このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
106号 に掲載された記事です

リールシートの種類と選び方

ルアーロッドでは、リールを使うのが当たり前だよね。うん、普通は使うよ。そのリールを固定するために、ロッドに使われているパーツの名称を知っているかな?

リールの脚を両側から被せて押さえ込むように、リールとロッドを固定している。リールには、スピニング、ベイト、クローズドフェイスなどが知られているけど、これらのどのタイプにも、リールの脚はあるんだよね。

リールシートの種類も、色々とある。脚を直接抑えているフードの部分がそのまま回転するもの、フード部分が独立していてリングをねじ込んで固定するもの、スライドシートで固定するもの、グリップごと回転させて固定するもの。こういったそれぞれの特徴を生かせるように、ロッドの用途や種類から選ばれて使われている。

材質にも種類があり、最近最も多いのが、樹脂のタイプだ。他にも金属のみで作られたものもある。コルクのグリップに金属のスライドリングをセットしたものや、本体が樹脂でもフードのみが金属になっているタイプもある。

それからリールシートには、リールの脚のサイズに応じて、幅や開口長さが異なるのを知っているだろうか。そう、リールの脚の幅や長さって、リールの大きさによって違うんだよね。だからリールシートにも、そのリールに見合ったサイズが必要になる。

この時に注意したいのは、リールの脚の厚みだ。某メーカーの脚はしっかり肉厚だけど、別のメーカーのリールの脚は薄いなんてこともあるんだ。だから脚の厚いリールでピッタリとフィットするからと言って、別のメーカーでもピッタリということはない。時にはいくら締め込んでも、リールがグラグラと動いてしまう事もあり得るんだ。

リールの脚強度の問題は別としても、通常のリールシートでちゃんと固定できないのって、アングラー側から見ても困るよね。意外と盲点なのが、この部分なんだよね。今までリールシートのサイズを気にしなかった人は、こういった面も頭に入れて、ロッドを選ぶときの参考にしてみてはいかがだろう。

さて、これだけだとつまらないから、ロッドにリールシートとしてセッティングしたときの、言わば実践的な話を紹介しておこう。ここを読んでおけば、ロッドを購入するときに、今までよりも迷いにくくなるはずだよ。

まずはリールシートの材質だ。現在最も一般的なのは、カーボンや樹脂を使った素材のものだ。金属ボディーはゆがみが少なく、結果としてナットを締め込んでも緩みやすいような気がする。樹脂などでは、それ自体がゆがむので、しっかりとロックできているのが理由ではないだろうか。

それに、ソルト用では錆の問題も出てくるので、金属ボディーは避けられやすいと思う。ステンレスなども考えられるけど、最近の技術では樹脂で強度的な問題は、一般的な釣りではないだろう。重さの面でも、樹脂やカーボンならば有利になるはずだ。バランスを取るためにグリップ周りを重くすることはあるだろうけど、それならばグリップエンドにウエイトを組み込むのが正解だろうと思う。

実際に使っていて気になるのがこの部分で、とにかく釣っている最中にリールシートのナットが緩んでくるのは、かなり気分の悪いものだろう。少しでも気持ちよく釣るためには、起きて欲しくない現象だ。

補足だけど、コルクタイプのグリップボディで、金属のフードとナット固定に使われている場合、緩んだからといって締めすぎないようにしよう。コルクは柔らかい材質だから、緩まないようにと更に強くナットを締めてしまうと、グリップの上下方向に力が逃げてしまう。

そうなるとグリップのコルク部分にリールシートがめり込む。緩みに対しては、悪循環になってしまうんだ。金属のパイプネジ側がずれてしまい、ひどくなると締め込みのストロークが不足しちゃう。

更にアップロックとダウンロックについて、紹介しておこう。ロッドにセットされているリールシートを見れば分かるけど、通常のパイプシートでは、フードを下から上に締め込むアップロック方式と、上から下に締め込むダウンロック方式とがある。

固定されて飾ってある状態では、どちらでも問題ない。見た目の違いだけだと思うだろう。ところが実際に長時間使っていると、アップロックとダウンロックとの、決定的な違いに気が付く。

最初に気になるのは、握っている手の感触だろう。その釣りによっては、使い方に最もマッチした握り方をしているはずだ。例えばシャクリを主体とした釣り方で具体的に話してみよう。

シャクリでは親指を上に添えて、しゃくった時の押さえにするはずだろう。これがダウンロックだとしたら、親指はグリップに当たらず、ナットの表面、もしくはネジ部に当たることになる。これで長時間続けたら、親指の腹はかなり痛みを感じることになる。

しかも指先だけで当たってしまうために、繰り返しで力が加わることで、ナットが緩みやすくもなる。そういった面を考えると、シャクリの多いエギングなどでは、アップロックの方が適している。ちなみに、ボクがインターネット販売しているナイトスクィッドも、このアップロック方式を採用している。

このように、リールシートひとつにしても、実際に使うことを考えると、様々な観点から確認する必要がある。気にしなければいいのかもしれないけど、せっかく購入するんだったら、それに適したものにお金を掛けたいよね。自分がどんな釣り方に使いたいのか、ちゃんと考えてからロッドを買おうね。


戻る