● 2003/08 ワームを浮かせてアピールさせる ● |
ボクが沼津のルアーフィッシングにはまっていたころ、波の静かな内湾でワニゴチと出会った。今でも時々狙うと、元気な姿を見せてくれる。広範囲に棲息しているので、実績場所だけでなく探ってみると、思いがけない場所で出会えるかも。 |
ボクたちが一般にワニゴチと呼んでいる魚は、どうやら正式にはトガゲゴチらしい。だけどワニゴチの名称がアングラーに知られているようなので、ここではあえて総称してワニゴチと呼んでおきたい。 さて、この魚はマゴチを狙っていると混じったり、砂泥底の根周りでカサゴを探っていても釣れてくることがある。専門に狙っている人は少ないかも知れないけれど、ワニゴチを釣った経験のあるアングラーは、決して少なくないはず。 ボクは沼津の内湾でカサゴを狙い続けていた頃、このワニゴチと出会うことができた。その当時はかなり数も多かったので、じっくりと釣れるポイントで釣り方を確立することができたと思う。 最近も伊豆半島の帰りに、何ケ所かの実績ポイントを探ってみることがあり、運良く型を見ることができている。さすがに近距離のポイントは場荒れしているのか、ちょっとばかり遠投タックルが主体となっている違いはあるけどね・・・。 水深がそれほど深くない場所を狙っているので、時にはシンキングミノーで釣ることもある。だけどほとんどの場合が、ワームを使ったリグに頼っているのが実情だ。その中でも、最も信頼して結果を出しているのが、スプリットショットリグ。 しかし前記のように遠投の必要な場所では、このショットをかなりヘビーなものにしている。アタリの出方こそ気難しいが、それでも独特のついばむようなアタリから、吸い込ませて駆け引きでフッキングに持ち込む面白さは変わらない。 何年か前にある護岸から遠投で広範囲を探ってみた時、決まったエリア(砂利と砂泥の境)にくると毎回アタリの出ることがあった。近場や他のポジションでは反応が無かったのに、そこだけでは確実にアタリの続いたことがあった。 しばらくやってなかったので、最初の何回かはうまくフッキングできなかったけど、すぐに勘を取り戻して、ひさびさのワニゴチに出会うことができた。スムーズにワームを吸い込むような魚ではないので、テンションを張ったり緩めたりしながらの駆け引きが、この釣りの最も面白い部分だろう。未経験のアングラーの皆さんには、是非とも体験していただきたいターゲットだ。 波の静かなエリアを探る 陸っぱりのワニゴチで最も重要なのは、釣りやすいポイントを見つけ出すことだ。独特の捕食をするため、潮の動きが良すぎると、アタリを感じ取りにくい。時にはラインテンションがかかりすぎて、せっかくアタリがあったとしても、すぐに放してしまう可能性もある。従って波の静かな内湾で、それほど深くないエリアが釣りやすいということになる。 水深としては、1〜3mくらいまでが狙いやすい。PEタックルを使えばもっと深い水深も狙えるけど、ボクの経験だとPEでは伸びが少ない分だけ掛け損ないが多いように感じている。そのためナイロンを中心に使うので、これくらいの水深を選びたい。海底は砂泥質で、所々に小さな根が点在していると魚影が濃いように感じている。 ゴロタは砂泥底を見つけよう ゴロタ磯と聞くと、海底は岩がしき詰まっていると思われがちだろう。ところがゴロタ磯でも、海底は砂泥底の場所がある。岸がゴロタ磯で、ちょっと沖は砂泥底がいい。そして根が点在している場所こそが、確率の高そうなエリアだ。岸がゴロタ磯だと敬遠しがちだけど、現実には海底までが全て岩場だとは限らない。ちょっとでも可能性のありそうな場所だったら、念のため海底の状態をチェックしておきたい。ショットだけを使って海底を探れば、底質のチェックも気楽にできるだろう。 アタリを感じ取れるタックル 今回紹介しているのは、ワームを使ったリグだ。ワニゴチという魚は、必ずしもボトムに貼り付いたエサだけを捕食しているのではない。その証拠に、海底から50cmほどのレンジを泳がせているミノーにも反応してくる。しかしそれ以上の上層では、まったく無視していると思われる。 基本的にはスプリットショットリグを使って、違和感無く吸い込ませるのが上手な釣り方だ。だからロッドとしては、バスタックルで言うスプリットショット用のロッドが扱いやすい。つまりティップアクションで、ティップの感度だけでアタリを感じる。しかも高感度だと放しやすいので、できれば低弾性の素材がフッキングへと持ち込みやすいはずだ。 送り込んでアワセよう なかなか吸い込んでくれないケースが多いので、アタリを感じてもすぐにアワセない。確実にフックまでを口の中へ入れてからアワセたいので、ラインテンションを張ったり緩めたりしながらやり取りをしたい。張らず緩めずの状態でワニゴチと駆け引きしながら、上手にワームを口の中まで送り込んでやろう。何度かのやり取りで一気に吸い込むような手応えを感じたら、そこで大きくロッドを引き寄せるようにアワセよう。 ワームを浮かせて誘う タックルのカコミで紹介したけれど、基本的にはワームを浮かせて誘いたい。ワニゴチの目は上に付いているので、顔の前を引きずられていくワームよりも、目の上でユラユラと漂っているワームに興味を持つようだ。だからシンプルなジグヘッドリグよりは、ワームを浮かすことのできるスプリットショットリグが有利になるのだ。15〜30cmくらいショットとワームとの距離を離すことで、ボトムから浮かせる距離を決めたい。 しかしワームを浮かせるからといって、どんどんズル引きを繰り返していてはダメだ。引きすぎるとその抵抗でショット以降のラインは下がってしまい、結果としてワームが海底を引くことにもなってしまう。だからあくまでも浮かせてアピールさせるための操作を意識して、シェイクとズル引きによる移動を繰りかえすような動きを演出しよう。これによってワニゴチは浮き上がって捕食するので、アワセのタイミングも取りやすくなる。 |