● 2003/01 テトラ際と海藻に潜む大型を狙う ● |
秋も終わりが近づき、海は徐々に冬の装いを始める。寒い地域を中心に、クロソイがホットなバイトを楽しませてくれる季節の到来だ。小型の目立っている昨今だが、少しでも大型の釣れるエリアを認識して、積極的に攻めてみたいものだ。 |
最近ではすっかり定着した雰囲気の根魚釣り。その中でも、寒い地域を中心に盛り上がっているクロソイは、比較的手軽に釣れる大物根魚釣りとして、ルアーアングラーには強い支持を受けている。 関東を中心としているアングラーにとっては、東北方面での釣行はなかなか遠征として難しいだろう。しかし同じ関東のエリア内でも、銚子より北の常磐方面で、十分すぎるほどの釣果を望むことができる。 サイズは20〜30cm級が中心となるものの、春先には河川内で40cm級の大型がヒットすることも珍しくはない。特に大洗周辺では、クロダイのコマセに集まったベイトフィシュを求めて、夕マヅメ以降に大型が入れ食いになることもあるほど。そんな場面に遭遇できたら、凄く興奮しちゃうだろうね。 さて、今回のテーマとしては、より大型を狙うためにはどうしたら良いかだ。ただ漠然とクロソイの釣れるポイントで釣っていたのでは、思ったほどのサイズアップは望めないだろう。 特にメジャーなフィールドでは、自分よりも先に他のアングラーが攻めていた可能性もある。竿抜けの穴場を見つける手もあるが、現実にはかなり難しいことだと思う。そこでお薦めしたいのは、今回のテーマとなっているテトラ際や海藻のエッジに潜んでいる大型を引きずり出す方法だ。 多くのアングラーの手をかいくぐって大きく育った大型クロソイは、ちょっとやそっとじゃ釣られてくれない。そこでより大型の潜んでいそうなポイントを探して、より魅力的な誘いをしてみることが、メジャーポイントでの大型ヒットへの近道となる。 夜といえども、大型クロソイは自由に泳ぎ回らない。ストラクチャーの中へ潜んでいて、近くをエサが通過するときに捕食するのだ。マヅメ時に船道を通って入り込んでくるクロソイを狙い撃ちするよりも、静かになった海で探ってみるのもノンビリできて良いだろう。 クロソイは意外な場所に居着いているケースが多いので、「こんな場所で?」と思うような場所でも、考える前にまずはキャストしよう。ルアーが海中になければ、小型さえもヒットしないのだから。 テトラ際のポイント 大型のクロソイは、夕マヅメに港の外から港内へ入り込んでくると言われている。ボク自身は目で見たことはないけれど、マヅメに船道のチャネルを狙っていると、予想もしない大型がヒットするケースは多い。ところがこのチャンスタイムが短いため、それを逃すとまったく釣れなくなる。だからこそ、港内側の居着いてくれるポイントを狙いたい。 その代表的なポイントとして挙げられるのが、港口周辺にあるテトラの際だ。時にはテトラの中に潜んでいることもあり、真下を狙う穴釣りで大型が連発することもあるほどだ。夜遅い時間帯なら、こういった場所を探ってみるのが面白い。港の奥にあるテトラ帯は、潮が直接あたっている場所だけが対象になるようだ。 藻際を忘れずに! テトラ際と並んで有望なのが、藻際の中に潜んでいるクロソイを狙う方法だ。海藻の生え際付近には、そこに身を潜めている大型のクロソイがいるはずだ。テトラ際に海藻帯があるならば、これに増す条件は少ないだろう。 それと夕マヅメに港外から入り込んでくるクロソイの通り道であるチャネルが近くにあれば、その海藻帯にクロソイが入り込んでいる可能性も高い。周囲の状況をチェックして、シチュエーションからポイントを絞り込んでみよう。 バットの強いタックル クロソイをヒットさせると分かるだろうが、大型になるほど下へ突っ込んで根の方向へ逃げようとする。ある程度浮かせてしまえば安心なんだけど、テトラの際や藻際を狙うのだから、根に巻かれたりテトラに擦れてのラインブレイクに注意したい。より積極的に魚をコントロールする必要があるのだ。 そのために重要なのが、強い引き込みにも耐えられる、バット部分のしっかりしたロッド選びだ。しかし吸い込むようなアタリも確実にキャッチしたいので、カワハギ竿のように繊細なティップを持っていると更にいい。牡蠣ガラの少ない場所なら、ナイロンラインの直結で捕食させやすくしよう。 ボトムから浮かせてリーリング クロソイ狙いのセオリーは、ボトムよりも少し浮かせた位置でのリーリングだ。クロソイはボトムに密着しているより、少しばかり浮いているエサに対して反応が良い。だから根魚にありがちなボトムのズル引きよりは、少し上を意識してのスローリーリングが基本となる。リーリングでルアーが浮き過ぎないように、時々ボトムを確認し直すことも重要だ。 フォール中のアクション クロソイ攻略のテクニックは、レンジを意識したリーリングだけではない。むしろキャスト直後のフォーリングの段階で、クロソイとの駆け引きはすでに始まっているのだ。フォール中の着底まではいい加減にされがちだが、クロソイも例に漏れず根魚と同様の特徴を持っている。それは上から落ちてくるものに対して、抜群の反応を示すことだ。 そこでお薦めしたいのが、カーブフォールのテクニックだ。完全なカーブフォールにするとルアーが手前に沈んでしまうため、正確なポイントへのプレゼンテーションが難しい。だから張らず緩めず程度でラインをコントロールして、わずかにスイミングするくらいにフォールする。このフォールの最中に、時々小さくトゥイッチさせることで、クロソイに対してアピールさせる。 |