このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
103号 に掲載された記事です

ロッドを買うときに確認すること

 連載の最初にお話するのは、ルアーフィッシングに欠かせないアイテムのひとつ、ロッドだ。腕の延長とも言えるロッドは、アングラー自身のルアーを操作して魚を釣るという目的に対して、不可欠なものだ。

では、これからアナタがルアーフィッシングを始めるとして、どんな部分に注意してロッドを購入すればいいのだろうか。全く釣りを知らない初めての人だったら、お店に並んでいるロッドが、全て同じものだと思っているだろう。

しかし、ロッドも所詮は人が設備を駆使して作る商品だ。仕上がり具合にだって、個性みたいな物があるだろうし、場合によっては不良品が売られているかも知れない。輸送中にキズがついてしまったものを気づかずに売っているとか、展示品を他のお客さんが触ったときに、傷つけてしまったものが売られているかも知れない。

そう、ロッドといえども、スーパーの商品と同じような感覚を持ったうえで、自分が購入するものを決定して欲しいのだ。食品だったら日付をチェックするだろうし、それ以外の商品だったら、異常がないかどうか確認すると思う。釣り道具だって、全く同じようなことがいえる筈だよね。

ロッドの場合には、実際に実物を確認してみないと、本当に問題ないかどうかが分からない場合もあるのを承知しておこう。間違いない人のお墨付きならいざしらず、量販店などでズラッと展示されている商品には、特に注意が必要だと思う。

しかしそれとは全く逆で、自由にロッドを継いで確認させてくれるプロショップなどでも、違った意味での注意が必要だ。時にはその確認をしたときに、何らかのトラブルを起こして気づいてないケースもあるようだ。ロッドの表面についている傷などは、ほとんどがその時についたものと思っていい。メーカーで傷つけることは、通常では考えられないからだ。

では、どんな部分に注意して選ぶのかを、簡単に紹介しておこう。最近のロッドは、ほとんどがカーボンロッドになっている。昔はグラスロッドの方が多かったけど、ここ数年では、カーボン材料の方が、グラスロッドに比べると極端に安くなっている。

このカーボンの仕上がりで気にしたいのが、まずはロッドの反り。ロッドをつないだ状態で確認してみれば一目瞭然なのだが、竿先がどちらかへ極端に反っていたり、ひどいものは蛇行しているものもある。多少の反りは、ロッドを作る工程上であり得るけど、急激にカクンと曲がっているものは避けた方がいい。

この時に、ガイドがついている向きにも注意しよう。多少の反りはOKだとしても、ガイドの向きが悪かったら、購入を控えた方がいい。具体的には、ガイドを下向きにして持ったとき、竿が左右に反っているものはパスしよう。上下に反っているようだったら、それなりに考えてガイドのセッティングをしている。

左右に反っている場合には、ロッドを曲げたときにネジリ方向の力まで生じてしまうから、ロッドとしてはいい方向ではない。しかも、慣れてくるとラインのバタツキが気になりだし、トゥイッチングをやったときに違和感が生じる。釣りをしていて、何となく気持ち悪く感じる。

次に確認したいのは、ジョイントの状態だ。皆さんが購入するロッドのほとんどは、2ピース以上のジョイント式になっているだろう。そのジョイント部分のハメアイがどうなっているのかを、しっかりと確認しておこう。

ジョイントには、並継ぎ、逆並継ぎ、インロウ継ぎなどが知られている。いずれの方式にも言えることだが、ジョイントがスッと軽く入ってしまうものは避けよう。正確に言うと、軽く入りすぎてガタツキの生じているものは、使い込むうちに更にガタツキがひどくなるので、あとで手直しが効かなくなるので避けておこう。

ジョイントは入れにくくても、緩いよりは先があると考えよう。硬すぎるのはペーパーですり合わせればいいので、緩すぎてすぐに竿先が飛んでいってしまうような状態よりはマシだ。

インロウ継ぎの場合には、ジョイントの細い部分が全て隠れてしまうようではダメだ。正常な新品であれば、少なくとも5mmくらいは残っていた方がいい。使い込んでいくうちに、段々と奥まで入るようになっていく。もし入りすぎるようになってしまったら、ロウをジョイント部に少し塗ってつないでみよう。少しだけどジョイント部のスキマを埋めることができるので、ガタツキがなくなるはずだ。

もうひとつ確認したいのが、ロッド表面のキズだ。前のほうでも少し触れたけど、ロッドのキズは意外なところで付く。メーカーからは、ちゃんとした出荷検査をしているところがほとんどなので、めったなことでキズは付かない。しかし、ショップでお客さんが確認したときに、どこかへぶつけてキズ付けることもあるのだ。

表面のコーティングが剥がれたくらいなら影響は少ないけど、そのキズが深かった場合、一定以上の力が加わったら折れてしまうこともあるのだ。あとでキズが原因で折れたといっても、お店では取り合ってくれないだろう。お互い嫌な思いをしないためにも、購入するときにはちゃんと確認しておこう。

ロッド表面以外にも、ガイドのキズもチェックしておきたい。ガイドリングのキズがないことはもちろんだけど、ガイドの脚も確認しておきたい。海で使うことを前提で考えると、金属の脚だとすれば間違いなく錆びる。

普通に使っているときには気にならないかも知れないけど、時には脚が折れたり、ガイドリングだけが外れてしまうこともあるからだ。まずはお店でチェックしてみよう。


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