● 2003/10 コトヒキはスロープの上でヒットさせよう ●

夏の終わり頃からメッキを狙っていると姿を見せる、コトヒキの姿を見た経験はないだろうか。特にスロープを攻めていると、小さなヤツが群れで元気良くルアーを追いかけてくる。フッキングが難しいけれど、これがまた楽しいんだなぁ〜。

 秋のメッキを楽しんでいると、スロープや川の流れ込みなどで、たくさんのコトヒキと遭遇するチャンスがある。地域差はあるものの、10cmもあれば十分釣りの対象にすることができるはずだ。だけど思いのほかフッキングまで持ち込むのが難しくて、やたら興奮させられる自分に気が付くんじゃないだろうか。

 ボクが好んで出掛ける伊豆や房総では、このコトヒキの魚影がすこぶる濃いことがある。メッキがいればそれを追いかけるんだけど、ちょっとでもコトヒキの群れが見えようものなら、次のフィールドへ移動する前に楽しんじゃう。

 このコトヒキも、以前は伊豆などの場合は、小河川の流れ込みを狙う機会が多かった。だけど房総へ通うようになってからは、港内奥に位置したスロープ、しかも外海に面した漁港ほど、活性の高いコトヒキの群れに遭遇することの多さが気になり始めた。

 それからは小河川の流れ込みよりも、スロープのコトヒキを好むようになった。しかもスロープのコトヒキは、追ってくるだけの状況と、誘い方によってはかなりの高確率でバイトまで持ち込むことができると自信を持てるようになった。それが今回紹介している、スロープの上でヒットさせるという考え方なんだ。

 これでパターンができてくると、近所の真鶴あたりのスロープでも、同様の攻略法が通用することを知って、積極的に試してみるようになってきた。今のところそれ以外の地域では試してないんだけれど、色々なエリアで皆さんがチャレンジする時の参考になればと思っている。

 今回ここで使っている写真は、房総メッキロードに通いつめていた頃のものだ。ちょうどこの時期に外海からの濁りが入っていて、港内のメッキは単発の行動になっていた。ところが港奥のスロープだけは、なぜか潮が極端に澄み切っていた。この澄んだ潮の中に、たくさんのコトヒキが集まっていたんだ。

 この年は同様の条件を持ったシチュエーションの漁港を回り、メッキならぬコトヒキロードを堪能することができたんだ。数週間通った房総だったけど、毎回これが通用したのもいい経験になった。毎回変化する海なんだけど、いくつかの状況を煮詰める参考のロードだった。


スロープ攻略がキモ!

 コトヒキを狙って一番釣りやすいと感じているのが、本文でも紹介しているスロープだ。水深のある場所よりも、スロープのように浅くなっている場所に、小型コトヒキの群れは集まる傾向があるようだ。10〜15cmほどの小型が主体だけど、ライトルアーの相手をしてもらうのなら十分。繊細なライトタックルで楽しみたい。

 このスロープ攻略で大切なのは、群れで元気良く追いかけてくるコトヒキを、いかにしてフッキングまで持ち込むかだ。スロープエッジより下では思ったほどバイトしないので、ボクの実績ではスロープの上、つまり極端に浅くなっている場所を利用する。下から突き上げさせず、トゥイッチを利用した喰わせの間でヒットに持ち込みたい。


小さな流れ込みも狙ってみよう

 伊豆半島を狙っていると、小河川の流れ込みに群れているコトヒキに出会うこともある。サイズはスロープより小さいことが多いけれど、これもルアーのサイズを小さくすることで対応できる。どんな小さくて浅い流れ込みでも、数百メートルほど河川に入り込んでいる可能性もある。潮が下げている時なら流れ込みから海側を広範囲に探り、満ちている時なら河川内もじっくりと探ってみよう。水量が豊富な河川内でも、同じようにシャローを広範囲に探って群れを引き寄せてみよう。


繊細で小刻みなアクションをさせたい

 とにかく繊細で小刻みなアクションを、自分が操作するルアーに伝えたい。ペニャペニャの胴調子でも、ティップだけが柔らかいモノでも構わない。ルアーにトゥイッチングアクションをくわえる時には、できるだけ移動量を少なくても動くようにしたい。シャローエリアでいかに長く追わせ、そこでバイトさせるかにかかっているからだ。

 個人的には柔らかい渓流用トラウトロッドがお気に入りで、メリハリの効いたロッドアクションでも、ルアーが大きく動かないような使い方にこだわっている。ショートストロークでキビキビ動かすには、硬いロッドだと移動量が多くなりすぎてコントロールするのが難しいからだ。


水面直下で追わせる

 コトヒキをバイトさせやすいレンジがある。群れで追いかけてくるコトヒキは、深く潜っているルアーにはあまり反応しないようだ。泳いでいるレンジにもよるみたいだけど、自分自身より下にあるエサには興味をあまり示さない。そうかといって水面でバシャバシャしているルアーへの反応も良くなく、引いているルアーが水面へ飛び出したら引き返してしまう。結局は水面直下でレンジをキープすることが、釣果への近道だったようだ。


喰わせの間が重要だ!

 コトヒキのルアーフィッシングで最も難しい部分は、このフッキングにあると言っていいだろう。いくらルアーに興味を示すといっても、口はそれほど大きくはない。特に小型のうちは興味本位でルアーを追ってくる個体が多く、その中のいくつかが群れを飛び出してルアーへアタックしてくる。

 その飛び出してくる何尾かのコトヒキを、確実にバイトさせるテクニックが必要だ。追ってくるコトヒキは、常に一定のルアーとの距離を保っているはず。そしてルアーがピックアップされるまで追ってきて、ルアーが海中からなくなると一気に元の場所へ戻っていく。

 これの繰り返しでは、いつまで経ってもルアーにフッキングさせられない。だからこそ喰わせの間が重要になり、連続的なアクションの後には、一瞬のポーズを与える食わせの間が必要になるというわけだ。

戻る