このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
147号 に掲載された記事です

ルアーの操作テクニック・トップウォーター編

今回お話しするのは、水面で使うためのルアーの使い方だ。一般的にトップウォータールアーと分類されているジャンルのもので、かなり強引な操作をやらない限り、このルアーは水面に浮いた状態となる。

 さて、使い方の説明をする前に、トップウォーターの分類をおさらいしてみよう。このトップ(水面)で使うルアーには、ポッパーとペンシルタイプが有名だ。この中間的な位置づけとして、最近はアイルマグネットSBに代表されるような、ミノー風リップルポッパーがある。

 これ以外の特殊な例として、シンキングペンシルのようなルアーが、徐々に目立ち始めている。例えばオフショアでカツオやメジを狙うためのシンキングペンシルとして、水面直下でジャークなどによるイレギュラーアクションを期待するケースも多くなってきているのだ。

 今回の話しではそれらの特殊なケースを除き、一般的なポッパーやペンシルについて、操作テクニックの話をしていこう。基本は水面で使うものとして、ここでは理解しておいて欲しい。

 まずはポッパーだ。ポッパーには広口と細口の2種類が知られているけれど、いずれもそれぞれの特徴によって使い方を変えてみたい。形状の違いによって、使い方が異なるのも、当然のことなのだ。

 まずは広口ポッパー。これは口、すなわち水を受ける前面の面積が広いので、ルアーを引くことによってスプラッシュエリアが大きくなることは分かるだろう。つまりスプラッシュを有効に使うことで、周辺にいる魚に対して、ルアーの存在をアピールさせたいときに選びたい。だから水面から飛び出さない程度に、ロッドを大きく動かしてポッピングでバシャバシャと操作しよう。

 次に細口ポッパーだ。これは広口に比べると、スプラッシュは大きくない。つまりスプラッシュによるアピールよりも、細い口で受けることによる、スイミング的なアクションを有効に使いたい。こういったルアーではポッピングだと動きすぎてしまうので、リーリング中のロッドアクションでテールや首を振らせる方が効果的だ。

 いずれも水面に浮かせて使うことで、ひとつ注意しておきたいことがある。それは水面で魚のバイトする姿が見えてしまうことによって、アワセが早くなってしまうことだ。魚の姿が見えてしまうと、アングラーはつい早くアワセがちになる。つまり魚がまだルアーを咥えてないのに慌ててアワセてしまうため、当然のことだけどフッキングしない。

 ペンシルベイトでも同じことが言えるけど、とにかくルアーが沈んで見えなくなるまで、もしくはロッドティップに引き込まれる重さを感じるまで待つことを体で覚えよう。向こうアワセに近いくらいのつもりでいて、重さを感じたら追いアワセをするくらいのつもりでちょうどいいと思う。

 次にペンシルベイトだ。このルアーは、ポッパーに比べると細身であることが特徴だ。ボディボリュームとしてのアピール度は少ないと思われるけれど、スレた魚を相手にするのなら、こういったスリム系のルアーは重宝する。

 但しボディの半分は水面下となるので、見破られやすいのも事実だと認識しておこう。水面上にあるルアーの場合は、水面の波もしくは、夜ならシルエットでごまかすこともできる。ところが常に水面下にあるボディは、そのもの自体が見破られやすいのだ。

 それだけにボクが操作で意識しているのは、常にロッドを使ってダンシングさせること。もちろんアクションの直後にポーズをつけるテクニックもあるけれど、ほとんどのケースでは止めると見破られるように感じている。

 これは他のタイプのルアーにも同じことが言え、所詮はニセモノのエサなので、仕方がないだろう。だからそのときの魚の様子を見るチャンスがあるトップでこそ、ロッド操作と魚の動きを研究するチャンスだとも言える。ショートストローク、ロングストローク、のったりした操作やシャープでキビキビした操作。こういったパターンを状況に応じて組み合わせながら、最も反応のよい操作テクニックで攻略したい。

 オマケに話しておくと、一般的な操作のローテーションもある。つまり最初からスローな動きで攻めてしまうと、見破られやすい。だから最初はルアーをロッドアクションで動かし続けるのがボクのやり方だ。

 ところがプレッシャーの加え続けられているポイントでは、派手な動きで反応しなくなることも多い。これは経験で判断するしかないけど、最初の1投の占めるウエイトは、その日の釣果に影響するのだ。


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