このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
110号 に掲載された記事です

ロッドのメンテナンスと保管の方法

前回のロッドの扱いについてのお話は、皆さん自身どんな感想を持ちましたか。ロッドの扱いって、自分では気がつかないほど、雑なことをやっているかも知れない。いけない事だと知らなくたって、ロッドが泣いている事が今までにあったかもしれないね。

さて、今回のテーマは、ロッドのメンテナンスと保管方法だ。やってはいけない事と内容が少しばかり重複しちゃうけど、大切なことだからしっかりと読破してね。思い出を作ってくれる、大切なタックルなんだからね。

最初に、釣りから帰ったときの話をしようかな。ここでは海のルアーフィッシングを中心に話を進めているから、塩分の話題が多くなる。場合によっては、砂浜だったら砂も大敵になる。

通常は海から帰ったら、まずはロッドのリールシートからリールは外す。人によっては、そのまま車のロッドホルダーにセットしたままってケースもある。実はボクも、その中の1人なんだ。これって百害あって一利無しなんだよね。

ボクの場合は、ほとんど毎日のように釣りをしているから、タックルを車から降ろすタイミングがないってのが、実際のところなんだ。だけど普通のアングラーは、週に1回くらいの釣行だったら、マメにタックルを降ろしてメンテナンスして欲しいね。

前回も話したけど、最もイヤなのが、ブリスター現象だと思う。水滴が残ったままで強い日差しが当たると、その水滴がレンズになってしまう。そうするとその部分の塗装が浮き上がってしまい、そこから表面のコーティングが剥がれやすくなってしまうんだ。これがガイド周りだったら、ヒビ割れしちゃってガイドが外れるかも。

そうならないためにも、家に帰ったらロッドは流水でキレイに洗い流そう。付着した塩分も、ガイドなどの金属部分を錆びさせやすい。ステンレスフレームの物でも、純ステンレス以外は錆びる。ガイドの脚が錆びてしまったら、せっかくの大物がヒットした時に、ガイドリングがポロッと外れちゃうかも。

水で洗い流す時に、ロッド表面のキズなんかもチェックしちゃっておこう。ロッドを水洗いしたら、柔らかい布で表面を拭き取るから、その時に隅々まで確認しておこう。そんな時でもないと、細かいチェックなんてできないからね。

ロッドの内部にはそれでも湿り気が残っているから、しばらくの間は乾燥させておこう。これは日なたに置いたらダメだよ。日陰の風通しのいい場所で、時間をかけてゆっくりと乾かすのがコツだよ。

その後は、ガイド周りを再び確認しておこう。ガイドリングを支持している部分のスキマなどに、潮ッカスやゴミが付着しているかもしれない。細かい部分は、綿棒などで丁寧に取り除こう。狭い部分は、ニードルだと傷つける恐れがあるから、爪楊枝などを使うといい。

この時に、ガイドリング内面のキズチェックも忘れずに。ガイドリングは、ラインが接触する重要な場所だ。ちょっと見ただけでは分からないようなキズや割れ目があっただけでも、ラインが触れた時に切れてしまう。そうならないためにも、こういったこまめなチェックを忘れずにやっておこう。せっかく魚がヒットしたのに、ガイドのキズが原因で逃がしちゃったら、魚だってかわいそうだよね。

次はメンテナンス後の、ロッドの保管方法を話そう。ひと言で済ますならば、家の中に置いておけばいいって訳じゃない。それなりの保管方法じゃないと、自分が知らない間にロッドが痛んでしまうかも知れないんだ。ロッドを痛めないための保管方法を、ここでちょっとだけ紹介しておこう。

それはロッドに負担を極力かけずに、1本ずつ隔離して保管しておくことだ。例えば竿袋に入れて、ロッドケースの中へ仕舞っておけば安心だ。でもこの時に竿袋の紐を強く縛ったり、ロッドがグニャッと曲がるようにケースへ押し込んでしまったら、ロッドはかなりストレスを受けてしまうことになる。

2本継ぎだったらバットと竿先は触れないように分離して入れ、竿袋の紐はソフトに縛る。ケースにも、無理に曲げずに入れるように配慮しよう。これだけの気遣いで、ロッドは多少なりとも長持ちする。

更にその置き方だけど、これは立てて保管する方法が無難だ。横向きにして積み上げる人もいるみたいだけど、これはロッドを反らせる要因になってしまう。壁にヒートンをねじ込んで、そこへ横向きに乗せて飾る人もいるけど、これもロッドにしてみれば苦痛の体勢だ。

市販のロッド立てを見たことあるかな。量販店なんかで、ロッドをむき出して立ててあるよね。あんな感じで保管できれば最高だろうね。でも一般家庭でそれだけのスペースなんて、よほどの豪邸じゃなけりゃ設置できないよね。

ボクはケースに入れた状態で、衣装掛けを利用して使っている。傘立てと同じように、側面へ倒れないように紐で囲っている。これだったら出し入れも便利だし、何よりもロッドを立てて置けるから、ストレスをあまり与えないで済む。

いかがだろうか。ちょっとした心配りで、ロッドを大切に扱う事ができるんだよね。他にも色々な気配りはあると思う。皆さんもそれぞれのアイデアで、自慢のロッドを大切にしてね。


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