● 2002/12 トゥイッチでタイミングをとりフッキング! ●

今年はメッキのアタリ年なので、狙うアングラーは少ないかも知れない。でもダツは手軽に楽しめて、フッキングの難しさを考えさせられるターゲットだ。うまくフッキングできれば、ミニカジキのようなジャンプを楽しめるぞ!

 秋のライトルアー代表格はメッキだけど、実は密かに楽しめるターゲットがいる。それが今回紹介するダツだ。ひと口にダツと言っても、実際に関東近辺で釣れるのは、本来のダツの他に、オキザヨリと呼ばれる種類がいる。伊豆半島では、このオキザヨリの方が多いようだ。

 ちょっと見ただけでは区別がつきにくいけど、どちらも同じような食性やアタックの仕方をしてくる。だからルアーターゲットとしては、それほど特別な違いを考えなくてもいいだろう。サイズはダツの方が、ワリと大型の釣れるチャンスが多いようで、オキザヨリは40cm程度が伊豆半島の平均サイズだ。

 とても歯が鋭い魚なのだけど、カマスほどはラインブレイクの頻度が少ないような気がする。後方からルアーを追って食いつくので、カマスのようにラインに直接触れて切れてしまうケースは少ない。それだけにフッキングに神経を集中したい。

 このダツという魚は、とにかく口が硬い。だからライトロッドでフッキングをさせるために、かなりのコツがいる。シーバス狙いのゲストでヒットする時は、硬めのロッドなので容易だ。掛けてからのバラシに注意すればいい。しかしライトロッドでは、とにかくフッキングさせることが最大の難関なのだ。

 このフッキングを何とかすることが、ダツをキャッチするための最大の面白さであるといえる。そしてフッキングさせてからは、直後に水面を割って飛び出してくる派手なジャンプだ。さながらミニカジキを思わせてくれ、ボクの好きなファイターに挙げられる。

 とにかくベイトフィッシュの多い場所に現れて、片っ端から捕食をしていこうとする。それほどに活性の高い条件では、ベイトフィッシュが「バッ!」と激しく飛び散るので、ポイントを見つけるのにはこと欠かないはずだ。

 着水と同時のアタリもあるので、ラインは張り気味のままでルアーを着水させるのもコツだ。スローよりもアップテンポに攻め、リズム感を持って攻めてみよう。
 基本は速めのリーリングとトゥイッチだ。1尾釣ったら、コーティングの弱いルアーだったら、あっさりとボロボロにされてしまう。高価なルアーは、もったいないかも。


潮通しのいいポイント

 ダツの代表的なポイントは、何といっても潮通しの良さが挙げられる。ボクがお気に入りのフィールドは、何といっても磯場だ。関東では真鶴半島の先端にある三ツ石が有名で、磯際にたくさん集まる小ボラを追い求めて、小さな入り江にまで入り込んでくる。時々飛び散るベイトフィッシュを見かけたら、沖にキャストしてその中を引いてみよう。

 今までの経験だが、こういった岬の磯場では、かならず左右のどちらかに集中して集まっている。特に右から左、もしくは左から右といった、岬を横切る風で顕著に表われる。傾向としては、かならず風のぶつけている方向で、わずかでも波ッ気がある方が魚影が濃い。これは風でベイトフィッシュが磯際に寄せられているのが原因だと思う。


流れ出しのポイント

 ダツよりもオキザヨリの多く集まるのが、排水口や流れ込み周辺の釣り場だ。ボクの知る限り、ダツの方がキレイな水を好み、オキザヨリは排水などの周辺にも平気で集まるように感じている。相模湾の海岸線では、波口にダツが多いようだ。

 流れ込みなどでは特にベイトフィッシュが多く、楽に捕食もできるはずだ。そんな理由から、こういったエリアでは群れで接岸しているケースが多い。フッキングに失敗したとしても、続けてキャストすれば近くにいる他の個体がアタックしてくる。


ティップアクションのロッド

 ダツを狙っていて一番苦労するのが、フッキングさせること。口の硬い魚なので、歯の近くにはなかなかフッキングできない。そうかといって柔らかい口の横方向へフッキングさせてしまうと、ファイトしている最中にラインが口の先端に触れてしまう。その際にラインは歯に触れてしまうため、その瞬間にラインブレイクする。

 こういったことを考慮すると、できるだけ遅れ気味で喰わせながらも、うまくタイミングを合わせたい。そのために重要なのは、ロッドの選定だ。柔らかすぎて胴から曲がると、フッキングのタイミングが遅れてしまう。短いストロークで確実にフックを貫通させたいので、ロッドはティップアクションを選び、ちょっと硬めの方がゲームを有利に展開できる。


フックはいつも鋭く!

 何度も言うようだが、マイクロサイズのルアーを使うと、フックは必ず歯の周辺の硬い場所へ刺さろうとする。つまり針先が甘くなっていると、いくら強くあわせてもうまく貫通しない。しかもキズがあれば、ラインは切れやすいのだ。

 少しでも有利にフッキングさせるため、フックは細軸のものを選んで使おう。そして常に針先が鋭くなるように、研ぐことを忘れないようにしたい。


トゥイッチでフッキング

 ダツは捕食モードに突入していると、見境なくルアーにどんどんアタックしてくる。スローリーリングでもファーストリーリングでも、ゴツンとアタリが来てもフッキングしないのは、多くがダツだと思ってもいいだろう。

 このアタリを感じるようであれば、当然アングラーはアワセを試みるだろう。リーリングしながら時々トゥイッチをしてみたりすると、そのアタリは数多く出るはずだ。しかしそこでアワセたとしても、思ったほど容易にはフッキングしてくれない。口の硬さとダツの軽さで、フックが貫通しにくいのだ。

 そこで試してもらいたいのが、連続トゥイッチで激しく動かし続ける方法だ。適度なスピードでミノーにトゥイッチを加え続ければ、バイトと鋭いトゥイッチのタイミングがマッチすれば、うまい具合にロッドの曲がりも有効に使える。ダツの重みも加わって、意外なほどすんなりとフッキングするのだ。

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