このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
148号 に掲載された記事です

ルアーの操作テクニック・バイブレーション編

いよいよ積極的に沈めて狙う、バイブレーションプラグの話に入りますね。バイブレーションの場合、そのほとんどがシンキングタイプだけだ。一部にはフローティングバイブレーションもあるけど、遠投性能の面で劣る感は否めない。

 さて、一般的なバイブレーションは、キャスティングで浅場を狙うもの、一気に沈めて深場を攻略するものがある。ヘビーウエイトのバイブレーションなどは、時にはメタルジグと同じような使い方をするケースもある。

 それほど水深の深くない場所を攻略するときには、メタルジグのフォールスピードで速すぎる場合があり得る。そんなときに、若干フォールスピードの遅いバイブレーションが抜群の効果を示すこともある。一気に沈むメタルジグを追うほどに活性の高くない場合には、バイブレーションのスローなフォールが威力を発揮してくれるのだ。

 こういった状況でのバイブレーションのテクニックとして、フォール中にアクションを加えたりもするのだ。軽いジャークでヒラを打たせてみたり、トゥイッチで前傾姿勢の頭を持ち上げるような姿勢変化を付けてみよう。フォール中でも、こういったイレギュラーなアクションを加えてやることで、シーバスなどの興味を向けさせることも可能だ。

 重要なのは、バイブレーションだからブルブルと振動するようなスイミングをさせなければいけないと決め付けないことだ。ルアーを操作するのはあくまでもアングラーであることを忘れず、そのルアーが持っている基本アクションを元に、いかにして独自の動きを作り出すかも重要なテクニックだ。

 今まではフォールでのテクニックのヒントを話してみたけれど、次に紹介するのは通常のリーリングに関する内容だ。例えばシーバスがストラクチャーへタイトに寄り添っている場合がある。分かりやすく話してみると、ヘチにシーバスがいるのが分かっているのに、ヘチはえぐれていて奥までルアーを通すことができないケースがある。

 こういったシチュエーションで、シーバスがエグレの奥でしか反応しないとしたら、どうやって攻略する方法があるだろう。引きずり出すためのいくつかの方法もあるだろうけれど、手っ取り早いのは奥の奥までルアーを持って行ってやることだと思う。

 しかし通常のバイブレーションを使ったって、エグレの入口までにしかルアーは着水させることができないはずだ。こんなときに試してもらいたいのが、わざとルアーのアイチューニングを狂わすテクニックがあるのだ。

 例えば岸壁と平行にキャストしたとすれば、その岸壁の奥にあるエグレにルアーを通したいわけだ。そのためには、あえて真っ直ぐに泳いでくれるルアーを、リーリングによって曲がっていくようにアイチューニングをしてやればいい。

 普通に考えればリーリングで真っ直ぐに引いてこれるのが良いルアーチューニングなんだけど、アイを曲げたい方向に傾けてやることで、ルアーはそちらへ寄って泳ぐ。ミノーでやるとルアーがお腹を見せてひっくり返るかも知れないけれど、バイブレーションであれば多少は無理も利くはずだ。

 これもルアーはこうあるべきだという既成概念にとらわれず、自由な発想で手持ちのルアーを有効に使った、攻めのルアーテクニックだと言えるだろう。このような感覚を磨くことが、ルアーフィッシングの楽しさでもあり、ニセモノのルアーで魚を釣る醍醐味だと思う。

 それからもうひとつ、とっても簡単で効果のあるテクニックを紹介しておこう。ハッキリいって、そこに魚がいれば何らかの反応をしてくれるはず。シーバスだけでなく、小さなバイブレーションを使えば、メバルやカサゴにも有効なテクニックになるはずだ。

 そのテクニックは、ヨーヨー釣りだ。とっても単純なテクニックで、ボトム付近、もしくは自分が狙ってみたいタナまで岸壁沿いにルアーを沈める。そこでスピニングリールであれば、ベールアームを返す。そのままロッドを上下に動かして、ルアーをリフト&フォールさせて繰り返すだけだ。

 単純な動きだけど、意外なほどに上下の動きに反応する魚は多いようだ。多くの場合、ジャークしたときに反応して、フォールでバイトするようだ。そして次のジャークで、バイトに気づいてなくてもヒットするはずだ。

 時にはリズムを変えてみたり、小刻みな動きの変化をもたせても面白い。ラインの太さを変えるだけでも異なるアクションを試せるよ。


戻る