このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
128号 に掲載された記事です

メタルジグのアクション

今回は、メタルジグのアクションについて話してみよう。陸っぱりからの釣りでも、夏から秋にかけて回遊してくる青物を相手に、遠投という武器を持って有利に楽しめるアイテムだ。

このメタルジグというルアーは、見てくれが単純な金属の塊だ。そしてそれにはキレイな塗装が施され、多少の形状の違いで異なるアクションを演出してくれる。

メタルジグを使ったことがない人にとっては、ただ沈むだけのルアーと勘違いしている人も多いのではないだろうか。たしかに海に投げ入れたら、海底までどんどん沈んでいってしまう。

ところがリールを巻き始めると、そこにはやっぱりルアーの性格を見つけることができるはずだ。リーリングでは特別なアクションをしないもの、そしてスプーンのようにテールを振り回すもの。

海中に沈んでいく時の動きも、真っ直ぐテール側から沈んでいくものや、水平姿勢で沈むものもある。時には頭から沈んで、リーダーがからみついてしまい、テーリングと呼ばれる現象を引き起こしてしまうものさえもある。

こういったそれぞれの特徴が、色々な動きと組み合わされてできているのが、最近のメタルジグにおける特徴だと言える。もちろんここに挙げた以外にも、特殊な使い方で面白いアクションを見せるメタルジグもある。

ここでは大別した2種類のメタルジグ形状について、簡単に紹介してみよう。最初に知っておいてもらいたいのは、ストレート系とフォール系という表現だ。ストレート系のメタルジグは、テールを下にした状態で、一気に海底を目指すタイプと覚えておこう。そしてフォール系は、沈み方にこだわりをもったメタルジグなのだ。

潮流の速い海域や深場を狙いたい時には、前者のストレート系メタルジグが好まれる。とにかく潮流を突き抜けて、より速く真下のポイントとなるタナへ沈めたいからだ。それだけラインの弛みも少なく、アタリやアワセの面でも有利になるからなのだ。デュエルのブランカは、このストレート系に分類される。

逆にフォール系のジグは、ジックリとターゲットにアピールさせやすい特徴を持っている。フォール系というメタルジグには、扁平タイプと涙タイプがある。非対称のものも、これらに属すると考えていい。

扁平タイプとして代表的なのは、デュエルのメタリックサーディンなどがある。アイルメタルも、似たような位置付けだ。涙タイプは、MGクラフトのスキルジグが有名だ。

これとは似たような位置付けとして、スイミングタイプと呼ばれるメタルジグもある。これはスローリーリングだけで、十分にスプーン並みのアクションを見せてくれるタイプを指している。

一般的なメタルジグの場合、その多くは単調なリーリングだけでは雰囲気のあるアクションを見せないのだ。速めのリーリングロッドアクションを加えることで、メタルジグをベイトに見せる。

ところがこのスイミング系のメタルジグは、それほど速くないリーリングでも、テールを振ってターゲットにアピールするのだ。デュエルのL-ジャックジグは、数少ないスイミング系のメタルジグだ。

せっかくの機会だから、メタルジグのボディボリュームについても、ちょっとだけ触れておこう。まずは大きさが同じだったら、ウエイトも同じに仕上がっているかだ。

ボディ全体が鉛でできているのなら、ほぼ同じになっていると考えていい。しかし表面に樹脂が飾りつけられていると、ボディの大きさのわりに、それほど重くない。しかも見た目は普通のメタルジグでも、本体の材質が銀やアルミニウムなども商品として存在している。

更にメタルジグの体高だ。重さを合わせればターゲットが同じ大きさのメタルジグとして認識してくれると思ったら、おそらく間違いだ。メタルジグの場合、ゆっくり動かして釣る方法は稀で、ほとんどは速く動かしている。

この速く動かすという操作が問題で、魚の目には残像が残るのではないかと想像されている。つまり体高が1cmのメタルジグと2cmのメタルジグとを比較したら、2cmの方がかなり大きく見えているのではないかと思う。

ベイトフィッシュが小さかった時の対処として、これを頭に入れておくとチャンスを生かせることがあるかもしれない。いくら長いメタルジグでも、細いメタルジグを使えばサイズダウンしたのと同じことになることもあり得るのだ。そういった面を考えると、奥深いルアーだ。


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