● 2002/11 移動するライズはメタルジグで狙い撃つ! ●

メッキはトップで釣れるなら、見る目をも楽しませてくれる。しかし移動の足が速い場合には、もっと効率的に狙いたい。特に水面でライズを繰り返しながら移動する群れの場合は、メタルジグで一気に狙い撃つテクニックが必要になる。

 メッキの活性が高くなった季節には、至る所でベイトフィッシュを追い掛け回すメッキのライズを見かけるようになる。しかし移動の足が速すぎて、それを追いかけることもままならない。

 しかしそんなときに思い出して欲しいのが、小さなメタルジグや細身のスプーンだ。風の影響などを受けにくく、アップテンポにライズを追うことができる。

 そこで問題になるのが、ライズが出る場所だ。毎回ライズの出る場所が分かれば簡単だけど、予測が外れると群れを狙ってキャストすることができない。状況を判断しての、回遊ルート予測が重要だ。

 メタルジグは沈めて使うものと考えているアングラーも多いけど、このようにライズを狙う場合は沈める必要はない。それこそトップと同じように使うこともできる。高速リーリングで水面を走らせると、トップウォーターに出るのと同じようなイメージで、後ろから背中を出して追ってくるのが見えるのだ!

 しかしここ数年は、ボク自身も「凄い!」と感じさせるようなメッキのライズには出会っていない。メッキのアタリ年と言えるような状況でないのはもちろんだけど、ベイトフィッシュの様子も変化してきていないのかと心配もある。

 さて、このメタルジグを使った釣り方だけど、実は見えてないメッキも釣ることができる。カコミの中で紹介しているけれど、ボトムに貼り付いて移動しているメッキだって、ジグの扱い方ひとつで活性を高めてヒットさせることができる。

 時には表層でジグをバシャバシャ動かして、派手にアピールさせることも効果がある。それでも浮いてこないような時には、そのままジグをボトムまで沈めるのだ。ファーストリーリング&シェイクでダメだったら、カコミで紹介している単純なテクニックも試してみよう。

 但しこのテクニックで釣った場合には、ちょっとした注意がある。それはリフト&フォールでバイトさせた時には、小さなジグをスッポリと吸い込んでしまうことだ。

 フックは完全に口の中に入っていることが多いので、バーブレスフックを使ったりして、ダメージを少なくしておきたい。特にリリースするなら、意識しておきたいね。


実績ポイントをチェックしよう

 メッキのライズは、その年によっても出方が違う。まったくライズを見つけられない年もあれば、辺り一面がライズになることもある。おそらくベイトフィッシュの量によって、メッキたちの反応が変わっているのではないかと思う。多い年には港内でも見られるが、少ない年にはサーフの波打ち際で多くライズが見られるケースが多いように感じている。

 とにかくベイトフィッシュの集まる場所は決まっているので、メッキのライズが出るためのパターンはある程度よめるはずだ。実績ポイントでベイトフィッシュの状況をチェックして、メッキが集まってくる場所を予測してみよう。回遊する時間帯やライズを起こすタイミングも、何度かフィールドへ通っていれば分かってくるはずだ。


潮のぶつかっている堤防

 大きく入口の開けた湾内でも、メッキのライズが出やすい場所はある。例えば湾口の正面に位置する、突き出した堤防だ。こういった場所では外海からの潮流が入り込み、その堤防に当たりながら向きを変えたりする。

 そこで潮流の変化が起きるので、わずかにできたタルミ部分などにはベイトフィッシュも集まりやすい。特にマヅメに満潮が重なったような時は、岸寄りに集まったベイトフィッシュは格好のえさになる。それを知っているメッキたちは、ベイトフィッシュを求めて回遊し、そしてライズを繰り返すのだ。


メタルジグは浮きにくいタイプ

 メタルジグを使えば、足の速いメッキの群れだって追いつくことができる。しかしどんなメタルジグでも良いのかというと、必ずしもそうとは言い切れないのだ。メタルジグの形状の違いによって、浮き上がりすぎるものと、水面直下を引いてこれるものがある。状況にマッチしたジグ形状が、ヒットを与えてくれる。

 水面直下ならスリムタイプの後方重心、水面を引きたいのならファットタイプもしくはスリムタイプの前方重心だ。水面を走らせているときは、ジャークするとスキップしてテーリングするので、アクションはあくまでもトゥイッチ程度だ。水面上で抵抗が減っているので、軽くロッドアクションを加えるだけでも、ジグは大きくスライドしてくれる。


ライズは進行方向を見極めよう

 水面で繰り返されるライズは、必ずといって良いほどに進行方向にパターンがある。例えば波打ち際で出始めたライズは、しばらくは横方向へ移動する。その後バラケ始めると、徐々に沖へと移動していく。

 ソウダガツオなどとは違って、ムチャクチャなパターンにはなりにくい。だから進行方向を見極めて、群れの先頭が通過する位置を見計らってキャストするのだ。


深場はリフト&フォールで攻める

 水深のある場所では、たま〜にしかライズの出ないことも多々ある。そんな時のメッキたちは、ほとんどの時間をボトム付近に貼り付いたまま移動している。よほど気になるベイトフィッシュの群れでもいない限り、水面付近へ捕食のために出てくることはないのだ。

 ところがそんな状況でも、確実にボトムのメッキを釣ることはできる。一度でもメッキのライズが見られれば、その周辺のボトムに集まっていると考えられる。それさえ見つけてしまえば、そこをメタルジグで攻略できるのだ。

 その方法は、リフト&フォールだ。メタルジグをボトムまで沈めたら、その周辺で大きくロッドをあおってカーブフォールさせる。そのフォールでアタリを感じ取って、しっかりとフッキングさせるのだ。ライズが見えなくても、周囲より水深のある場所が分かれば、ちょっとチェックしておこう。

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