● 2002/09 回遊メッキはエリアとルートチェックを怠るな! ●

シーズン初期〜中期のメッキは、時として港内を広く回遊する。そうなると移動の足が速かったら、群れを捕まえるのが難しい。そこで重要なキーワードになるのが、回遊ルートと捕食エリアを知ることだ。群れをキャッチできればバッチリさ!

 これからシーズン真っ盛りになるメッキは、狙う時期のタイミングによって、メッキに出会えないこともある。ご存知の通りメッキは回遊性の魚なので、いつでもそこにいてくれるとは限らないのだ。

 ところがギンガメアジでも、例外的に港内に居着いていることがあるのだ。それが過去にも何度か話題にしている、スロープなどのベイトフィッシュが豊富なタイミングでの居着きという状況だ。

 メッキは例に洩れずベイトフィッシュと行動を共にする傾向があるので、ベイトフィッシュが岸から離れて回遊すれば、当然のことながら一緒に動き回っている。満潮で岸沿いにベイトフィッシュがいれば、その付近で釣れる確率は高い。

 ところが干潮や他の理由などで、ベイトフィッシュと一緒に沖へ離れてしまうこともある。その理由は色々あるだろうが、多くはある一定のリズムのようなものを持って、インターバルをあけて回遊しているのだ。その回遊するエリアと、そのコースを知っておけば、よりメッキに出会える確率も高くなる。

 今回お話したいのは、水深のある港内で回遊するメッキの引き出し方と、湾内にある波の静かなサーフでの回遊パターンを狙うという、ごく単純な内容だ。

 ラン&ガンで数回キャストして反応がなければ移動するパターンもいいが、時には回遊の可能性を探ってみるのもいいだろう。移動するべきか、それとも一定時間だけは粘るべきかを、判断するための基準が欲しいのだ。

 メッキは手軽なターゲットと思われているが、実際に簡単に結果を出せるのは、その回遊している群れに出会えたときだ。しかし偶然で出会うのではなく、メッキと待ち合わせるつもりで待ち伏せできれば、釣れた時の喜びも大きいはずだ。

 このパターンの多くは、当たっていれば爆釣を経験できるが、ハズレてしまえば何にも釣れない。しかし単純に移動ばかりを繰り返すと、メッキの移動した直後だけを釣っている可能性だってある。

 エリアの回遊パターンとインターバルを予測して、メッキと出会える確率を高めたい。メッキは釣り方次第で、まだまだ楽しめるんだ!


水深がある港内の回遊ルート

 西伊豆などを釣り歩いていると目につくのが、水深が深くて大きな船が出入りしている港だ。釣船だけでなく、網を引いているような大型船が入るのだから、当然港内の水深も深い。もちろんそれだけ湾も広く、メッキがどこを回遊しているかを探すのも大変だ。しかし、メッキの習性から、居着きのポイントと、回遊して捕食する場所のエリアは見当がつく。

 居着きの個体と異なり、回遊主体の個体は捕食場所に特徴がある。例えばいくら湾内でのポイントといっても、極端な奥には行かず、外海からの潮がぶつける岸壁沿いで捕食する。ところがどこでも広範囲を移動するのではなく、やはり船の陰やブイの周囲といった、ストラクチャーがひとつのキモになっているのである。


湾内サーフの回遊ルート

 これもやはり西伊豆のようなエリアの話だが、奥深く広がる湾の場合には、その中にサーフや砂利浜を見かける。外海からの影響を受けて、徐々に作られたような小さな海岸だ。こういった場所は岸から少し離れると、思いのほか急深だったりもする。

 こういった波の静かな湾内では、小さな砂浜だけがワンドになっているケースが多い。このワンドの入口を結んだ辺りが、ちょうど緩やかなブレイクラインになっている。その狭いエリアに回遊していれば、インターバルを予測して粘る価値があるのだ。


トップ中心に考えたタックル

 基本的にはメッキのタックルだけど、ある程度は遠投できるシステムで望みたい。それは回遊しているメッキの足を止めるためでもある。スロープや足場の低い岸壁用のタックルそのままでは、あとちょっとでルアーが届かないと、悔しい思いをすることもあり得るからなのだ。

 いずれにしても表層だけを回遊しているとは限らず、ルアーをアピールさせて活性を高める必要が生じるケースも多い。そういった場合には、トップを意識して動かし続ける。そのためには遠投が条件に入りながらも、動かし続けて腕が疲れにくいレベルのタックルバランスが欲しい。一般的なアングラーの腕力では、それを考えると6ftがちょうどいいのではないだろうか。


トップウォーターで誘い上げる

 水面下4mくらいまでなら、ボクの実績ではトップで誘い出すことができる。つまりほとんどの漁港では、活性を高めるために、ポッパーが効果を発揮するのだ。

 ペンシルよりは、ポッパーをお薦めしておく。これはロッドを立ててティップを振るわせながら、ゆっくりとリールを巻き続けるのがコツ。ロッドを立てているとポッパーのテールが下がるので、吸い込もうとするバイトにも十分に対応できるからだ。


ジグのシェイキングで広範囲を探る

 長い間メッキを追いかけていると、メタルジグの必要性を感じることが多い。この利用方法は3つあり、そのいずれも他のルアーでは代用しにくい。その3つとは、遠投できること、一気に深いレンジを攻略できること、そして水面を高速で走らせられることだ。どれもメタルジグとして、メッキに対して効果的だ。

 このメタルジグの優位性は、どの方法で使うにしても、他のルアーより広範囲を狙えることだ。移動の足が速いメッキだから、ヤル気モードで回遊しているときなら、どんどんアタックしてきてくれる。

 水面を走らせるときはスキッピングも使えるが、ほとんどの場面でジグは水中にある。そこで喰わせの間を与えながらアピールさせる、シェイキングというテクニックが重要なカギを握っているのだ。リーリング中に一瞬だけ手を止めて、シェイクしたときにジグへバイトさせてやるのだ。

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