このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
117号 に掲載された記事です

リールのメンテナンスと保管方法

釣りに出掛けて、1日が終わったら家に帰ってくる。長かったか短かったかは、その日の釣果によっても感じ方は違うだろうね。いっぱい釣れて嬉しかったり、全然釣れなくてガックリして帰ってきたり・・・。

でもだからといって、家に帰ってそのままじゃあダメだよね。釣果を持ち帰った人は料理もやるし、家族に自慢もしたい。釣れなかった人はフテ寝したってダメだよね。次に期待して、やることはあるはず。

そう、大切な作業が残っているよね。その日に楽しさを分け与えてくれたタックルにも、ちゃんと休息をあげないと。特に海で使ったタックルは、塩分の影響で痛みが激しいはずだ。だから帰ってきたら、ちゃんと真水で洗ってあげよう。

今回はそんなメンテナンスについて、お話してみようと思う。リールに関してもお話は、今回が最後になる。精密な機械を使っているのだから、色々な意味で真剣に考え、そして扱って欲しいな。

まず重要なのは、釣り場で釣りを終えた直後だ。塩分がベットリと付着していたら、そのままリール袋には仕舞えないよね。そんな事したら、袋の中が塩分だらけ。家で綺麗にしたあと袋に仕舞い直したら、リールを再び塩分の中に保管しているのと同じになっちゃう。

釣り場では、できるだけ塩分は拭き取っておいた方がいいね。ウェットティッシュで拭き取ってもいいだろうし、タオルで表面の水分だけでも拭きあげておきたい。別の布や袋に入れてから、リール袋に仕舞ってもいいね。

家に持ち帰ってからは、徹底的な掃除をしておきたい。分解するほどの必要はないけれで、重要な部分だけは、キッチリと掃除しておきたいものだ。

あんまりお薦めできない方法だけど、ボクはシャワーでぬるま湯(水に近い)を上からかけてしまう。上からさっとかけながら、ボディの外側とスプールエッジなどを手で洗い流す。

このときに、ドラグノブはしっかり締め込んでおき、なるべく水が流れ込まないようにしている。あとはすぐに柔らかめの布で吹き上げて、一度スプールを取り外す。このときに、リールの内部やドラグワッシャー部分に、水分が流れ込まないように注意する。

ハンドルのノブや、ガイドローラー部分など、こういった部分は水が残りやすい。積極的に水分を拭き取り、そこの汚れを水分と一緒に拭き取る。狭いスキマなどは、糸ヨウジみたいなもの、毛先の柔らかい歯ブラシ、綿棒などが利用できる。

十分に汚れや塩分を落としたら、次は乾燥だ。これは日陰の風通しのいい場所で、少々時間をかけて乾かしてやる。それほど気を使わなくてもいいけれど、家の中で家族に蹴っ飛ばされたりしないでね。

目安として、ボクの場合、12日は乾燥させておく。そしてベアリング部分のみ、グリスアップだ。具体的には、ドラグワッシャー部に少しだけ、ハンドルのノブ付け根、ガイドローラーだ。

最近はリール本体を分解して、内部までメンテナンスする人も多いようだけど、多くの場合はメーカーの保証が効かなくなってしまう。それを覚悟でやるのだったら構わないけど、普通にユーザーがメンテナンスするのは、リールの説明書にかかれている範囲内にとどめておいた方が無難だ。

特にボディ内部のギヤなどは、精密機械の心臓部と言ってもいい。ギヤは歯面の当たり方が変わるだけでも、磨耗の進行具合が違ってきてしまう。だからむやみにギヤを外したりして分解することは、自分のリールを壊す可能性もあるのだ。

通常やるべきことを当たり前にやって、重要な部分は定期的なオーバーホールをメーカーに依頼してもいい。長く愛用するのだったら、それくらいの気持ちが必要だと思う。

スピニングリールについてお話したけど、ベイトリールも同じだ。ベイトリールには、ラインリリースするためのプッシュボタンなどもあるが、ここも動きが悪くなりやすい部分だ。スキマに塩が固まったりすると、ボタンが押せなくなるので注意が必要だ。

また、スプールを回転させるのがベイトリールの特徴であるが、スプールと本体のスキマも、ゴミなどが挟まっていないか確認したい。もしスキマに異物が挟まっていたら、確実に取り除いておこう。

レベルワインドのネジ部分は、動きが悪くなるとリールが巻けなくなることもある。レベルワインドが横移動できなくなると、リールのハンドルまで巻けなくなってしまう。こういった部分のメンテナンスも、構造を理解した上で確実にやろう。


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