2002.09.07 ぱわぁの西伊豆今年最初のメッキ調査隊
         ・・・の続き

Report by ぱわぁほ〜る


9月7日 午後12時40分 岩地港

 夏休みも終わって、サーフの人影はまばら。それでも泳いでいる人もいる。ここは奥の漁港をチェックしたらすぐに移動しよう。手前の堤防からスロープへキャスト。反応なし。んじゃ、奥へ移動するか・・・。
 スロープの上を通って、奥の堤防へ。このとき、ふとスロープに降りてみようと思った。潮は下げ気味。濡れた苔がスロープに付いている。スロープには『キケン』の文字。そうだよねぇ。滑ったら危ないよねぇ。

 次の瞬間!おいらの右足が軽く滑る。おっと!と踏ん張ったところ、今度は左足が滑った。『こりゃ、転倒は避けられねぇな。』と思った瞬間、釣り師の性か、ロッドをかばってしまった。ロッドが折れないように何とか静かに地面に置くことに成功。そのついでに、手をつけば良かったんだが・・・どうやら体勢を立て直そうとあがいたのか、以後の状況は全く判らない。次の瞬間、右顔面に強烈な衝撃!『やっちまった!!』と思い、目を開けると右目の前は真っ赤。下を向くと大量の血が吹き出ているのか、滝のように落ちてくる。口の中には何か堅い固まりがあり、それが折れた歯だという事はすぐに解った。下半身はスロープの水面下に滑り落ちぐしょぐしょ。

 何とか滑るスロープをよじ登り、状況を確認する。右眉の上が『ザクロのように』という表現はまさにこのことだな、と思うくらいパックリと割れている。右の前歯が一本真ん中あたりからギザギザになり、唇も切れているようだ。近くにいた人に近所の病院を尋ねると松崎まで行くしかなさそうとのこと。血を滴らせながら、車まで戻り、タオルで右眉上を押さえる。車で行くことも考えたが、強打した場所が頭部であること、目の上からの出血が激しく、片手で運転しなければいけないこと、地理に明るくないので病院の位置が判らないことなどの理由から救急車を呼ぶことにした。

 車を停めている場所は、港にあるどこかの民宿の駐車場。ほんのちょっとのつもりで停めたが、
暫く離れるには一声掛けておかないとと思い、それでもその民宿の場所すら判らないので港のすぐ横にある酒屋さんに声を掛ける。すぐに民宿に連絡を取ってくれたが留守らしい。車を確認して貰い、後でまた連絡してくれるとのこと。酒屋のおばさん曰く「せっかく遠くから遊びに来たのに、悪かったよねぇ。」いや、悪いのは全ておいらです。

 結局、右眉の上を五針縫う裂傷、右肘擦過傷、右上唇裂傷、前歯1本欠損、その他小さな傷多数。今回の間抜けの結果です。
 何故今回ここまでの怪我をする羽目になったのか、自分なりに考えてみました。最大の原因はおいら自身の慢心。何度も通った場所で、慣れているつもりだったこと。滑るのを承知でビーチサンダルでスロープに近づいたこと(自殺行為だ)。いざとなったら、何とか対応がとれるとずっと信じていたこと・・・。これらが見事に重なって、今回おいらに天誅を下しました。スロープでの怪我としては、かなり酷い方だとは思います。普通はこけても尻餅+ついた手を捻挫程度かもしれません。

 で、ちょっと想像力を働かせて、もし今回のことがテトラで起こったとしたら・・・スロープエッジが水面下すぐにあったとしたら・・・おいらは確実に落水していたでしょう。多少濡れたとはいえ、すぐに上に上がれる場所だったから、更なる被害は避けられたと思います。
 また、頭部を強打したといっても、前からだから裂傷と前歯欠損で済んだという考え方も出来るでしょう。これがもし、後頭部を強打していたら。今、こんな文章を書いていることが出来なかったかもしれません。ワーストケースはまだまだあります。想像すると、ぞっとします。

 今回、単独釣行ができたのには、最近仕事でのストレスが溜まり気味だと言うことを嫁さんが理解してくれて娘を上手く説得してくれたことが大きかったのですが、その嫁さんの気遣いを無駄にしてしまいました。また、娘もパパと遊びたいのを我慢して釣りに行かせてくれました。その娘の気持ちも無駄にしたあげく、翌日の約束も反故にしてしまいました。
 最低です。家族持ちとして、一番出してはいけない結果を出してしまいました。

 これを読んでくださった皆さん。今一度、確認しましょう。釣りは最高の遊びです。その遊びのために、怪我をすることがあったらいけません。『自分は大丈夫』『そんなドジ踏むかよ!』その考えが最大の引き金になります。おいらがそうです。どうか、周りの人に悲しい思いをさせぬよう、今一度改めて注意してください。何気ないところにも危険が潜んでいます。更なる注意を払い、安全に、無事に釣りを楽しんでください。