● 2003/04 ヘチのリフト&フォールで吸い込ませる ● |
他の魚を狙っていて釣れてくるとガックリするかも知れないけど、専門に狙ってみると難しさに気づくはずだ。いかにして口元にフッキングさせるかが、キモなのである。 |
寒い冬になると、こいつにはまってしまったアングラーが活動を始める。あんまり相手にされないターゲットと思われているけれど、真剣に狙うとなかなか難しい。ゲストで釣れてくるときはあっさりヒットするけど、その口元へしっかりフッキングさせるのが難しいのだ。 ルアーで狙うドンコは、基本的にヘチのボトムを狙う。時には少しくらいは浮いてきて捕食するけれど、ボトムだけを狙うつもりでいればいいだろう。普段はうるさいほどに釣れるドンコといえど、専門に探るとなかなか見つけられないことに気づくかも知れない。 関東では、常磐方面にポイントが多い。東北方面では、大型混じりで数釣りもできるようだ。それ以外のエリアでも釣れるようなので、皆さんの地元で楽しめる場所を探してみよう。 この釣りの魅力は、アタリがあってもなかなかフッキングさせられないところだ。明らかにルアーを捕食しているのに、アワセても空振りすることが多い。その多くの理由は、ボク自身も水の中で見てないから分からない。 しかし、実際に何度も釣ってみて分かったことがある。それは口の中にフックがあるとき強引にアワセても、口からフックが刺さらずに出てきてしまいやすいということ。このフッキング率を高くするためには、聞きアワセのようにスムーズなアワセをすることだ。カワハギの聞きアワセといえば、分かってもらえるだろうか。 ところがこのタイミングを取るのが難しいし、吸い込ませることも難しい。適度なテンションを加えたまま、吸い込んだ状態からフックを口元まで引き出してフッキングさせるイメージが重要だ。それさえマスターしてしまえば、それなりの釣果を出すことができる。 しかし口の中にまったく吸い込んでくれず、口先で突っついているだけのようなアタリもある。こうなってくると、それをいかにして吸い込ませるかが課題であり、それをクリアしないとフッキングしない。 これらを頭に思い浮かべながら、ドンコの気持ちになって色々と試してみよう。いかに小さな力でフッキングさせるかも重要なので、針先のチェックも忘れずに! ヘチをしらみつぶしに探る ボクの好きなエリアは常磐方面の漁港だけど、それ以外にも有名なフィールドはたくさんある。漁港でも工業港でも基本は同じで、テトラ帯などの危険な場所ではなく、岸壁や堤防のヘチのような手軽に狙える場所を攻めるのがいいだろう。あまり潮の動きが速い場所では釣りにくいので、仮にいたとしても個人的にはパスしちゃう。 とにかくこの釣りで重要なのは、ドンコの反応がある場所を短時間で見つけ出すことだ。不思議とその日に釣れる場所は、ボクの経験だとピンポイントであることが多い。1尾釣れると、少し時間をあければ再びそこで釣れるのだ。どうも居着きというよりも、数尾でヘチに沿って回遊しているのではないかと思う。 砂泥底を狙う ヘチを探り続けても、そこにドンコがいないケースは多い。ドンコが好んで棲息する場所は、砂泥底や泥底の場所だ。もちろんヘチだけが砂泥底でもダメで、その周辺が似たような海底状態であることが望ましい。 この釣りの大切なことは、いかにドンコの多い場所で釣るか、そして狙われてない場所であるかだ。アングラーのプレッシャーが高いほど、ドンコの反応は渋くなる。魚影が濃くて渋いのなら面白いけれど、薄かったら意味合いが違う。 スプリットショットリグで吸い込ませる 何度も紹介しているけれど、ドンコで必要なテクニックは吸い込ませること。ワームを使うのなら、それを確実に口の中へ入れさせなければならない。しかし吸い込ませるためのテクニックもあるけれど、リグを理想に近づけることも必要だ。扱いやすいリグがあってこそ、そのテクニックも生きる。 ボクのオススメは、スプリットショットリグだ。一般的にソルトで使われているのはショートスプリットリグだけど、ちょっと長めの数センチにした方が、より吸い込ませやすくなるようだ。但し、長すぎるとアタリを取りにくくなる。ボクの使っているショートスプリットリグは、ショットとフックの間隔を、およそ2〜3cmにしてセットしている。 ラインのキズチェック 意外に思われるかも知れないが、ドンコの歯は予想以上に鋭いのだ。小さくザラザラと並んだその小さな歯は、ワームを吸い込んだときにラインをザラザラに傷つけてしまう。その状態で口の奥にフッキングさせてしまったら、取り込むまでの間にラインブレイクすることがある。もちろんフッキングを勢い良くやってしまったら、口元でブレイクすることもあるのだ。だからこまめにラインのキズチェックをやっておこう。 口から引き出しながらフッキング 他のカコミでも紹介しているが、ドンコの口には小さな歯がザラザラと並んでいる。ワームを呑み込まれてしまったら、その歯で細いラインはブレイクしてしまう。だからこそ口の奥深くにフッキングさせてはならない。 しかしそこに矛盾が生じる。吸い込ませなければフッキングさせにくいのに、そのままフッキングさせられない。そんなだからこそ、いかにして口元にフッキングさせるかが重要なテクニックになるのだ。奥にハリを刺さないように、うまく引き出して口元に掛けるようにする。 スピードをつけて電撃フッキングすると、すっぽ抜けるか口の奥深くに刺さってしまう。これを避けるためには、スローな動作で聞き合わせのようにアワセを入れる。集中すると口から出てくる感覚が分かるので、それを感じた瞬間にスッとロッドを立てるようにしてみよう。 |