● 2003/06 アナハゼはミノーで集めてから釣る ●

やっぱり登場したかぁ・・・って思っている人もいるだろうね。ボクはこのアナハゼって魚が、ルアーの立派なターゲットだと思っている。何度もルアーに追いすがってくる姿を見ると、不思議とほのぼのしながらも夢中にさせられるんだ。

 暖かくなってくると、ボクは毎年アナハゼを楽しみにしている。最近では楽しさを体で感じて、この季節になると専門に狙うアングラーも多くなってきているらしい。秋のメッキシーズンにも楽しめるけれど、春のアナハゼは群れを見つければ爆釣が待っている。

 しかしここ数年、理由は分からないけれど数は減っているような気がしている。これが水質汚染や水温の高さが影響しているのか、事実はよく分かっていない。しかし乱獲?による減少はないと思う。持ち帰って食べているって話は、今のところ聞いたことはないなぁ。

 以前は春になると沼津の木負湾内で、ゴロタや手漕ぎボートで楽しんだりしたものだ。西伊豆の戸田湾もアナハゼが多く、御浜崎の石積みなどでも姿が見られた。それ以外にも各漁港のヘチや係留してある船のロープの上など、至る所で見かけたものだった。

 しかし少なくなったとはいえ、ゴロタの岩陰などには、それなりに散らばって棲息している。これらを探って釣るのは、思った以上に難しいようだ。散っているだけに、サイトフィッシングで釣ることが難しく、不意をつかれるようなヒットで寂しさすら感じることもある。

 アナハゼの楽しさは、やっぱり何度もルアーを追いかけて、フッキングするまでは諦めずに相手をしてくれる姿を見れることだと思う。そのためには、確実に自分の目の前にアナハゼのいる場所で釣りたい。

 今回ボクがオススメしたいのは、この散らばっているアナハゼを、結果として釣れたのではなく、サイトフィッシングで楽しもうということなんだ。どこにいるか分からないんだったら、見える場所まで集めてから狙おうってわけ。

 釣れないからってワームで最初から狙っちゃったら、ヒットしても感激は薄れちゃう。だから多少ヒット率は下がったとしても、ミノーを使って広範囲を探ってみたい。このときにフックを外しても構わないと思うよ。

 周りからどんどん集まってくるはずのアナハゼに期待して、テクニックを駆使して見える範囲に寄せてみたい。湾内の浅いゴロタ場だったら、それも可能なはずだ。集まってきたら、ちゃんと狙ってみよう。


内湾のゴロタを探ろう

 アナハゼの集まりやすい場所は、何と言っても内湾の波の静かなゴロタ場だろう。水深が浅くて、小さな石がゴロゴロしているような場所で、岸からちょっと離れると深くなっているような場所であればいい。そんな場所を見つけてアナハゼの実績が高い場所なら、春はアナハゼと出会えるチャンスの多い場所である可能性が高い。

 海底は砂底だとよくないけど、泥の混じったいわゆる砂泥底ならチャンスだ。そういった場所では、転がっている石の陰などにアナハゼが潜んでいることが多い。波の影響が少ない場所であれば、こういったエリアでは足元にまでアナハゼが寄っている。周辺の様子を見渡しながら、じっくりと静かに探ってみたい。


ヘチやロープにも居着く

 アナハゼの集まる場所は、内湾のゴロタばかりじゃない。それ以外にも漁港の岸壁や、係留してある船のロープの上に乗っかっているなど、なかなか面白い行動を見せてくれる。ヘチでは側面に貼り付くというのではなく、わずかな突起の上に乗っかっていることが多いようだ。ロープに関しても同じで、ロープの結び目や海藻の引っ掛かった場所みたいに、面積の広くなった部分に乗っているのを多く見かける。こういった場所をチェックしていけば、飽きずにアナハゼを楽しめそうだ。


手軽なタックルでOK

 アナハゼだからといって、当然かもしれないけれど特別なタックルは必要ない。普段はメッキやメバルなどに使っているライトなタックルが、そのままアナハゼにも使える。ミノーやワームを使ったジグヘッドリグ、スプリットショットリグといった、ほとんどのリグに対応できるはずだ。

 ボクがオススメしたいのは、何と言ってもルアーローテーションだ。とにかくミノーを使って、近くのアナハゼをサイトフィッシングが楽しめるエリアに集めちゃおう。最初はミノーでそのまま楽しんで、反応が渋くなってきたらジグヘッドリグなどのワームで対応する。それ以降はワームのサイズを小さくしたり、カラーローテーションなどでチャレンジしてみよう。


ミノーで集めよう

 何度も話すけど、せっかくのアナハゼ狙いだから、できるだけ目の前で楽しい反応を見ておきたい。そのためにもフローティングミノーを使ったトゥイッチングで、周辺のアナハゼたちの興味をひきつけよう。ミノーのイレギュラーなアクションに興味を持ったアナハゼたちは、ルアーにアタックしないまでも集まってくるはずだ。目の前に集まってきたアナハゼを、じっくりサイトフィッシングで楽しめば面白いはずだ。


サイトで楽しもう

 アナハゼのルアーフィッシングで一番の魅力は?と聞かれたとしたら、ボクは間違いなくサイトフィッシングでのアナハゼのルアーに対する反応だと答えるだろう。それほどにルアーへ活発な反応をしてくれるし、ボクたちアングラーの期待を裏切ることは少ないはずだ。

 このサイトフィッシングを楽しむためには、何度も話しているように、目の前にアナハゼがいなければならない。岸壁やロープといったストラクチャーを、まずは丹念に探してみよう。アナハゼは何かが近くを通れば大抵は反応してくる。だからルアーをめったやたらと引きながら、その周辺で動くモノを探し出す。

 もし反応したアナハゼがルアーにアタックしなくても、すぐにもとの場所へ戻っていくはずだ。それを見つけたら、再び今度はヒットさせるつもりでルアーを操作してみよう。自分の意に反する動きや戸惑いを見せながらも、ルアーに反応する様はかなり楽しめるはずだ。

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