このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
133号 に掲載された記事です

情報収集

ルアーに限らず、魚を思い通りに釣るためには、新鮮で的確な情報が重要だ。魚がいない場所で釣ることはできないので、当然のことだ。ところがこの情報を気にしないで、まったく見当違いの場所でいないと分かっているターゲットを狙っている人も見かける。

例えば真冬の相模湾でシイラを釣ろうと思ったって、水温が低すぎて釣れるはずがない。特に回遊性の魚の場合、水温などに行動パターンが影響を受ける。だから自分で情報を把握することが、とっても重要な割合を占めているのだ。

ところが新鮮な情報というのは、自分で作り出すものだ。しかし毎日のように海に通っていられる人は少なく、どれが新鮮な情報かも判断できない。情報というのは一種の生き物みたいなもので、日が経つにつれて釣りにくくなる。

回遊性の魚の場合、3日間程度が一般的だと認識しておこう。これも徐々に良くなることもあれば、尻すぼみで釣れなくなることも多い。居着きの魚であれば、海の状況による部分が多く、比較的継続して釣れ続いている場合もある。

しかしそれが根魚であれば、徐々に魚影は薄くなってしまう。結局のところ、より新鮮な情報で動いた人ほど、嬉しい結果を出せるケースが多いのだ。

それならいかにして新鮮な情報を仕入れられるか、それをいくつか紹介してみよう。最も確実なのは、前にも話したように自分で直接足を運んで情報を収集する方法だ。もし時間の都合がつけられるのであれば、どんどんフィールドへ足を運んでもらいたい。

さて、ここからが本題だ。本誌もそうだが、雑誌の釣果情報は新鮮なようでタイミングがずれている。いかに本誌が隔週刊であろうが、情報入手から発売までのタイムラグがある。本誌でも締切のギリギリまで待ってから、より新鮮な情報を掲載するようにしているとのこと。

しかしロングランで釣れるターゲットならいざ知らず、ちょっとした短期間の釣りモノだったら、本誌を見てから出かけても終わっている可能性もある。とても残念だけど、これがフィールドの実態だ。

しかしそこで考え方を変えてやれば、本誌も更に有効な使い方ができる。それは前年の同じ時期に、どこでどんな魚が釣れていたかを調べることだ。季節によって毎年同じような魚は釣れるもので、去年のバックナンバーで今年の予測を立ててみたい。それが当たれば、今年の情報源は、自分自身になれるかも。

次に新鮮な情報源として挙げられるのが、やっぱりインターネットではないだろうか。最近では各家庭にパソコンを置いて、様々な用途で活用している人は多いことだろう。もちろん我々アングラーにとっては、新鮮な釣り情報を入手するために、かなり有効なアイテムだ。

ボクも解説しているけれど、釣りのホームページでは、釣果速報だけが情報源ではない。より詳しい情報を知りたければ、BBS(掲示板)などを活用して、どんどん仲間を増やすことだと思う。ギブ&テイクで多くの人と情報のやり取りを行うことによって、より新鮮な情報を仕入れることができるのだ。

ここで注意して欲しいのが、情報はもらうだけではなく、自分からもちゃんと提供することだ。これはマナーというよりも、常識として心得て欲しい。自分が情報をもらうだけもらって、相手には何も教えずに「ハイ、サヨナラ!」なんて人もいるみたいだけど、これは身勝手だ。

本誌の読者の方にそんな方はいないと思うけど、今後も楽しく釣り続けるためにも、そんなやり方はやらないように。情報をもらった人に、その釣り場で出会ったら気まずいでしょ?

もうひとつ、携帯電話という文明の利器が活用されている。前記のパソコンを使ったインターネットと同じで、I-modeなどにも釣り関係のサイトがある。これらには釣果速報を書き込むページもあり、釣り場からまさに今現在の速報を確認することだってできる。

ひょっとすると近くの釣り場で、自分が釣れてなくても向こう側の埠頭では釣れていたなんて体験をするかも知れない。もし連絡が取れるようであれば、そのまま釣り場を移動するなんて早業も可能だ。

このように、最近の情報伝達の速さは素晴らしい。仲間と数人で異なる場所で釣っていれば、携帯電話やメールで情報交換もできる。使い方は、各自で考えてみよう。

情報は自分で発信するものというのが、ボクの考え方だ。だけど情報を出すことによって、自分がもらえることもある。ギブ&テイクを基本に、釣りを楽しみましょう!


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