● 2003/05 潮が下げたら沖の沈み根を狙おう ●

満潮のタイミングは岸近くで手軽に狙えるメバルも、潮が下げたら沖の方に離れてしまうことがある。釣行タイミングと潮が合わなかったとしても、沖の根周りを狙えば好釣果に恵まれる可能性はある。ポイント全体を、じっくり探ってみよう。

 冬から春にかけてのメバルは、寒い季節を乗り切るため、アングラーにとっては大切なターゲットだ。夜の港を中心に、全国各地でメバル大好きアングラーたちは楽しんでいることだろう。

 しかしいつでもどこでも簡単に釣れるという訳ではなく、それまで釣れていたポイントでも、突然パッタリと反応の無くなるケースも少なくないのが実情だ。

 その理由のひとつには、潮の干満によるポイントの移動が挙げられるようだ。満潮時には岸壁沿いに貼りついている個体も、潮が下げると徐々に岸から離れる傾向の場所が多いようだ。特に水深の浅い場所ではそれが多く、全くアタリのなくなる場所もあるようだ。

 こんな時には潮が下げたからと諦めて帰ってしまったり、他のポイントへ移動する人が多いようだ。ところがその場所でも、ちょっとポイントの選び方を変えるだけで、パラダイスとも思えるような体験をすることもある。

 それが岸から離れた沖の根周りであり、そして沖に浮いているブイ(ロープ)などが挙げられる。これらは潮の下げたポイントにおいて、メバルたちが手軽に居着きやすい場所であるのだ。しかも満潮時に接岸してこなかった大型メバルも、そういった場所に潜んでいるケースが多いことも頭に入れておきたい。

 ボクの自宅から30分程度で行ける港でも、このようなケースがたくさんあった。普段は岸壁沿いのメバルを小型中心に釣って、20cmオーバーが混じれば喜べたもの。ところがあるとき、沖の根周りを干潮時に攻めてみたところ、20cmオーバーが当たり前の釣果を出せるようになったこともある。つまりそれまでは岸近くに寄っていなかったメバルも、ポイントの選定を変えただけで、かなりの大釣りができるようになったというわけだ。

 それまでの当たり前のことを、ちょっとだけ視点を変えて試してみると、それまで見えていなかった部分を知ることができる。こういった考えを忘れずに、まずは干潮時の岸から離れたポイントを狙ってみてはどうだろうか。但し、満潮時に同じポイントを狙っても、確実に釣れる保障のないこともボクの実績として付け加えておこう。


沖の沈み根を狙う

 本文でも話に触れているけれど、満潮時に岸近くに潜んでいるメバルたちも、潮が下げてしまうとそこから姿を消してしまう場所が多いようだ。活性の高い個体ほど、より積極的に岸に近い浅場で捕食を繰り返す。ところが場所によっては、潮が下げると水深が浅くなりすぎて、そこに魚たちはいられなくなってしまうのだ。

 沖の沈み根を狙うというのは、そういった面で理にかなっている。シャローではカケ上がりの裏側にポイントが移動するけれど、岸壁などでは岸から離れた場所の沈み根などに移動する傾向があるようだ。こういったポイントを普段から探しておけば、岸近くで反応がないときの攻略レパートリーに困ることはないだろう。


港内のブイも狙える

 潮が下げてから狙えるポイントは、なにも沖の沈み根だけではない。港内でも係留してある船の間には、ブイなどがたくさん浮かんでいる。これらのブイはボトムからロープが立ち上がっており、このロープやブイにメバルが寄り添っている。

 もし沈み根のないような場所であったら、こういった岸から離れた場所にあるストラクチャーを中心に狙ってみたい。しかし港は漁師さんたちの仕事場なので、できることならルアーを引っ掛けてしまうような場所は避けておきたい。


ポイントから引き離せるタックル

 潮が下げたことによってそこに集まっているメバルは、1ヶ所に寄り添っている。つまりそのポイントでメバルをヒットさせたら、いつまでもその場所でファイトしていたら、次のメバルを釣ることに影響してしまう。従ってヒットさせたら、すぐにポイントから引き離すことが重要となる。フッキングしたメバルがその場で暴れていたら、当然他のメバルも気にしてしまう。

 だからこそ楽しむだけのタックルでは、同じポイントで数を釣ることに向いてない。適度に食い込ませるタックルも重要だけれど、ヒットさせたら一気に引き離せるだけの適度なバットパワーも、こういったポイントを攻めるときには重要だ。ポイントによって、タックル選定をする意味を頭に入れておこう。


なるべくポイント上層にルアーを通す

 水深が浅くなっても、捕食意識を持っているメバルが上を向いているのは同じだ。しかも根のある場所では、ルアーを潜らせすぎると根掛かりしてしまいやすい。そういったポイントを狙うときに、ルアーを潜らせすぎることは不利になる。だからこそルアーを引いてくるレンジには気を使い、なるべく上層を通すことが重要なのだ。上に意識の向いているメバルは、自分の上にあるルアーに反応すると信じよう。


時にはダウンショットリグも・・・

 沖にある根がそれほど険しくなければ、ダウンショットリグも有効に利用することができる。例えばポイントが外海に面しているなどでかなり遠い場合、通常のジグヘッドリグやミノーでは届かないことが予想される。そんな場面に遭遇したら、ショットを重くしたダウンショットリグが有利なのだ。

 しかもボトムからのワームの位置を決め込むことができ、ラインの角度によってポイントをより正確に攻めることが可能となるのだ。根の際などにショットを止めておき、その場でシェイクなどを駆使して誘いたい。ショットからワームの距離は、思っているよりも長めの方が扱いやすいようだ。

 使うワームは、アピール重視で3インチ程度のストレート系が扱いやすいと思う。ユラユラと漂わせて、メバルが吸い込みやすい状況を作り出した方がフッキングの良さを感じる。時には枝バリ方式のリグも、効果を発揮することがある。

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