このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
131号 に掲載された記事です

こんな場所でこんな魚が釣れるかも

ソルトルアーのフィールドは、様々なシチュエーションがある。手軽に楽しめる漁港の他に、サーフや磯といった場所がたくさん。釣り場の種類によって、釣れるターゲットも様々だ。

今回は釣り場の種類によって、どんなターゲットが釣れる可能性があるかを話してみよう。季節によるターゲットは次回にまわすとして、今回はシチュエーションによる違いを紹介できればと思う。

まずは一般的な漁港だ。漁港といっても、様々なシチュエーションがある。例えば市場前の岸壁、港口の堤防、その周辺にあるテトラ周り、係留してある船の間など、形状別の違いが見つけられるだろう。もちろん大きな港なら、港内に岩場や砂地があったりもする。

この漁港や工業港を中心としたベイエリアでは、ソルトルアーの人気ターゲットであるシーバスがいるのが分かると思う。バチや稚アユを捕食するために、シーバスにとっては理想的なエリアと言える。

近くに河口があれば、港口周辺も立派なポイントになる。その周辺にベイトフィッシュが接岸する傾向があれば、時間帯などをチェックして狙ってみたい。回遊性なのか居着きなのかを考えて狙えば、予想もしないほどのヒットに恵まれる可能性もある。

岸壁沿いや係留してある船の間には、メバルも多くいるだろう。ヘチの海底や少し沖の根を探れば、カサゴが姿を見せるかも。普段はヘチにいる魚たちも、潮が下げると沖へ移動したりすることもあるので、そのときの潮位によって変化するので、海の情況観察も重要だ。

23cmの小魚が大量に港内へ入っていたら、メッキやカマスが狙えそうだ。群れで小魚を追い詰めて捕食する魚だから、一気に盛り上がりを見せてくれるだろう。サイトフィッシングが中心のゲームだから、興奮度100%と言えるかも。

次にサーフだ。サーフではシーバスだけではなく、マゴチやヒラメといったフラットフィッシュと呼ばれる魚たちも狙える。本格的なサーフでのウエーディングゲームを楽しめるのだ。もちろん波を被ったり足を引き波にすくわれる危険もあり、安全面には十分な装備と注意が必要なことを忘れないように。

回遊魚を狙うのにも、サーフはうってつけのフィールドだ。ワカシ〜イナダやカンパチ、そしてソウダガツオが狙える。時には小型のマグロが回遊してくることもあり、たくさんの夢を見させてもらえる。地域によっては、小さなカジキが釣れてしまうこともあるほどだ。

それ以外には、磯も楽しめるフィールドだ。磯と言っても、本格的な荒磯だけでなく、遠浅のゴロタ磯などもある。本格的な荒磯のゲームとしては、ヒラスズキが有名だ。これはかなり危険な場所での釣りが多いので、初心者にはお薦めできないと思う。経験を積んだ海を侮らないアングラーだけのゲームだと思っていただきたい。

波の静かな磯場でも、ルアーのターゲットはたくさんいる。根魚のカサゴやムラソイはもちろん、外海に面していれば回遊魚だって狙えるはずだ。磯からヒラマサやワラサが釣れたという話も多い。離島の磯釣りでは、それこそ超大型のターゲットだって実績がある。

最近流行のイカを狙ったエギングも、様々なフィールドで狙うことができる。最も一般的なのは漁港や突堤だが、磯やサーフからでも実績はたくさんある。

特に漁港での釣りはアングラーの密集度も高く、自分が釣りをしたい場所に入る事が困難になってきているのが実態だ。そこで目をつけてもらいたいのが、磯やサーフのようにアングラーの収容能力のあるシチュエーションだ。

混雑が当たり前の昨今では、いかにして自分の考えたポイントに入れるかも、実釣テクニック以上に重要だ。ところが混雑してくると、魚に対する人的プレッシャーは高まるのが普通だ。

だから一級ポイントが必ずしも釣果確実ではない。アングラーが少なくてそこそこの釣果を出せるポイントの方が、より良い結果を出せることも珍しくないのだ。

これらのシチュエーションによって、その時々にマッチした、最も良さそうな結果を出せるポイント選定が、これからのルアーアングラーにとって重要なヨミを持った目ということになるのだろう。

そのフィールドで何が釣れるのだろうか、この魚を釣るにはどこへ行けばいいのか。こういったことを考えながら、フィールドを探索してみるのも楽しいだろう。初めてのターゲットに出会えるかもしれないし、夢はたくさん目の前にあるんだ。


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