このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
107号 に掲載された記事です

ロッドのガイドにはどんな種類があるのか?

 さて、今回はロッドに取り付けられている、ガイドについてお話をしてみよう。ガイドというと、富士工業が最も有名だと思う。各メーカーから出されているロッドのガイドには、ほとんどこのメーカー品が使われているようだ。

まずはガイドの形状による種類について、簡単に紹介する。基本的には、フット(脚)と呼ばれている部分のあるガイドと、竿先に取り付けられているトップガイドと呼ばれている形状の2種類に分類される。

トップガイドには、一般的なルアーロッドの場合、竿先の外形に合わせた内径の物がほとんどだ。竿先に差し込んで、接着剤で固定するパイプ方式といえば分かりやすいだろうか。通常は、その差し込んだトップガイドのパイプ部分と、竿とのエッジ部分に、化粧糸を巻いて仕上げをしてある。

それ以外のロッドの本体に取り付けられるガイドには、シングルフット(1本脚)とダブルフット(2本脚)の2種類だ。一般的には、シングルフットは軽量が特徴なので、ソルトルアー専用ロッドよりも、フレッシュウォーターのスピニングロッドに多く使われている。

それとは逆に、頑丈さの要求される本格的なソルトルアー用のロッドに、ダブルフットのガイドを使うことが多い。また、ベイトロッドやジギングロッドには、このダブルフットが多く使われる。

ちょっと特殊なケースとして、楕円ガイドや中通し方式もある。楕円ガイドは船のマダイ竿などに使われ始めた、中通し以外でもラインが絡みにくくできるというウリのガイドとして発売された。しかしPEのキャスティングが多くなってきたソルトルアーでも、最近になってキャスティングロッドに採用している特殊なケースも出てきている。

中通しのルアーロッドに関してだけど、出始めの頃に比べると落ち着いてきた感がある。ゴミが詰まりやすいとか、ラインシステムをうまく通すための特殊な方法が必要になるなど、そういった煩わしさが敬遠され始めた理由だと思う。

次に、ガイドの材質について話してみる。この材質に注目する部分は2ヶ所あり、ひとつはガイドのリング部分。直接ラインが触れるので、ここはかなり重要になる。硬さや比重、耐磨耗性など、これらを知った上で選びたい。

もうひとつはガイドのフットだ。いわゆるフレームと呼ばれている脚の部分で、この部分の重さも、ロッドの負担に対して影響する。ガイド全体の重量に影響するので、軽い方が、ロッド本来の特性を引き出しやすい。これが重いと、ロッドがダルイような印象を受けるだろう。感度重視のロッドには、軽量化が一番の近道と言える。

では具体的に、その材質について紹介してみる。最近市販されている材質を中心に紹介するので、ご了承願いたい。まずはフレーム部分からだけど、大別して2種類といったところだろうか。ひとつは最も多く使われているステンレスフレーム。もうひとつは、軽量化を意識したチタンフレームだ。

参考までに、富士工業のガイドフレームに使われている材料の比重を比較してみよう。ステンレスフレームの比重は7.93、チタンフレームの比重は5.03だ。これだけの比率を大きいと見るか小さいと見るかは、実際にガイドを選ぶあなた次第だ。

それからガイドリングの材質を、昔からの経緯を含めて簡単に紹介していこう。大昔?からの流れを順に紹介していく。金属→セラミック→ハードガイド→SiC→ゴールドサーメット→ダイヤモンドといった種類がある。現状で一般的に使われているのは、ハードガイド、SiC、ゴールドサーメットくらいだ。

中心となるのが、SiCリングだ。SiCとは、シリコンカーバイトの略称だ。一般的な最近のルアーロッドには、これが最も多く使われているようだ。ちょっと廉価版のロッドにはハードガイド、軽量化と感度重視のロッドにはゴールドサーメットが使われている。トップガイドだけをゴールドサーメットにして、それ以外をSiCにしているロッドも多いようだ。

参考にリング材質の比重を紹介しておくと、ゴールドサーメットが5.6SiC3.1、ハードガイドが3.8だ。SiCとハードガイドは大して差がなく見えるが、違いは重さではなく、耐磨耗性の面だろう。PEなどでこすれると、キズの付きにくさでSiCがかなり優位にたつ。

平均的な合格点を与えられているのが、現時点ではSiCということになるのだろう。一般的な選定としては、SiCリングにステンレスフレーム、軽量化にチタンフレームといえるだろう。


戻る