このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
119号 に掲載された記事です

ラインの種類と特徴

ラインのテーマ2回目は、材質による種類と特徴について、具体的な用途を挙げて説明しよう。ここでは一般的なラインの種類となる、ナイロン、フロロ、PE3種類を紹介していこう。

まずは、最も一般的なナイロンラインだ。オーソドックスなナイロンラインは、適度な伸びもあり、クッション効果を持っている。海のルアーフィッシング、特に陸っぱりからでは、一番使われる頻度の高いラインの材質と言える。

ナイロンラインは、コスト面でも他に比べると安価で、消耗品感覚に近いラインだ。そうは言っても、それなりの金額だから、毎回どんどん巻き返るという訳にはいかないだろうね。

最も多く使われる用途は、ミノープラグなどを使ったミノーイングだろう。最近では伸びの少ないPEラインを使う人も多くなってきてはいるけど、扱いやすさの面で、ナイロンラインの人気は衰えない。

次に紹介するのは、フロロラインだ。一般的なフロロラインは、比重がナイロンラインに比べて重い。そのためライン自体の重さもあり、水に沈みやすい。

また、ナイロンラインに比べて、伸びが少ないのも特徴だ。PEラインほどではないにしても、ナイロンラインよりもアタリを感じ取りやすいのは事実だ。PEほどの伸びの少なさはイヤだという人には、フロロラインも選択肢のひとつに入れても良いかも知れない。

更にナイロンラインとの違いは、その材質と構造特性による、吸湿性も挙げられる。ナイロンラインは吸湿しやすく、ライン自体の性能も低下しやすい。ところがフロロラインは吸湿が少なく、ナイロンほどの急激な劣化はない。

但し、吸湿はしにくいものの、海で使う場合には、塩分の付着という問題もある。海中と大気に触れるのを繰り返しているうちに、段々と塩分がラインに付着してくる。これが簡単には落ちず、ラインが重さを増してくる。

ラインが重くなってくると、今度はロッドアクションを加えても、思った通りの動きがルアーまで伝わってくれない。大雑把なアクションになってしまい、イタチゴッコでロッド操作も大きくなってしまう。これには、ソルト専用フロロラインの登場が望まれる。

現状で効果的に使えるシチュエーションとしては、ラインが弛むように沈んでも影響の出ない釣り方だろう。例えば、ワームを使っての穴釣り、それほど遠投しないで狙うゲームなどではないだろうか。

ただ、ナイロンと同じ太さで比較すると、わずかにキズがついただけでパチ〜ンと切れてしまうのに対して、フロロの場合は一気に切れることはあまり無い。徐々にキズが広がるような感じで、ささくれて最後にブツッと切れる。牡蠣ガラなどでラインを傷つける釣り場では、PEライン以上に有効な素材と言える。

最後に紹介するのは、伸びが少なく最も高価なPEラインだ。その素材特性により、PEラインとはポリエチ系の編糸だ。同じ強度で比較すると、ナイロンよりもかなり強い。

例えばナイロン12ポンドは、太さで3号くらいだ。ところがPEラインの12ポンドというと、太さにして1号くらいでしかない。つまりナイロンラインと同じ強度のものを選ぶとした場合、PEラインだったら1/3の太さでいいのだ。

この細くても強度が足りるという面が、最近のディープジギングを含めたソルトルアーのアイテムに、欠かせない存在となっている。同じ強度でも細くて済めば、表面抵抗が少ないから潮の影響を受けにくい。

更に必要以上なタルミが起きにくいので、タナ取りも正確だし、ロッド操作のアクションも、より正確に伝える事ができるのだ。ラインが長く出た状態で、確実にアクションを伝えるのが、PEラインの特徴のひとつなのだ。当然、アワセも有効に決まりやすい。

このように、ラインの持っている特性を知ることが重要だ。そうすることで、自分がやろうとしている釣り方やターゲットに対して、最適なラインを決められるのだ。

最後にボクのライン選定のパターンを、いくつか簡単に紹介しておこう。皆さんがラインを選ぶときの、ひとつの参考にして欲しい。

シーバス、メッキ、カマスなどのように、ミノーを多用する釣りの場合には、迷わずナイロンラインを使っている。岩場で足元の根魚を狙う穴釣りでは、伸びが少なめで根ズレに強い、フロロラインを使う。

それ以外のメタルジグを使う場合や、遠投の必要な釣り方の場合、常に1ランク細いPEラインにフロロショックリーダーを使っている。


戻る