このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
124号 に掲載された記事です

海で使われるルアーの種類と特徴

ラインの話が終わり、今回からはルアーの話に切り替わります。ここでは、ミノーからエギまで、様々なルアーについて、種類と特徴を紹介していきましょう。

まずはトップウォータープラグです。その名の通り、水面を基本に使うルアーです。一般的には、ペンシルベイトやポッパーと呼ばれるルアーが、このジャンルです。

ペンシルベイトは、スリムなボディを持ち、その多くは頭を水面上に出して、斜めの姿勢で水面に浮かびます。ロッド操作を加えることによって、頭を下げたり左右に振り回して、魚にアピールします。

ポッパーは、広口と細口に分けられます。広口はポップ音も大きく、飛沫を多く出すので、アピール力はかなりあります。細口タイプは引き波を有効に使えるので、時にはスイミングさせることも可能です。

いずれもターゲットの魚たちが、水面に捕食目的で目を向けているときに有効です。また、活性が低くても、効果的なポップ音と飛沫によって、魚の活性を高めて釣る方法にも使えます。

次にミノーです。ミノーにもフローティングミノーと、シンキングミノーがあります。これにも詳しく分類すると、かなりの種類が存在しています。フローティングミノープラグにも、シャロー(水面直下)、通常の潜行深度、更に深く狙うものといった具合に分けられます。

シンキングミノーにも、スロー、ノーマル、ファーストというように沈み方の速度に違いがあります。狙う魚を釣りやすい深さを狙うため、これらを使い分けるのです。

さらにミノープラグは、数多いルアーの種類の中でも、最もリアルにベイトフィッシュを演出しやすい形状であるといえます。カラーセレクト次第では、よりリアルにもなるだろうし、アトラクター的な要素を兼ね備えてもいます。

次は独特の形状をしている、バイブレーションプラグです。このルアーは、基本的に多くがシンキングです。一部にフローティングもありますが、ほとんどはシンキングタイプになります。

頭の上部にフラット面があり、ルアーを引くとそこで水を受け、小刻みに振動します。こういった動きの特徴から、バイブレーションと呼ばれているのです。メタルジグよりも抵抗が大きく、沈めるときのアピールに優れています。ジグで反応が悪いときに、すごい効果を見せてくれることが多いです。

そしてメタルジグ。これはその名の通り、金属のかたまりです。高速リトリーブでのみ水面を攻略できますが、基本的には沈めて使うためのアイテムです。しかし使い方と特徴を知っていれば、トップからボトムまで使える、便利なルアーであるとも言えるのです。

細かく分類すると、他にも様々なジャンルに区分けされないルアーもたくさんあります。フレッシュウォーターでは多く使われる、スプーンやスピナー、コンビネーションルアーなども、海で実績がたくさんあります。

そしてソフトルアーなども、海ではかなり強い味方になっているのです。ブラックバスで使われているような、ジグヘッドリグ、ダウンショットリグ、キャロライナリグなど、たくさんの仕掛けがあります。ハードルアーとの組み合わせで使ってもかなり効果的です。

こんな星の数ほどあるルアーの種類でも、海でしか使わないものもあります。イカを釣るためのエギが、その代表的なルアーです。イカ釣りだけを目的に作られたエギは、今では和製ルアーとして、不動の地位を築いています。

しかしひょっとしたら、湖で使ってみたら、予想もしない釣果が出てしまうかも知れません。もちろんカンナをルアー用のフックにして、ちょっとしたチューニングは必要でしょうね。

メタルジグを使ってボートからジギングすると、ブラックバスやトラウトが釣れるという事実もあるし、エギだって使い方によっては面白いかも知れない。ルアーには使い方は決められておらず、その特徴を生かすも殺すも、アングラーのアイデアと使い方次第なのです。

トップウォータープラグからエギまで、まずは様々なルアーの存在を知ってみましょう。そしてその特徴を覚えることで、時として独創的なアイデアを生み出し、とんでもない発明になることもあるのです。

まずは事実を知り、そしてフィールドで色々と試してみる。実際の釣り場でルアーを使ってみることで、最終的には自分のものにすることができるのです。予算の許す限り、多くのルアーを試し、そしてより実践的な面白さを見つけませんか。


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