このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
125号 に掲載された記事です

ミノーのアクション

ルアーの中でも、ミノープラグは最もオーソドックスだ。小魚をイミテートしたルアーとして、最もリアルに作ることができる。泳ぎもカラーも、リアルなものからアトラクター的な要素を持ったものまで、様々に存在している。

さて、今回はその中の、アクションについて的を絞ってみる。ひと口にミノーといっても、たくさんの違いがあることを頭に入れておきたいものだ。その違いと特徴を知っておくことにより、様々なシチュエーションでの対応が可能になる。

まずは、その多くの種類を紹介してみよう。水面で使うものから、更に深いレンジを狙うものまで、その形状によって使い分けることができる。自分が狙いたい水深を釣るために、どんなタイプのミノーを使えばいいのか、これを知っておけば参考になるはずだ。

最初に紹介するのは、リップレスミノーだ。ミノーシェイプを持ちながら、ミノーの特徴であるリップを持たない。その代わりに、リップと同様の効果を持たせてあるリップ面が存在する。頭部にあるスラント(斜めになった)した部分で水流を受け、リップ付きのミノーと同じようなアクションを見せてくれる。

通常のリップレスミノーの特徴として、シャローモデルであることが挙げられる。その多くは高速リーリングや横からの水流に弱い。高速でも安定したリップレスミノーは、かなりメーカーの実力が高い。

他のミノーでも同じだが、リップ面が立っているほどアクションが大きく、そして潜らない。逆にリップ面が寝ているものは、セッティング次第で深く潜らせることができるのである。ただリップレスミノーの主流はシャロー用なので、よりクネクネ動かしてアピールさせるため、垂直に近い形状のタイプが多い。

次に、リップ付きのミノーだ。一般的にミノーと認識できるのはこのタイプで、スリムなものやファットなものがある。一般的に、スリムはスレて反応が渋いとき、ファットはボディボリュームでアピールさせたいときに使われる。

この一般的なミノーに、実はレンジ攻略するための種類がある。その秘密をひと目で区別するならば、リップ形状をチェックしてみたい。このリップが取り付けられている位置や、アイの取り付け位置、形状や長さ、面積などが、この潜行深度やアクションを決めている。

単純に潜行レンジだけを比較しようとするのなら、リップの角度が影響することは前にも書いた。ところが、更にリップの長さが、潜行レンジにも影響しているのだ。

例えば通常のミノーでは、口の先端部分にアイが付けられている。ところがロングビルと呼ばれているミノーは、その名の通り極端にリップが長い。このリップが長いほど、深く潜るようにセッティングされたものが多い。

そしてそのリップの途中に、ラインを結ぶアイの取り付けられたものが多く、リップ先端にアイが近いほど、深く潜るものが多く、しかもウォブリングアクションが強くなっている。しかし水流を受ける面が大きいことが影響して、一般的な形状のリップを持つルアーに比べて、トゥイッチングなどでのヒラ打ちアクションは起こしにくい。

次にアクションの違いを、大別した2つで説明しよう。一般的にミノーのアクションは2通りあり、よく知られているのは、ウォブリングとローリングだ。いずれも、ルアーのアクションを語るためには、欠かせない用語なので覚えておこう。

まずはウォブリングだ。これはファット系の、そして比重の小さいミノーに多いアクションだ。ミノーの頭やボディ中心のいずれかを中心として、左右にスイングする動きを、ウォブリングアクションと表現している。

そしてもうひとつは、ローリングだ。これは言葉が表している通り、頭部やボディ中心を基準として、クルクルと回転方向にアクションするのだ。ボディ中央部よりも後方の比重が、頭部よりも大きい場合に起きやすいアクションだ。

例えばトゥイッチなどのアクションを加えた時、ウォブリングはブルブルッと左右にアクションする。手を止めると、そのままの姿勢で静止する。イレギュラーな動きを起こすには、トゥイッチをシャープに行ない、ラインスラッグを与えるとキレイに行える。

ローリングの場合には、テール部分がヒラ打ちするようにリーリングへ反応する。トゥイッチを行うと、頭を下げてテールを振る。ラインスラッグを与えてやると、ボディが真横を向くものが多いようだ。それぞれの特徴をミックスしたルアーも多いので、色々と試してみよう。


戻る