このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
126号 に掲載された記事です

ルアーのチューニング

前回までの話で、海で使われているルアーの種類や、ミノーのアクションについて分かってもらえただろうか。今回はそれらの話を踏まえた上で、ルアー全般のチューニングについて話をしてみよう。

ルアーのチューニングと聞くと、ちょっとばかり躊躇してしまう方も多いかも知れない。以前ルアーメイキングにチャレンジして、うまくできなかった記憶が思い起こされるなんて方もいるだろう。

しかしチューニングするだけであれば、それほど難しく考える必要はない。アクションの調整、色の塗り直し、シール貼り付け、フック交換など、ちょっとした簡単な作業も、立派なルアーチューニングメニューなのだ。

ここではいくつかのチューニングを紹介しておくので、是非とも参考にして欲しい。それほど難しい作業ではないので、安いルアーや塗装が剥がれてボロボロになったルアーなどを使って、チャレンジしよう。

まずは基本的なルアーのアクションに関係する、アイ調整に関連するメニューだ。ここではミノーを参考に、紹介しておこう。

ミノーのチューニングは、2通りの考え方で成り立っている。ひとつは、自分の好みのアクションを出すためで、アイを上下に曲げることによって、ウォブリングが大きくなったり小さくなったりする。高速安定性や低速の立ち上がりも、このアイ調整である程度はカバーできる。

もうひとつは、粗悪品のミノーをまともに動くようにするものだ。アイ調整がされてないミノーの場合、製作精度が悪いと、ミノーは右や左に曲がって泳いでしまう。ひどいものは、リーリングスピードを速くすると、そのまま水面から飛び出してしまう。

前者の場合は、アイを上下に曲げて行うのだが、やりすぎると粗悪品と同じになってしまうので、徐々にまげて様子を見ながらやるのがコツだ。特にマイクロミノーはバランスが命で、ほんの少しの曲げでアクションが激変してしまう。

一般的に、ウォブリングを大きくしたいのならば、アイを下に曲げてやる。ウォブリングを小さく、更に高速安定性を高めたいのなら、アイを上に曲げてやる。但しルアーによっては、リップで水を噛み込まなくなるので、細心の注意を払ってチャレンジしてみよう。

後者の粗悪品は、その多くの場合が左右どちらかへ曲がってしまう動きだ。これはアイを左右に曲げることによって、調整する。ルアーを引いてきたとき、自分から見て右に曲がるなら、アイを左に曲げる。左に曲がるなら、アイを右に曲げてやるのが一般的だ。

これとは逆に、岸壁下のエグレを狙いたいときは、ミノーやバイブレーションのアイをわざと曲げてやる方法もある。こうすると、リーリングによってルアーは岸壁の下へ潜ろうとしてくれる。よりギリギリを攻めたいときや、ストラクチャーの下へもぐりこませたいときに使うチューニングテクニックだ。

次に、メタルジグを紹介しておこう。普通はあまりやらないが、フォールでのアピールを増したいとき、そしてそれほど沈降スピードを必要としないときには、メタルジグ本体を曲げてしまう方法がある。これはストレート系のジグに有効で、アクションが少ないジグを、派手に動かすことができる。

次は、フック交換だ。ルアーには重量バランスというものがあり、フックも当然ながらバランス取りに重要な役割を持たされている。強度面でフックを交換するのが一般的なのだが、アクションについても一考しておいて損はない。

例えばウォブリングの大きなルアーのフックを大きく(重く)すると、ウォブリングが小さくなり、ローリングがわずかに増してくる。こういった部分も注意してみると、ルアーチューニングが面白い。

もうひとつ紹介しておこう。それはルアーのアイを、自分の好みのタイプに交換する方法だ。一見ドレスアップとも思える方法だが、現実には予想以上の効果を見せてくれることもある。特にルアーの目を狙ってくる魚に対しては、リアルフィニッシュされたグラスライブアイは、非常に威力を発揮してくれる。

他にもボディーにレインボースケールシートを貼り付けたり、ボディカラーを自分の好みに塗り替えるなど、様々なドレスアップがある。それらを目的としたパーツも、ショップで売られている。

まずは無理せずに、できることから試してみてはいかがだろうか。自分がチューニングしたルアーで魚が釣れれば、次はルアーメイキングをやってみたくなる。と言う訳で、次回はルアーを作ってみよう。


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