めをするんだ。

 今年のメッキ状況は、今現在は分からない。しかし冷水塊も消えたみたいで、今年の回遊に賭ける期待は強まる。今からメッキの回遊が待ち遠しく、ワクワクしてきている。


港内のスロープにいる居着きを探せ

 シーズン初期に回遊してきたメッキは、その居場所を決める上で、ベイトフィッシュの存在と適度に安定した水温を求める。まだそれほど群れも濃くないので、大量のベイトフィッシュは必要としない。それより、少量でもいいから、常に安定した供給量が重要なのである。そういた意味で、港内の奥に位置するスロープ周辺は、それらの条件を満たしているケースが多いと言えるだろう。

 スロープの上の部分には小さなボラが集まり、時々そこからこぼれ落ちるようにスロープ下へ流れ出す。メッキはそれを知っているから、潮が下げ始めて動き出すタイミングに、一生懸命になって捕食を繰り返す。時には派手なライズを見せながら、アングラーをも興奮させてくれる。


港横のサーフは静かなときの穴場

 あまりにも海の穏やかな日が続くと、港内のベイトフィッシュ達が外へ移動してしまうことがある。そんなときはメッキもエサに困ってしまうので、自分たちも外へ出て行かざるを得ない。ところがそれほど遠征はせず、近場で済ますケースが多い。

 小さな漁港では、そのすぐ隣にサーフが位置している場所が多く、そこに回遊してきている。それにうまく出会えれば、着水と同時のメッキスピリッツを味わうことが出来るかも知れない。水面にプツプツしてるベイトフィッシュが見えたら、すぐにキャストだ。


アップテンポに攻められるタックルを!

 メッキといえば、やっぱりライトタックル。ボクがライトタックルにこだわっているのも、この組み合わせの楽しさに魅力をたっぷりと感じているからだ。だからここで紹介するタックルも、ボクのこだわりのバランスだ。

 ボクが好んで使うのは、渓流でミノーイングするためのウルトラライトクラスのロッドだ。エリア用のトラウトロッドだとさすがに柔らかすぎるけど、自然の渓流で大きく育ったネイティブなトラウトを釣るためのロッドは。軽快さとトルクを持ち合わせている。

 シャープに振り抜けるロッドとは、キビキビとルアーに動きを伝えることができる。それこそが、アップテンポに攻めるメッキに対して、重要な部分なのだ。


スロープはサイドから攻略する

 他の部分でも話したが、スロープの攻略で大切なのは、いかにルアーをメッキに見せていられるかだ。スロープに立ってルアーをキャストしたら、メッキがルアーを延々と追ってこない限り、ヒットさせることは難しい。

 だからこそスロープと平行に、エッジに沿ってルアーを引けるポジションを選ぶ。スロープエッジの裏側なのか、それとも少し離れた位置かを見極めるにも、有効なポジションに立とう。


着水と同時に操作を開始しよう

 この時期のメッキは、みんなも経験しているだろうが、個体数がかなり少ない。シーズン初期の居着きメッキとは、多くの場所で同じ傾向がある。そこで必要性を感じるのが、確実にファーストキャストでヒットさせることだ。

 まだ本格的に活性の高まってないメッキ達は、最初にフッキングミスやバラシをしてしまうと、そのまま反応がなくなってしまいやすい。つまり最初の1投目こそが、その釣り場での運命を左右していると言っても過言ではない。

 着水からのリーリング開始をスムーズに行うため、僕がやっている方法を紹介しよう。まずはキャストしたら、着水直前にベールアームを手で戻す。この時、ロッドを送り込みながら戻すのがコツだ。つまりルアーが着水したときには、ベールを戻した手がそのままリーリングを開始できるのだ。よりスムーズにやれば、リーリング直後のヒットも望める。

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